論文概要
背景: 食肉の大量消費は、地球規模で大きな環境負荷を引き起こし、食料システムによる重大な結果を健康に及ぼしている。食の選択は複雑であり、文化や嗜好、経済、政治、その他の健康を決定する要因によって影響される。ミートレス・マンデー Meatless Monday(MM)は、週に1日は肉を食べないことを呼びかけるもので、地球全体の健康をめざすための簡単な第一歩である。週に1日減らすことが食肉消費のさらなる変化につながるのか、これまでに調べた研究はほとんど存在しない。
目的: 本研究では、毎週発行されるMMニュースレターの影響と、ミートレス・デイへの参加による、肉消費に関わる1週間の食行動への影響について調査した。
研究のデザインと設定・参加者: この横断研究では、MM に関するe-ニュースレター購読者を対象とした調査で得られた回答(1153名)を分析した。参加者は簡易標本抽出法で募集し、18歳であれば対象とした。
測定可能な結果・分析: ロジスティック回帰を用いて、MMを実践していること、週に1日以上肉を食べないこと、家庭や外食で肉なしレシピを取り入れていることについての関係を検証した。さらに、MMニュースレターを受信した期間の長さが1週間のなかで肉を食べないことに影響するかどうかを調べた。
結果: MMを実践している参加者では、週に1日以上肉を食べない可能性は10倍高く(オッズ比(OR)=9.94、p<0.001)、肉を全く食べない可能性は2倍高かった(OR=1.98、p=0.008)。家庭で肉を使わないレシピをより多く取り入れる可能性は8倍高く(OR=10.77、p<0.001)、外食時に肉を使わない食事をより多く注文する可能性は3倍高かった(OR=3.18、p<0.001)。MMニュースレターを1年以上受け取っている参加者では、1年未満の参加者に比べて、食事で肉を使わなくなる可能性が2倍高かった。
結論: 週に1日肉を食べないことで、肉の摂取量をさらに減らし、他の食生活も変える可能性が高まる。ミートレス・マンデーは、さらなる食生活の変化につながる、最初の簡単なステップとしての戦略となる。
Daphene Altema-Johnson, Shima Shakory, Rebecca Ramsing
2023/07/08
Dietary changes among people practicing Meatless Monday