論文概要
この横断研究では、スイス・ジュネーブの大学カフェテリアでベジタリアンメニューを選ぶことを阻む要因、およびその選択を促す要因について調査した。第1段階では、大学の全学生および職員を対象として、能力・機会・動機(COM-B)モデルに基づいて開発したオンライン調査を電子メールで送付した。第2段階ではフォーカスグループを開催し、調査に対する回答を収集するとともに、カフェテリアでのベジタリアンメニューの選択を推進するために必要な変えるべき点を検討した。
調査に参加した304名から得られたデータを分析した。主な障壁として挙げられたのは、ベジタリアンメニューの選択肢が乏しいこと、味が良くないこと、満足感が十分でないことであった。調査からベジタリアンメニューの選択を促す要因として明らかになったのは、価格が手ごろであること、健康および環境の面でメリットがあることであった。フォーカスグループでは、13人の参加者が4回のセッションに参加し、得られたデータを主題分析によって分析した。
その結果、以下の5種類のテーマが特定された:メニューを自発的に選ぶこと、選ぶメニューをあらかじめ決めておくこと、メニュー選択における機会の影響、環境問題に関する意識の影響、メニュー選択においてアイデンティティが脅かされていると感じること。大学のカフェテリアにおけるベジタリアンメニューの選択に影響していたのは、主に料理の魅力と味であった。
食品に関連する温室効果ガス排出を削減するため、今後の戦略としては、ベジタリアンメニューの品質と魅力を高めることで、特に男性や雑食の人など、抵抗感の強い人々にアピールする必要がある。また、カフェテリアで提供されるベジタリアンメニューでバランスのとれた栄養を確実に摂れること、健康や環境の面でメリットがあることについての情報を消費者に提供することも必要である。
Valeria A Bertoni Maluf, Sidonie Fabbi, Carolina Cerqueira Azevedo , Isabelle Carrard
2024/11/18
Barriers and facilitators influencing the choice of a vegetarian menu in a university cafeteria