サーカスでの動物利用を禁止・制限する国々

現在世界中でサーカスの動物利用を禁止・制限する国は58か国。

たとえひとの飼育下で繁殖した個体であったとしても、芸をさせたり、長距離輸送させたりする娯楽に、野生動物を利用することは、世界中で非倫理的であると認識されつつある。

年々、動物をサーカスに利用することを禁止する国・地域は拡がっている。この動きは欧米だけではない。南米もアジアも同様だ。

しかし日本では、現時点で動物サーカスは合法だ。非難の声が少しずつ広がっているとはいえ、野生動物の娯楽利用の問題に気がついていない人もいる。支配下に置かれ、危険な芸を強要される動物をみて楽しむのは異常なことだと、認識しなければならない時期はもうきている。

世界の状況まとめ

更新日：2022年12月15日
参照：Worldwide circus bans
http://www.ad-international.org/animals_in_entertainment/go.php?id=281 https://www.stopcircussuffering.com/uncategorized/worldwidecircusbans/

ヨーロッパ

アルメニア：動物を利用したサーカスのすべてを禁止
オーストリア：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止。
ベルギー：サーカスで、大部分の野生動物の使用を全国的に禁止（オウムとラクダは家畜動物に分類されます）
ボスニア・ヘルツェゴビナ：サーカスで、すべての動物を全国的に禁止
ブルガリア：サーカス、バラエティーショー、その他のエンターテイメント施設で特定の野生動物種の使用を全国的に禁止
クロアチア：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止
キプロス：サーカスで、すべての動物を全国的に禁止
チェコ共和国：サーカスで、特定の動物種の使用を全国的に禁止
デンマーク：サーカスで、特定の野生動物の使用を全国的に禁止
イングランド：サーカスでの野生動物の使用を全国的に禁止
エストニア：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止
フィンランド：サーカスで、特定の動物種の使用を全国的に禁止
フランス：2020年に野生動物のサーカスを段階的に禁止することを表明。その他50の地域で禁止
ドイツ：約90の地域で禁止
ギリシャ：サーカスで、すべての動物を全国的に禁止
ハンガリー：サーカスで、野生捕獲の動物を使用することを禁止。サーカスのためにゾウと霊長類を購入・訓練することを禁止。サーカスのために、ＣＩＴＥＳ付属書1の動物を購入・訓練使用することを禁止。
アイルランド：もともとDrogheda, Dublin, Fingal, Galway City, Kildare, Monaghan, Moyle, South Dublin,Waterfordの各都市で、サーカスで動物を使用することを禁止していたが、2017年11月にアイルランド全体として野生動物をサーカスに使用することを禁止。クリード農業相は声明で「動物福祉に対するわれわれの責任を反映した革新的な動きだ」と説明。アイルランド、野生動物のサーカス禁止＝愛護団体は歓迎（2017.11.1時事通信）
イタリア：2017年11月8日、イタリアですべての動物をサーカスに使用することを段階的に禁止する法律が可決 ‘Amazing News’: Rights Groups Celebrate After Italy Bans Use of Circus Animals
ラトビア：野生捕獲された動物の使用を、事実上全国的に禁止
ルクセンブルク：サーカスで、野生動物を全国的に禁止
マケドニア：サーカスで、野生動物を全国的に禁止
マルタ：サーカスにおけるトレーニング、パフォーマンス、展示、ショーのためのすべての動物の全国的な禁止
オランダ：サーカスでの動物使用と輸送の全国的な禁止（特定の、主に家畜種の免除あり）
ノルウェー：野生動物の使用は、事実上全国的に禁止。（許可された動物のポジティブリストには、家畜のみが含まれる（ラクダを除く））
ポーランド：サーカスにおける野生産まれの動物の使用の全国的な禁止
ポルトガル：サーカスでの大型類人猿の使用、およびCITESに掲載された種の取得と繁殖を制限する全国的な禁止
ルーマニア：サーカスでの野生動物の使用の全国的な禁止（特定の外来種の鳥やクジラ目を除く）
スコットランド：サーカスにおける野生動物使用の全国的な禁止
セルビア：野生動物を利用したサーカスの全面禁止
スロバキア：野生動物を利用したサーカスの全面禁止
スロベニア：野生動物を利用したサーカスの全面禁止
ウクライナ：「移動式動物園」とサーカスのパフォーマンスで使用するための野生動物の輸送の全国的な禁止
スペイン：バルセロナを含む400以上の地域でサーカスでの野生動物の使用を禁止
スウェーデン：サーカスで、特定の種の使用を全国的に禁止
英国：200以上の地方自治体が動物サーカスを禁止しており、これらのうち3分の2以上が全ての動物を禁止、残りは野生動物のみを禁止。スコットランド、イングランド、ウェールズは、サーカスでの野生動物の使用を禁止。北アイルランドでは現在、そのような法律は施行されていない。（2018年2月28日、英国政府は2020年1月までに野生動物を使用したサーカスを全て禁止することを決定 http://www.ad-international.org/animals_in_entertainment/go.php?id=4531&ssi=10　2017年12月20日、スコットランドで、サーカスでの野生動物の使用を禁止する法案が可決 Wild animals in travelling circuses banned in Scotland）

北米

米国：34州におよぶ111の管轄区域で、サーカス動物使用を部分的または完全に禁止。ニュージャージー州、ハワイ州、カリフォルニア州、コロラド州では州全体で禁止
カナダ：バンクーバーを含む、33の市町村などで、サーカスでの動物使用を禁止

ラテンアメリカ

アルゼンチン：ブエノスアイレス市を含み、20以上の都市で、サーカスでの野生動物使用を禁止
ボリビア：サーカスで、野生動物と家畜動物の使用を全国的に禁止
ブラジル：11州および20を超える都市でのサーカスでの動物の使用の地元の禁止
チリ：サンティアゴ市内で、サーカスでの野生動物と家畜動物の使用禁止
コロンビア：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止。首都ボゴタでは、サーカスでの動物の使用禁止
コスタリカ：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止
エクアドル：自然の野生動物の使用を全国的に禁止。外来種動物使用の制限。サーカスでの在来と外来種の野生動物の輸入を禁止
エルサルバドル：あらゆる種類のエンターテインメントにおいて、野生動物種からの使用・乱用・収益を全国的に禁止
グアテマラ：サーカスでの動物の使用を全国的に禁止
メキシコ：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止
パナマ：固定型および移動型サーカスおよび類似のショーで、野生動物を入れることを全国的に禁止
パラグアイ：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止
ペルー：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止。Magdalena del Marではすべての動物を禁止

オセアニア

オーストラリア：Hobsons Bay、Surf Coast Shire、Parramata、Lismoreを含むいくつかの町で、サーカスでの動物使用を禁止

アジア

インド：サーカスで特定の種の使用を全国的に禁止
イラン：サーカスでの野生動物の使用が事実上、全国的に禁止（許可されない）
イスラエル：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止
レバノン：サーカスでの特定の種の使用に対する全国的な禁止
シンガポール：サーカスで、野生動物の使用を全国的に禁止
台湾：保護された野生生物をサーカスのために輸出入することを全国的に禁止

*文中の「野生動物」には、野生下で捕獲してきた動物（いわゆるトラやゾウやキリンなど）と繁殖下の野生動物（いわゆるトラやゾウやキリンなど）の両方を含みます。