論文概要
動物性タンパク質から代替タンパク質源への移行において、消費者からの抵抗は重大な障害となる。これには染みついた肉食の習慣を変えようとしない消費者と、こうした反応を予想して政策立案やマーケティング、実務に関わる担当者が行動をためらうという二重のメカニズムが関与している。
抵抗の概念は複雑であり、研究分野によって捉え方も異なっている。本研究では、人工知能によるアプローチを援用した広範なシステマティックレビューを行って3,387件の研究論文を評価し、この中から51件の重要な研究を抽出した。
その結果、消費者による抵抗に関しては十分な研究が行われていないことが明らかになった。プラントベースの食事に対する抵抗は、実践するうえでの困難が関連しているのに対し、肉の消費を減らすことに対する抵抗は、道徳的・社会的な側面により強く結びついている。こうした抵抗は、肉を愛好し食べることが強い習慣となっていて、改めることへの意欲に乏しい人々に多く見られる。
ポジティブな見方をすれば、抵抗は肉食に関して消費者が抱いている懸念を反映しているのであり、時間の経過とともに減少する傾向にある。こうした抵抗はまた、過大に評価されており、特定の消費者グループに限られたものである。
消費者からの抵抗を解決することは極めて重要であり、動物性タンパク質への依存を減らし、より持続可能で健康的な食品供給への移行を促進することができる。
M.C. Onwezen, G. Nassar, J.A. Bouma
2024/12/20
Change Meat Resistance: Systematic Literature Review on Consumer Resistance to the Alternative Protein Transition