論文概要
分娩クレートは、授乳中の母豚に使用される世界で最も一般的な分娩舎であるが、動物の移動の自由を奪う飼育システムであるため、社会からは反対されている。
本研究では、ブラジル国民を対象として、3種類の分娩舎システム(クレート・フリーストール・屋外)に関する意識について調査した。データの収集は、自由形式とクローズエンド型の質問を含むオンラインアンケートによって実施した。参加者(1171名)の態度は、分娩クレートに対して最も否定的であり、屋外の分娩に対して最も肯定的であった。また、参加者の態度には、母豚の生活の質に対する認識との間に正の相関が見られた。
圧倒的に多くの参加者が分娩クレートの使用を拒否しており、ほとんどの参加者は分娩クレートからフリーストールに移行するという提案を支持していた。フリーストールには子豚の死亡率が増加するリスクを伴うことを知らされた場合でも、これに変わりはなかった。
参加者が示した意見は、母豚が自由に動けることや行動の自由、自然さに関する懸念によるものであり、適切な飼育施設を開発して管理すれば、母豚を閉じ込めることなく子豚の圧死を予防できるはずであるという考え方に基づいていた。
さらに、フリーストールもまた、ここで参加者が示したすべての懸念に対処できるわけではなく、これには例えば、母豚が他の個体と社会的に交流し、母性的な行動をとれるようにするべきであるという懸念があった。我々は、分娩クレートを使い続けることで養豚業に対する社会的な認容が損なわれる可能性があると結論した。
Bianca Vandresen, Maria José Hötzel
2021/12/02
“Mothers Should Have Freedom of Movement”—Citizens’ Attitudes Regarding Farrowing Housing Systems for Sows and Their Piglets