持続可能な開発目標(SDGs)実施指針の骨子についての意見募集が行われました。SDGsのSustainable development GOALSの17項目の多くに、人の支配下に置かれた動物たちの問題が関わります。野生動物だけではありません。 食糧廃棄物の削減、海洋資源の持続可能性については言及がありましたが、動物福祉について、持続可能な畜産物の量などについては言及がありませんでした。そこでアニマルライツセンターからは以下の2点について意見を提出しました。畜産について■世界の食糧危機と人々の健康のため、ひいては未来の人々に残さなくてはならない地球のために、動物の福祉および持続可能な畜産物の量への転換が求められています。SDGs実施指針案には、動物への配慮、及び動物福祉が含まれていませんが、私たちが日々消費する畜産物は、最も身近で影響力の大きい分野であり、畜産物の減少、動物福祉の実施に関連した以下の具体案に含めていただけますようお願い致します。・畜産業に置けるアニマルウェルフェアの推進 ・畜産物の持続可能な量への変換 ・持続可能な畜産業への変換 ・動物への虐待的飼育および暴力の防止[背景] 現在人は世界で600億頭~700億頭、日本国内だけでも10億頭以上の畜産動物を毎年生み出していますが、この大量の畜産物の生産のために、持続可能性が多くの場面で失われています。放牧地や飼料生産のために、550,000平方キロメートルにもおよぶ熱帯雨林が破壊されてきました。世界の放牧地の60%はすでに荒廃しました。元は野生動物が生息していた草原が牛や羊のために使われ生態系や多様性が失われました。これらにともない野生動物の減少を招いています。森林や草原の土壌が貯留していたCO2は大気中に放出され、動物自身も大量のメタンガスとCO2を排出し、その糞尿からもメタンガスや一酸化二水素が放出され、地球温暖化を加速させる主要原因の一つとなっています。世界一水資源を利用するのは畜産で牛肉1Kgを作るために15415リットルが使われ、また穀物も大量に消費します。牛肉だけでなく豚肉や鶏肉、卵、牛乳も同様です。動物たちを養うための大量の食糧は人々の食糧事情を圧迫しています。日本の飼料自給率は27%であり、食糧システムの改善には、穀物の間接消費を減らし直接消費に切り替える必要があります。許容量を大幅に超えた動物を飼育する集約的農場は動物を自然からかけ離れた姿に変え、ワクチンや抗生剤がなければ生きられない環境の中で病気の蔓延とウイルスの強化(耐性菌の発生)を招き公衆衛生および人の健康を脅かしています。そして、動物利用は往々にして、非人道的な行為を助長し、生産者も消費者も、身体的暴力、精神的暴力双方の非人道的な行為の存在をしかたのない事だと考えるようになります。他者への思いやりの心を失わせることは、社会や地球の「持続可能性」を最も脅かすものであり、平和を失わせる要因となります。 衣類素材について■衣類品、衣類素材について、以下の具体策を含めて下さい。・持続可能な衣類素材への変換[背景] 外国から導入した毛皮用の動物(アメリカミンクやヌートリア等)を飼育し、その動物が逃げ出したことにより、地域固有の生態系が脅かされています。毛皮や皮革をなめすために六角クロムやホルムアルデヒドなどの危険な物質が使われ地域に排出され加工地の環境や人々の健康を脅かしています。その他、革の鞣しによる環境汚染や健康被害も途上国において深刻です。日本の衣類品、装飾品の多くが輸入であるため、日本での消費が、発展途上国を含める海外でのこれらの公害的被害の原因の一端を担ってしまっています。11月1日までです、ご意見をお送りください。 こちらからクリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous ArticleOIEコードとのズレ。関係機関に整合性を求める。 Next Article11/1 世界ヴィーガンデー 渋谷アクション 2016/10/31