論文概要
目的: これまでの観察研究では、赤身肉の摂取が心血管疾患や糖尿病と関連しているかどうかについて一貫した結果は得られていない。また、赤身肉の消費量は性別や環境によっても異なるが、これらの疾患との関連もまた性別や環境によって異なるかどうかは不明である。
方法と結果: このシステマティックレビューとメタアナリシスでは、未加工および加工済の赤身肉の消費と、心血管疾患とその関連疾患(冠動脈疾患・脳卒中・心不全)・2型糖尿病・妊娠糖尿病との関係についての研究データを集約し、性別および環境(食事パターンと地理的地域で分類した欧米型と東アジア型)による違いを検証した。
PubMed・Web of Science・Embase・Cochrane Libraryのデータベースから、2人の研究者が独立してスクリーニング調査を行い、2022年6月30日までに発表された観察研究およびランダム化比較試験を抽出した結果、心血管疾患に関する観察研究43件(4,462,810人・女性61.7%)、糖尿病に関する観察研究27件(1,760,774人・女性64.4%)を研究対象として包含した。
赤身肉の摂取は、心血管疾患(未加工・加工済の赤身肉とも)・心血管関連疾患、2型糖尿病・妊娠糖尿病と正の相関を示した。脳卒中および2型糖尿病との関連は欧米型で高かったが、性別による違いはなかった。
結論: 未加工および加工済の赤身肉の摂取は、いずれも心血管疾患とその関連疾患、糖尿病におけるリスク上昇と関連していた。この関連は欧米型の環境においてより強かったが、男女差は認められなかった。心代謝の健康および地球規模での健康増進を推進するためには、そのメカニズムについてより深い理解が必要である。
Wenming Shi, Xin Huang, C Mary Schooling, Jie V Zhao
2023/06/02
Red meat consumption, cardiovascular diseases, and diabetes: a systematic review and meta-analysis