論文概要
新型コロナウイルスのパンデミックは、世界経済をリセットすると同時に、地球環境を立て直し、気候温暖化を1.5℃以下に抑える好機をもたらした。先進諸国においては、これを機に赤肉の削減目標を約束し、プラントベースの食事パターンに移行するべきである。
プラントベースの食事への移行によって、食に関連する土地利用を76%、温室効果ガス排出を49%、富栄養化を49%、グリーンウォーターとブルーウォーター* の利用をそれぞれ21%と14%削減できる可能性がある。
前向きコホート調査や対照試験から得られた多くの研究データからは、肥満や慢性疾患を予防するためにプラントベース食の実践が支持されている。食生活において果物・野菜・豆類・全粒穀物・ナッツ類・魚・不飽和植物油を多く摂り、動物性食品・精製穀物・糖質を控えることは、全死亡リスクの低下と結びついている。
プラントベース食に対する大きな障壁となっているのは、肉への選好・健康に関する懸念・利便性・価格であるが、これらの障壁を克服し、健康的で持続可能なプラントベース食を推進するためには、戦略的視点に立った政策行動が求められている。
* グリーンウォーターは降雨や降雪がしみ込んで土壌や植物に蓄えられる水、ブルーウォーターは地表を流れて河川水になる水や土に浸透して地下水になる水
Joshua Gibbs, Francesco P. Cappuccio
2022/04/13
Plant-Based Dietary Patterns for Human and Planetary Health
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