論文概要
課税は、持続可能な行動変容を促進するうえで効率的な手段であることは知られているが、あまり支持されない傾向にある。持続可能性を目的とした課税は、税金としては特殊なものであるため、これまであまり調査されておらず、消費者側の先入観も乏しいかも知れない。本研究では、さまざまな持続可能性課税の選択肢に対する消費者の選好を検証するため、スイスの参加者481人(女性51%)を対象にオンライン調査を実施した。
参加者は6種類の食品(生鮮または加工された野菜・乳製品・肉類)を提示され、それぞれの製品に対する課税の目的について4つのオプションから選択した。野菜に関する選択肢は、 A. 植物を守るための農薬などによるリスクの低減、B. 地元農家への支援、C. 環境の持続可能性への支援、D. 持続可能性のためのプロジェクト全般、の4種類であった。動物性食品については、選択肢 Aをアニマルウェルフェアの向上とし、他の選択肢は同様であった。
持続可能性の全般(D)を選択した参加者数を生鮮品と加工品で比較した場合、野菜・肉・乳製品のいずれについても、加工品の方が生鮮品よりも多かった。さらに、動物性食品については、参加者の大多数がアニマルウェルフェアを向上させる課税を選好することがわかった。野菜については、参加者は農薬などによるリスクを低減し、地元農家を支援するための課税を選んだ。持続可能性についての課税の趣旨が明確に説明されていない場合、それは環境の持続可能性と理解される傾向があることがわかった。
多項ロジスティック回帰分析では、地元農家を支援するための課税を選択するうえでは、農家に対するイメージが重要な予測因子であることがわかった。結論として、持続可能な行動変容を促すためには、動物性食品はアニマルウェルフェアを保証し、透明性をもって情報提供する必要がある。同様に、一般消費者が農家に対して抱くイメージを向上させ、農家と消費者の交流を促進することは、地元農家に対する社会的支援を構築し、持続可能な製品の購入を推進するうえで有益である。
Ammann, Gabriele Mack, Nadja El Benni, Rita Saleh
2024/11/26
Consumers would rather buy a product with a levy for enhancing animal welfare than for environmental sustainability