論文概要
ヴィーガンの食生活の選択や実践に触れる機会は、倫理や環境の問題に関心を持つ人々の意見がソーシャルメディアで広く発信されることによって拡大されてきた。こうした中には、インフルエンサーとしてバーチャルで相当な数のフォロワーを獲得し、オピニオンリーダーとなる信頼性を備えている人々もいる。
そこで本研究では、化粧品産業に焦点を当て、インフルエンサーが支持するヴィーガン化粧品、いわゆるヴィーガンコスメ製品を購入する意思の形成において、情報源の信頼性とソーシャルメディアの利用度がどのように関わっているかを分析した。横断調査で有効な回答を得られた190人の質問票データについて、構造方程式モデリングを用いて変数間の関係を分析した。
その結果、ソーシャルメディアの利用度と情報源の信頼性はいずれも、ヴィーガン化粧品を購入する意思に影響を与えていることがわかった。インフルエンサーには消費者の意思を形成する力があることが明らかになったが、このような傾向は、例えばヴィーガンではないフォロワーが、インフルエンサーが支持しているヴィーガンコスメ製品を購入する場合のように、インフルエンサーの意見がフォロワー個人の価値観を沿ったものでない場合においても見られた。
さらに、情報源の信頼性はソーシャルメディアの利用度にも影響を与えていることも明らかとなり、このことはソーシャルメディアにおける個人の行動形成にもインフルエンサーが関わっていることを示している。
Rennan Carvalho dos Santos, Marianny Jessica de Brito Silva, Marconi Freitas da Costa, Karen Batista
2023/03/11
Go vegan! digital influence and social media use in the purchase intention of vegan products in the cosmetics industry