論文概要
3つの研究において、動物の赤ちゃんから呼び起こされる観念や感情によって、肉を食べたいという欲望を抑制できるかどうかを検証した。先行研究では、動物が赤ちゃんである場合、畜産動物に対する道徳的関心が強まることが明らかにされている。
研究1では、肉が成体の動物ではなく動物の赤ちゃんのものであることを画像で提示すると、肉を求める食欲が減退することがわかった。しかし、この効果は弱く、女性のみで認められた。この知見を再現・拡張するため、研究2では標本数を増やすとともに新たに2種類の動物を用いた。
研究3では、成体と赤ちゃんの動物を比較しない条件を含めて検証したところ、肉が動物の赤ちゃんのものであることを示した場合、成体の動物である場合や視覚的に動物を提示しない場合と比べて、肉を求める食欲は最も大きく低下することがわかった。
これらの結果にベイズ因子を用いたメタ分析では、3つの研究結果の累積から強いエビデンスが得られ、女性では動物の赤ちゃんの画像によって食欲が一時的に減退するという仮説が支持された。一方、男性におけるエビデンスはそれほど強いものではなかった。本研究の結果から、雑食の人では動物の赤ちゃんに対する思いやりと肉を食べたいという欲望が対立し、葛藤している場合があることが明らかになった。
Jared Piazza, Neil McLatchie, Cecilie Olesen
2018/05/03
Are Baby Animals Less Appetizing? Tenderness toward Baby Animals and Appetite for Meat
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