論文概要
目的: プラントベースの食生活を選ぶ動機や、栄養に関するリテラシーが食事の質にどのように影響しているか、これまであまり研究されてこなかった。本研究では、ヴィーガン・ベジタリアン・セミベジタリアンにおける食事の質、食事パターンを選択した動機、栄養に関するリテラシーを評価し、その食事の質を予測する要因について検証した。
デザイン: 横断研究において食生活に関連する動機と栄養リテラシーに関するオンライン調査を実施し、参加者に回答を求めた。食事摂取量は食事歴質問票 III で評価し、食事の質は健康食指数 Healthy Eating Index -2015 を用いて算出した。食事の質・栄養リテラシー・食生活に関する動機について、一元配置共分散分析を用いて3つの食事グループ間で比較した。階層的回帰分析を用いて食事の質を有意に予測できる要因を特定した。
設定: オンライン調査、ソーシャルメディア(Facebook/Instagram)の有料広告を用いて参加者を募集した。
参加者: ヴィーガン117名(52-5%)、ベジタリアン51名(22-9%)、セミベジタリアン55名(24-6%)。
結果: ヴィーガンの健康食指数スコア (80.8 (SD 6.5), P < 0.001) は、ベジタリアン(75.1 (SD 9.1))、セミベジタリアン(76.8 (SD 7.5))に比べて高かった。栄養リテラシーは、ほとんどの参加者(74%)において高かった。栄養リテラシーに関するスコアの総計ではグループ間に差は見られなかったが、菜食に限って栄養リテラシーを比べると、ヴィーガンはベジタリアンおよびセミベジタリアンよりも高かった(P < 0.001)。
環境への配慮、健康、(外観・匂い・食感・味など)食事の感覚的な魅力は、すべての参加者にとって非常に重要であった。食事パターンを選択する動機は、食事の質のスコアにおける分散の12.8% を占めていた。健康のためという動機、自然な内容だからという動機が強い場合には健康食指数のスコアは高く、正の相関があったが、体重をコントロールするためという動機が強い場合には健康食指数のスコアは低くなり、負の相関があった(すべてP < 0.05)。
結論: 食事の質および栄養リテラシーは、プラントベースの食事パターンをとる人々において高い。こうした人々に対しては外的な要因よりは内発的な動機に重点をおいて呼びかけることが重要であり、健康的な食生活の遵守をさらに促すことができる可能性がある。
Sapna Peruvemba, John Gieng, Susan Chen, Giselle Adriana Pereira Pignotti
2024/06/03
Diet quality, diet motives and nutrition literacy of vegans, vegetarians and semi-vegetarians