プラントベース食生活の動機におけるベジタリアンとヴィーガンの類似点と相違点

プラントベースの食事は、アニマルウェルフェア・環境・公衆衛生に有益であるとして、急速に広がりつつある。肉を食べる人々と比べた場合、ベジタリアンやヴィーガンのように肉を食べない人々の動機となっているのは、特にアニマルライツ…

肉を食べない人を、よく食べる人・減らしている人と比較する

気候変動や公衆衛生の問題に対処し、アニマルウェルフェアを遵守するために、食生活を転換して動物性食品を減らし、植物性食品を増やす方向へ移行することが喫緊に必要となっている。多くの消費者はこれらが重要な問題であることを認める…

政治家たちはなぜ肉の話をしないのか? 人間と動物の関係、選挙における政治心理学

政治学と心理学の文献に基づいて、本稿では動物に関する政治的関心や、動物への配慮を訴える立候補者が有権者の反発を引き起こすという問題について議論する。これを検証するため、一般的な米国市民の参加者からなる大規模サンプルを用い…

動物の苦しみに対する消費者の意識

地球と人類の健康は、欧米人が肉の消費を減らすことができるかどうかにかかっている。食肉生産は環境を悪化させ、食肉の過剰な摂取はガンや心血管疾患などとも関連しているが、消費者が食生活を変えるためは、説得力のある理由と動機が必…

畜産動物を中心とした視点から見たアニマルウェルフェア

このレビューの目的は、高い生産性を得るために畜産動物の身体に人工的に導入された解剖学的・生理学的変化など、動物の視点からはほとんど取り上げられることのない福祉の諸側面について啓発することである。このため本稿では、生産性の…

乳牛の福祉における農業システムの影響:Welfare Quality® プロトコルによる有機農場と従来型農場の比較

畜産におけるアニマルウェルフェアは消費者にとって大きな関心のある問題である。有機農場のアプローチでは、(疾病や傷害に対する)予防措置においてアニマルウェルフェアを確保することを目指しているが、有機農場と従来型の農場におけ…

動物種と利用目的によって動物に対する態度はどう変わるか、新しい尺度で検証する

世界では毎年、数えきれないほど多くの動物たちが人間に利用されており、その中には社会的な懸念を呼んでいるものも多い。動物目的調査票(Animal Purpose Questionnaire, APQ)は、動物の利用に関する…

ヴィーガニズムに対する社会的・心理的な障壁を特定し克服する

本稿では、エシカル・ヴィーガニズムへと至る道程を、行動変容ステージモデル(無関心期から関心期・準備期・実行期・維持期まで)に基づいて概念化する。それぞれのステージにおいて、ヴィーガニズムへの前進を阻む心理的障壁を探り、こ…

ヴィーガンの道徳的なステレオタイプ化:食事の動機と活動家ステータスの役割

ヴィーガンに対して人々が抱く感情には相反するものがあり、ヴィーガンの道徳的な目的やコミットメントが賞賛される一方で、傲慢にみえるヴィーガンの態度や過剰なコミットメントが軽蔑されることもある。健康やアニマルウェルフェア、持…

アニマルウェルフェアは重要だと思いますか? 価値観の刺激による認知的不協和でベジタリアンの選択を促進する

世界の食肉消費を減らすことによって、アニマルウェルフェアや環境、健康に関する諸問題を改善することができる。多くの人々はこのことを認識しているにも関わらず、肉を食べ続けている。アニマルウェルフェアも肉を食べることも、どちら…

アルゼンチン・チリ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビアの消費者における、畜産動物のアニマルウェルフェアに対する意識

畜産動物のアニマルウェルフェア(farm animal welfare, FAW)に対する消費者の態度は一面的な現象ではなく、民族性・農産物文化・倫理観、購買力・信条に関わるさまざまな考え方や社会的な側面を伴っている。そ…

非・種差別的な話し方で動物への道徳的コミットメントが伝わると、善意の人に対する軽蔑感(Do-gooder derogation)が誘発される

人間以外の動物を「何か」ではなく「誰か」と呼ぶなど、非・種差別的な言葉を使うことは、動物に道徳的な地位を認める簡単な方法である。しかし、このような言い方がどう受け止められるのか、また、これがこうした善意に対する軽蔑感とど…

牛乳瓶からアニマルウェルフェアの未来をのぞく:中国の大学生からの洞察

大学生の消費パターンは、市場の動向に大きな影響を与える力を持っている。本研究では、学生の購買の選択においてアニマルウェルフェアの重要性が高まっていることについて、乳製品を取り上げて検証する。 離散選択実験において、アニマ…

中国における畜産動物のアニマルウェルフェア研究への関心

中国で行われた畜産動物の福祉に関する研究は、中国国外ではアクセスされることは少なく、知られていない。このため、中国においては畜産動物の福祉はあまり注目されていないと推定される可能性がある。本研究では、このような見方に対し…

単なるデータじゃない―生物学的モニタリングで虐待される淡水無脊椎動物

本稿で取り上げて議論するのは、生物学的モニタリング法で淡水環境の生態学的状態を評価する際に、自由に生活する無脊椎動物を使うことの問題点である。無脊椎動物は、環境保護の手続きにおいて倫理的な配慮から除外されており、その結果…

あなたの弱点を私の強みに変える:食肉に関するカウンターメッセージは、培養肉の受容にどう影響するか?

培養肉がシンガポールで購入できるようになり、さらに多くの国々がまもなく追随すると予想される中で、培養肉の受容に関わる個別の要因や情報提供の影響について調査した研究は増えてきた。しかし、これまでの研究では、従来の食肉生産の…

肉に対する精肉店・デリカテッセン従業員の心理的適応

食肉生産の初期段階において、肉はもとの動物の姿に近い状態であるが、多くの現代社会において一般消費者はこのようなプロセスから遠ざけられている。本研究では、食肉の取り扱いを繰り返すことによる感情および心理面での影響を調べた。…

中国の大学生におけるアニマルウェルフェアの捉え方

動物に対する利害関係者の姿勢を理解することは、アニマルウェルフェアの発展と改善にとって極めて重要である。獣医学・動物学・生命科学を専攻する大学生は、将来的には重要な利害関係者として動物に関連する産業に従事する人々と関わる…

環境問題とアニマルウェルフェアの不正行為、ラディカル・イノベーションで防げるか? — マグロ培養肉の事例

環境問題における組織的な不正行為とは、組織による違法、非倫理的ないし無責任な行動を意味し、これらは資源の枯渇や生物多様性への脅威、動物たちの苦しみ、環境破壊とも結びついている。マグロのバリューチェーンのように、違法な搾取…

近すぎて食べられない? 動物との連帯、アニマルウェルフェアと抗生物質の使用

食肉の消費は、畜産動物に対する親近感をはじめ様々な要因に影響される。この研究では、動物との連帯*、畜産における動物の扱いと抗生物質の使用に対する考え方について心理尺度を測定し、豚肉の消費量との相関関係を調べた。米国の回答…