すべての問題の構造は同じです。 一般社団法人日本エシカル推進協議会が発足し、その記念シンポジウムが2017年4月28日に開かれました。協議会は2014年に任意団体として発足し2015年度から消費者庁が開いた倫理的消費調査研究会の中心的役割を担いました。法人化にあたり、アニマルライツセンターも正会員、理事として協議会に参画し、今後のエシカル消費の浸透にむけて力を尽くします。 この協議会の特徴は、行政、企業、教育、NGO全てのセクターが参画している点です。大きなプラットフォームとなることでしょう。シンポジウムでは、その強みとなる幅広い分野の登壇者による講演、ディスカッションが行われました。冒頭挨拶にて、東京大学名誉教授山本良一先生は、今の世界がエシカルと真逆に向かっている、核兵器という力を使うことがあれば、その影響はその地域だけでない環境問題を引き起こし、地球全体の問題となる、勝者は誰もいないのだと述べられました。また、特別講演で登壇された杉本彩さんはご自身のエシカルについて考えたきっかけが動物であること、動物の問題と出会っていなければエシカル、地球環境などについて深く考えることはできなかったのではないかと述べられ、また動物愛護家として、芸能人として、経営者としての視点を織り交ぜながら動物たちの問題をお話されました。パネルディスカッションのリレートークでは、株式会社 Control Union Japan山口真奈美氏が認証についてお話し、認証の過程で訪れたインドなどの状況についてお話されました。そのパームオイルの認証を日本で最初に取った株式会社サラヤ竹内光男氏は、その時代に応じた問題に解決するための商品を作ってきており、現在はパームオイルの問題に力をかけていることを、イオングループの金丸治子氏は店舗としての責任として消費者に知らせることについてお話されました。東京経済大学教授渡辺龍也氏は一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム理事のお立場からフェアトレードについて、弁護士の島田広氏は消費者教育としてエシカル消費・消費者倫理がどのように取り入れられているのかについてお話されました。アニマルライツセンター岡田千尋も最も社会的弱者であり、いつでも利用される立場にいる動物たちのためにエシカルな選択がどのようになされるべきなのかを畜産動物を例にお話ししました。結びの言葉はマハトマ・ガンジーの動物への扱いを見ればその国の偉大さや道徳のレベルが分かる。動物の問題は多々ある人間の問題の陰に隠れいつも後回しにされてきました。しかし、動物たちの現状は、人々の心を大きく揺さぶります。一方でその現状の酷さは人を動揺させ、動物の問題をなかなか冷静に見て話し解決策までたどり着きません。 だからこそ、ガンジーは動物の扱いがその国の成熟度の指標になると指摘したのだと考えます。 東京五輪のある2020年に向け海外から日本が様々な評価を受けるとき、最も弱い立場にある人の言葉を話さない動物の扱いこそを見られ、判断されるのではないでしょうか。感情的な議論にとどまることなく、改善に向け、市民はもちろん、企業、業者、行政もともに歩んでほしいと思います。エシカル消費、もしくは消費者倫理を育むことは持続可能な社会を作るベースを作るというものです。商品は世界中からやってきます。その一つ一つの裏に、その地域の人がいて、動物がいて、社会と環境があります。その裏側に思いを馳せ、思いやりを行動に表していく必要があるのだと思います。力を合わせて。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article発行されたJGAP認証、やっぱりアニマルウェルフェアは守れない Next Articleパチンコ ベガスベガス フクロウを拘束展示 2017/04/28