論文概要
プラントベースの食生活は健康と環境に有益であるが、ほとんどの人は雑食である。本研究の目的は、雑食の回答者において、よりプラントベースの食生活に移行するうえでの決定要因(医師・科学者・政治家による推奨、安価であること、入手のしやすさなど)を評価し、各階層の回答者が受容しやすい決定要因を特定することである。
ドイツにおける伝統医療・補完医療・統合医療の利用・受容に関する調査(4,065人、雑食は3,419人・84%)によれば、プラントベースの食生活へと移行する意欲は全体的に低いことがわかった(1~4段階で平均2.25)。医師による推奨や(平均値=2.61)、プラントベース食品が安価であれば(平均値=2.55)を理由とする回答者が最も意欲的で、科学者や政治家による推奨(平均値=1.86)では最も意欲が乏しかった。
回帰分析によれば、男性・ベビーブーム世代・教育レベルの低い回答者では、プラントベースの食生活に移行する意欲が有意に低いことが明らかになった。また、男性や高齢者層の食事行動に関しては、医師・科学者・政治家による推奨が介入策として有効であると考えられる。医師による介入とプラントベース食品の低価格化は、食生活の移行に消極的な人々の間でも変化を誘発できる可能性が最も高く、これによって健康格差を縮小し、環境に優しい行動を推進することができる。
Judith Lehmann, Miriam Trübner, Alexander Patzina, Michael Jeitler, Rasmus Hoffmann, Christian S. Kessler
2024/11/12
The willingness to transition to a more plant-based diet among omnivores: determinants and socioeconomic differences