論文概要
背景: 現在のドイツの公衆衛生において栄養摂取のあり方は重要な役割を担っている。社会人口学的条件によって栄養の摂取状況が異なることは広く研究されてきたが、ドイツに関する最近のデータは未だ限られている。
方法: 18~75歳のドイツ語圏成人を代表するサンプルを対象として、オンラインのコンピュータ支援ウェブ調査形式による横断調査を2022年に実施した。本調査では、個人の食習慣・栄養摂取についての考え方・食品を選択する動機・食生活の変化を受け入れる意思について取り上げた。データ分析には記述統計と推測統計を用い、CHAID決定木分析およびノンパラメトリック手法による帰納的統計を取り入れた。
結果: 参加者4,065名のうち、62.3%は健康を考えた栄養摂取が重要と考えており、特に女性や教育水準の高い人、26歳未満または70歳以上の人では栄養摂取のあり方が重視されていた。CHAID 分析では、健康的な栄養摂取を重視する態度と最も強く関連する要因は教育水準であり、次いで性別、所得であることがわかった。健康に配慮した栄養実践に肯定的な参加者では、「健康関連の生活の質 HRQoL」のスコアが高く(EQ-Index = 0.862)、中立または否定的な態度をとる参加者(EQ-Index = 0.835)を上回っていた。
参加者のうち 10.5% は肉を食べないと回答し、28.6% はフレキシタリアン、54.1% は雑食であると自己申告した。食の嗜好には性差があり、プラントベースの食事は女性においてより支持されていた。食習慣を選んだ理由を参加者に尋ねると、食品の選択に影響する主な要因として挙げられたのは味の好みであった(77.2%)。主にオーガニック食品を購入する、あるいはオーガニック食品のみを購入していたのは、参加者の約18%であった。興味深い結果として、参加者の1/3 は、医師や科学者から勧められた場合、よりプラントベースの食生活を取り入れる意向を示していた。
結論: 代表サンプルを対象としたオンライン調査から、栄養摂取と社会人口的要因との間に有意な関連があることが明らかになった。これらの相互作用は複雑であるが、この点を理解することによって、国の公衆衛生における栄養戦略として健康的な食事パターンを促すことができると思われる。
Etienne Hanslian, Julia Katharina Schiele, Michael Jeitler, Andreas Michalsen, Manfred Wischnewsky, Maximilian Andreas Storz, Benno Brinkhaus, Miriam Ortiz, Mike R Sigl, Rasmus Hoffmann, Judith Lehmann, Daniela A Koppold, Christian S Keßler
2025/01/03
Attitudes toward healthy nutrition in Germany - results from an online-representative cross-sectional survey