プラントベース食に関する意識と行動 コロナ感染症に関連付けたメッセージ・フレーミングの有効性

人々をプラントベースの食生活に移行させることは、環境問題や公衆衛生における目標達成に不可欠である。コロナ感染症(COVID-19)による危機は重大なものであるため、ニュース記事やさまざまな組織による声明ではこれを引用して…

動物愛護と動物虐待のアピールによって食習慣を変える可能性を探る

現代の西洋社会では、消費者は食肉の元になる動物から切り離されていることが多く、これは動物に対する共感を妨げると同時に、嫌悪感や罪悪感を軽減させることで食肉の消費を促進している。逆に、動物の保護を唱える人々は、食肉の元にな…

ミート・シェイミングが肉を食べる人の感情と行動変容の意思に与える効果

肉を食べることによる悪影響は、環境、アニマルウェルフェア、そして人間の健康にまで及ぶ可能性がある。しかし、消費者は肉の消費量を減らすことに消極的であることが多く、情報発信による啓発キャンペーンによる効果はほとんど見られな…

ステータスの高い動物と低い動物の間の道徳的分断 人間至上主義の役割

動物に対する人間の優越性を強く信じている人々は、一般に動物に対する道徳的関心が低い傾向にある。しかし、さまざまに異なる種類の動物に関して人々がどう考えるかは、社会における動物の役割にも左右される。例えば、コンパニオンアニ…

スイスの乳製品消費者は、アニマルウェルフェア・温室効果ガス削減・他の持続可能性の向上のどれを優先させるか

アニマルウェルフェアは、持続可能な食糧システムに関する議論において最前線にある課題である。しかし、アニマルウェルフェアを改善することによって生産コストが上昇することも多い。本研究では、スイスの消費者を対象として、バターや…

バーチャル・スーパーマーケットでアニマルウェルフェア商品の購入を促す

アニマルウェルフェアへの関心はドイツの消費者の間で高まっているが、アニマルウェルフェアの高い基準に従って生産された商品が必ずしも常に購入されているわけではない。本研究では、3Dオンライン・バーチャル・スーパーマーケットに…

動物の視覚化は肉の選択に影響するか 模擬ビュッフェにおける実験研究

肉を多量に摂取することは健康や環境に対して望ましくない影響を与えている。さまざまな研究から、(肉製品の横に動物の写真を置くなど)動物の姿を視覚化すると認知的不協和が誘発され、肉を食べる意欲が低下することが示されている。し…

食習慣がプラントベース代替食品の購入に及ぼす影響

食肉の摂取量が減少している一方で、プラントベース食品の消費は増加していることから、食生活において消費者はプラントベース代替食品の購入を志向していると考えられる。こうした知見に加えて本研究では、プラントベース代替食品に関す…

動物や人工的存在の視点へと見方を拡張する

どのような視点に立つか、見方を変えることは、異なるグループ間の関係に良い影響をもたらすことがある。視点を変えることによるこのような効果が人間以外のグループ、特に動物や人工知性体にも広く一般化するかどうかはこれまで検討され…

水産養殖のアニマルウェルフェアにおけるリスク細分化

水産養殖はかつてない成長を遂げつつあり、食料安全保障の確保に関する議論もこれを後押ししている。しかし、水産養殖を一枚岩のものとして捉えると、そこには極めて多様な生物種が含まれているのを見落とすことになる。本稿では水生生物…

アニマルライツをときほぐす―なぜ廃絶主義は福祉主義へと収斂するのか、それが動物倫理にもたらす意味とは
[要約]  ほとんどの人は動物の苦しみを減らそうとする法律を支持する。しかし動物虐待防止法(animal cruelty statutes)やその他の種類の動物福祉法はいわゆる廃絶論者に攻撃されてきた。アニマルライツの廃…
フレキシタリアン・ベジタリアン・ヴィーガンの長距離市民ランナーにおける食習慣とレース当日の食事戦略

今日、多くの市民ランナーが雑食からベジタリアン・ヴィーガンへと食生活を変えているが、その理由となっているのは、パフォーマンスの向上・アニマルウェルフェア・健康の増進・環境問題・男性不妊などである。また、フレキシタリアンの…

3R 原則による代替 - 動物実験の新たなパラダイム

規制科学研究は時代とともに変革を遂げてきた。今日、(医薬品などに関する)規制当局による安全性試験は、動物を用いた毒性試験から動物を使わない試験へと移行しており、このような動きは国際的な3R 原則(代替法の利用 repla…

医薬品などの製品登録における新たな評価手法(NAMs)の利用 ブラジルにおける規制の現状

「新たな評価手法 New Approach Methodologies (NAMs)」 は、動物を用いることなく化学物質の危険性・安全性に関する情報を提供する方法であり、従来の動物モデルから得られるものと同等、あるいはそ…

3R センターの創設によってアイルランド生物医学研究を変革する必要性

動物実験に関する3R の原則*1 は、発表以来、生物医学研究や(医薬品等に関する)規制科学研究をより倫理的かつ人道的なものとするための礎となってきた。3R の原則は、EU 指令 63/2010/EUに盛り込まれており、欧…

医学研究の革新が人間と動物にもたらすベネフィット

動物を研究に使うことに対して社会的・政治的な関心は広がりつつあるが、本稿では(動物を用いない)新たな評価手法 New Approach Methodologies (NAMs) について、科学・倫理・経済の観点からその論…

どんなに小さくても、健康な実験動物はすべてリホーミングさせなければならない理由

実験動物が感覚を持つ生物種で健康状態が良好であるならば、実験が終了した後、あるいは余剰となった場合には、すべてリホーミングさせるべきであり、本稿ではこれが倫理的な責務であることについて考察する。動物倫理に関するさまざま視…

動物実験の3R 原則 スウェーデンの大学アニマルウェルフェア委員会における知識・態度と実施状況

動物実験に関する3R 原則(代替法の利用 replacement, ・数の削減 reduction・苦痛の軽減 refinement)の実施は、EU指令 2010/63において強く要請されている。アニマルウェルフェア委員…

「母豚には移動の自由がなければならない」 母豚と子豚の分娩舎システムに関する市民の意識

分娩クレートは、授乳中の母豚に使用される世界で最も一般的な分娩舎であるが、動物の移動の自由を奪う飼育システムであるため、社会からは反対されている。 本研究では、ブラジル国民を対象として、3種類の分娩舎システム(クレート・…

食肉産業におけるアニマルウェルフェア 一般市民と生産者における意識の違い

アニマルウェルフェアに対する社会的関心から、この問題に関する基準や法律が必要とされている。畜産動物のウェルフェアに対する考え方は一般市民と生産者では異なることが多いが、生産者が社会からの要請に応えられなければ、その事業は…