論文概要
目的: カナダ主要都市の青少年・若年成人のうち、ベジタリアンの食生活を実践していると回答した人が人口に占める割合と社会人口統計学的な特性を推定し、食生活を改善するために取り組まれている内容について調査する。
デザイン・設定・参加者: 2016年秋にウェブアンケートによってデータを収集した。回答者は、ベジタリアン食(ヴィーガン・ベジタリアン・ペスカタリアン)を実践しているかどうか、数種類の栄養素・食品群・特定の属性を有する食品について、最近1年間で摂取量の調節に取り組んだかどうかを報告した。ロジスティック回帰モデルでは、ベジタリアン食のそれぞれについて、社会人口統計学的特性との相関、および食事タイプによる他の食事実践における違いを検討した。カナダの主要5都市で参加者を募集し、16~30歳の青少年・若年成人の合計2566名が調査に参加した。
結果: 全体として、回答者の13.6%がベジタリアンの食生活を実践していると答え、このうちベジタリアンは6.6%、ペスカタリアンは4.5%、ヴィーガンは2.5%であった。性別、人種・民族、栄養成分表を使用する頻度、健康に関するリテラシーは、ベジタリアンの食事実践と有意に相関していた(いずれも P<0.01)。食事において野菜・果物(66.8%)とタンパク質(54.8%)の摂取を増やす取り組み、また糖質(61.3%)と加工食品(54.7%)の摂取を減らす取り組みは、回答者全体で広く見られた。
ベジタリアン食を実践する回答者は、そうでない回答者と比較して、炭水化物と動物性食品の摂取を減らす一方、有機食品や地元産食品、エシカル・持続可能な方法で生産された食品、フェアトレード* による食品、非遺伝子組み換え食品の摂取を増やしていると報告する傾向が強かった(すべてについてP<0-01)。
結論: 調査に参加したカナダの主要都市の青少年・若年成人の14%近くがベジタリアンの食生活を実践していた。これらの人々は、健康志向の食生活と持続可能な食料生産につながる行動に価値を置いて取り組んでいる可能性がある。
* 発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す運動(Wikipedia より抜粋)
Laura Vergeer, Lana Vanderlee, Christine M White, Vicki L Rynard, David Hammond
2019/10/11
Vegetarianism and other eating practices among youth and young adults in major Canadian cities