論文概要
背景: ベジタリアン食とガンのリスクとの関連については、従来の研究では、ベジタリアンの数が少ないために信頼性の高い推定ができなかった。そこで、「ベジタリアンのがんリスク研究コンソーシアム」を設立し、非ベジタリアンとベジタリアンのグループ間でベースライン特性を比較し、さらに異なるコホートの間でも比較した。
方法: 西ヨーロッパ・北米・南アジア・東アジアにおける前向きコホート研究11件から得られた個人レベルのデータを統合した。食品摂取量・社会人口学的要因・ライフスタイルによる要因に関して、非ベジタリアンとベジタリアンを記述統計によって比較し、さらに異なるコホート間でも比較した。
結果: 調査対象には合計で230万人の参加者が含まれ、このうち女性は66%、男性は34%で、参加の時点での平均年齢はそれぞれ57歳(SD:7.8歳)および57歳(8.6歳)であった。参加者のうち赤肉を食べる人は210万人、鶏肉を食べる人は60,903人、ペスカタリアンは44,780人、ベジタリアンは81,165人、ヴィーガンは14,167人であった。
食品摂取量に関する非ベジタリアンとベジタリアンの差は、コホートによって様々に異なっていた。例えば、果物・野菜の摂取量については、中国を除くすべてのコホートにおいて、ベジタリアンが肉を食べる人を全般的に上回っていた。BMI は、インドと中国のコホートを除き、ベジタリアンでは全般的に低く、ヴィーガンでは特に低かった。一部の例外を除き、ベジタリアンは全般的に教育水準が高く、身体活動が活発で、喫煙者は少なかった。追跡調査が実施されたサンプルでは、中国を除くすべてのコホートで(ベジタリアンと非ベジタリアンの)食事パターンは概して安定していた。
結論: 非ベジタリアンとベジタリアンにおける食品摂取量およびライフスタイルによる要因の影響は、コホート間で大きく異なっていたが、これは文化的および社会経済的な状況の違い、調査に使用された質問票の違いに起因している可能性がある。したがって、ガンのリスクに対してベジタリアン食が及ぼす影響を解釈する際には注意が必要である。
YashveeDunneram, JiaYiLee, CodyZWatling, GaryEFraser, FaythMiles, DorairajPrabhakaran, KrithigaShridhar, DimpleKondal, ViswanathanMohan0, MohammedKAli, KabayamMVenkatNarayan, NikhilTandon, TammyYNTong, TinaHTChiu, Ming-NanLin, Chin-LonLin, Hsin-ChouYang, Yu-JenLiang, DarrenCGreenwood0, HuaidongDu, ZhengmingChen, CanqingYu, MariaGKakkoura, GillianKReeves, KerenPapier, SarahFloud, RashmiSinha, LindaMLiao, ErikkaLoftfield, JanetECade, TimothyJKey, AuroraPerez-Cornago
2024/08/02
Methods and participant characteristics in the Cancer Risk in Vegetarians Consortium: a cross-sectional analysis across 11 prospective studies