動物福祉と家禽肉の微生物学的安全性:農場でのアニマルウェルフェアの違いが屠殺場でのカンピロバクターとサルモネラの汚染に与える影響

ハイライト 概要ストレス要因や低いアニマルウェルフェアは、食用動物の病気への感受性を高め、消費者に微生物リスクをもたらす可能性があります。本研究では、Welfare Quality®プロトコルを用いて客観的に測定されたア…

屠殺前の電気スタニングが成長の遅い中国鶏種の血清コルチゾールおよび肉質パラメータに及ぼす影響

中国では、大規模な生産システムでは屠殺前のスタニング(気絶処理)が一般的に行われていますが、小規模なシステムではこの実践はあまり一般的ではない。アニマルウェルフェア(動物福祉)の概念を普及させるため、一般的な在来種の鶏を…

肉食の正当化、生産システムに対する考え方、肉を代替する意欲

肉の消費に対する両面的で相反する感情は、肉を食べる楽しみと同時に引き起こされる、動物を傷つけることへの嫌悪感から生まれる。なんらかの方略によって肉食を正当化することは、このような認知的不協和に対処する手段となる。 本研究…

オーストラリアとドイツにおける食肉行動の調査:行動のコントロールと動物への共感の役割

アニマルウェルフェアや肉食に関連する健康・環境問題への懸念にもかかわらず、肉の消費量はオーストラリアを含め、世界中で増加し続けてきた。ドイツはその例外の1つで、2021年における食肉消費量は過去30年間で最低であった。 …

持続可能性のために、ワンヘルスの視点から食生活を変える必要がある

欧米型の食生活は、環境にさまざまな影響を与え、人々の健康にリスクをもたらしている。欧州諸国は、Farm to Fork(農場から食卓まで)戦略に向けて徐々に行動を起こしており、ライフサイクルアセスメント*1(LCA)の視…

ベジタリアンになる動機 エシカルとヘルスでは心の健康に違いがある

近年ではベジタリアン食の人気が高まっていることから、ベジタリアンと心の健康の関係についての研究上の関心も急速に高まっている。しかし、これに関する先行研究の結果は一貫していないため、ベジタリアン食を実践することが心の健康と…

保守主義ではベジタリアン・ヴィーガン食は続かない

ベジタリアンやヴィーガン(菜食主義者)から肉食に戻ってしまうのは珍しくなく、菜食主義を維持することは困難であることを示唆している。しかし、いったんは肉食を避けると決めたにもかかわらず、再び動物を食べる食生活に戻ってしまう…

ベジタリアン食への動機としての健康・環境・アニマルライツ

健康、環境、アニマルライツは、西洋社会において人々がベジタリアン食を選択する主な3つの理由である。しかし、これらの動機が実証的に区別できるものなのかは明らかとはいえず、またこれら3つの動機によってどのような人々が実際に動…

魚類における嗜好・回避・動機、アニマルウェルフェアの観点からみたその重要性

これまでの研究によれば、魚類には恐怖・痛み・喜びなど、いくつかの情動を経験する神経生理学的および行動学的メカニズムが備わっていることが報告されている。このことは、当事者の主観的な感覚を根拠とするウェルフェアを考えるうえで…

ドイツにおいて食肉課税への国民の支持を決定する要因ーアニマルウェルフェアは気候変動緩和よりも強い

食肉に対する課税は、食肉生産に関連する気候への影響やアニマルウェルフェアの問題への取り組みに役立つ可能性がある。本研究では、ドイツ市民2,800人以上を対象とした国民投票を模した選択実験において、食肉への課税に対する有権…

持続可能じゃない・健康に悪い・気持ち悪いー食肉消費への反対を訴えるメッセージの効果を比較する

食肉の過剰摂取は、さまざまな環境問題に関係している。この調査では、食肉消費の抑制を促す効果が期待できる3種類のメッセージについて有効性を検証した。これらのうち2種類のメッセージは、環境問題への道徳的懸念やアニマルウェルフ…

動物たちの道徳的地位: 種差別の心理学に向けて

本稿では、哲学的概念である「種差別」―種に属するか否かによって異なる道徳的価値を付与すること―を心理学的構成概念として導入し、検討する。ネット上の一般人口集団および大学生をサンプルとして用いた5つの研究において、種差別は…

プラントベース食生活の動機におけるベジタリアンとヴィーガンの類似点と相違点

プラントベースの食事は、アニマルウェルフェア・環境・公衆衛生に有益であるとして、急速に広がりつつある。肉を食べる人々と比べた場合、ベジタリアンやヴィーガンのように肉を食べない人々の動機となっているのは、特にアニマルライツ…

肉を食べない人を、よく食べる人・減らしている人と比較する

気候変動や公衆衛生の問題に対処し、アニマルウェルフェアを遵守するために、食生活を転換して動物性食品を減らし、植物性食品を増やす方向へ移行することが喫緊に必要となっている。多くの消費者はこれらが重要な問題であることを認める…

政治家たちはなぜ肉の話をしないのか? 人間と動物の関係、選挙における政治心理学

政治学と心理学の文献に基づいて、本稿では動物に関する政治的関心や、動物への配慮を訴える立候補者が有権者の反発を引き起こすという問題について議論する。これを検証するため、一般的な米国市民の参加者からなる大規模サンプルを用い…

動物の苦しみに対する消費者の意識

地球と人類の健康は、欧米人が肉の消費を減らすことができるかどうかにかかっている。食肉生産は環境を悪化させ、食肉の過剰な摂取はガンや心血管疾患などとも関連しているが、消費者が食生活を変えるためは、説得力のある理由と動機が必…

畜産動物を中心とした視点から見たアニマルウェルフェア

このレビューの目的は、高い生産性を得るために畜産動物の身体に人工的に導入された解剖学的・生理学的変化など、動物の視点からはほとんど取り上げられることのない福祉の諸側面について啓発することである。このため本稿では、生産性の…

乳牛の福祉における農業システムの影響:Welfare Quality® プロトコルによる有機農場と従来型農場の比較

畜産におけるアニマルウェルフェアは消費者にとって大きな関心のある問題である。有機農場のアプローチでは、(疾病や傷害に対する)予防措置においてアニマルウェルフェアを確保することを目指しているが、有機農場と従来型の農場におけ…

動物種と利用目的によって動物に対する態度はどう変わるか、新しい尺度で検証する

世界では毎年、数えきれないほど多くの動物たちが人間に利用されており、その中には社会的な懸念を呼んでいるものも多い。動物目的調査票(Animal Purpose Questionnaire, APQ)は、動物の利用に関する…

ヴィーガニズムに対する社会的・心理的な障壁を特定し克服する

本稿では、エシカル・ヴィーガニズムへと至る道程を、行動変容ステージモデル(無関心期から関心期・準備期・実行期・維持期まで)に基づいて概念化する。それぞれのステージにおいて、ヴィーガニズムへの前進を阻む心理的障壁を探り、こ…