論文概要
食品生産の労働環境に関する社会的リスクの検証やケース・スタディは、主として特定の集団や地域、商品を対象として行われてきた。多くの食品は複雑なステップを経て供給されているが、その労働環境に関して国際基準に照らした体系的な検証を行った研究はこれまでになかった。
ここでは、生産・取引・労働強度に関するデータとリスクを定性的にコード化したデータを組み合わせ、果物・野菜に関するこれまでの検証を踏まえながら、米国国土における食品の供給(水産物を除く)における強制労働のリスクを定量的に評価する。
その結果、動物性タンパク質食品(赤肉・鶏肉・卵)、果物・野菜の加工食品(ジュース・缶詰・冷凍食品など)、その他の様々な食品(甘味料・コーヒーやビールなどの飲料・チョコレートなど)が強制労働のリスクの主な要因であり、強制労働のリスク全体のうち62%は国内での生産や加工に起因することが明らかとなった。
これらの研究結果は、米国の食品供給においては強制労働のリスクが広汎に存在しており、労働搾取への依存をなくすためには高所得から低所得までのすべての国々における協調行動が必要であることを示している。
Nicole Tichenor Blackstone, Edgar Rodríguez-Huerta, Kyra Battaglia, Bethany Jackson, Erin Jackson, Catherine Benoit Norris, Jessica L Decker Sparks
2023/07/24
Forced labour risk is pervasive in the US land-based food supply
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