論文概要
従来の食肉に代わる食品の選択肢は、環境・公衆衛生・倫理への配慮から動物性食品の消費削減を推進するうえで、ますます重要な手段となりつつある。本研究では、ベルギーの国民人口を反映したサンプルを対象として、2019年(1001人)と2020年(1000人)の2回にわたって横断調査を実施した。
参加者は、食生活・既存のプラントベース代替肉に対する態度・培養肉に対する態度に関して、オンラインで回答した。その結果、ベルギーの消費者のうち、プラントベース代替肉が自分のニーズを満たしていると答えた人の割合は、2019年の44%から2020年には51%へと有意に増加した。また、畜産に関する問題や、特に環境に関する問題への関心も大幅に増加していることがわかった。培養肉に対する態度には有意な変化はなく、2019年と2020年のいずれにおいても、消費者の39.3%が培養肉を購入すると回答した。回帰分析では、プラントベース代替食品は女性やベジタリアンの人々の間で関心が高く、培養肉は男性においてより関心が高いことが明らかになった。
全体として、既存の代替肉に満足せず、培養肉も購入したくないという消費者はわずか11.2%であった。回答者の43.2%は、プラントベース代替肉か培養肉のどちらか一方には肯定的であったが、両方に対して肯定的というわけではなく、市場において多様な代替タンパク質が求められていることがわかった。
培養肉とプラントベース代替肉はいずれも、若い消費者や、北部で主にオランダ語を話すフランドル地方の消費者において関心が高かった。研究者や、戦略として動物性食品の需要代替を目指す人々に対して、これらの知見がもたらす意義について考察する。
Alternative proteins, evolving attitudes: Comparing consumer attitudes to plant-based and cultured meat in Belgium in two consecutive years