ヴィーガンの道徳的なステレオタイプ化:食事の動機と活動家ステータスの役割

ヴィーガンに対して人々が抱く感情には相反するものがあり、ヴィーガンの道徳的な目的やコミットメントが賞賛される一方で、傲慢にみえるヴィーガンの態度や過剰なコミットメントが軽蔑されることもある。健康やアニマルウェルフェア、持…

アニマルウェルフェアは重要だと思いますか? 価値観の刺激による認知的不協和でベジタリアンの選択を促進する

世界の食肉消費を減らすことによって、アニマルウェルフェアや環境、健康に関する諸問題を改善することができる。多くの人々はこのことを認識しているにも関わらず、肉を食べ続けている。アニマルウェルフェアも肉を食べることも、どちら…

アルゼンチン・チリ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビアの消費者における、畜産動物のアニマルウェルフェアに対する意識

畜産動物のアニマルウェルフェア(farm animal welfare, FAW)に対する消費者の態度は一面的な現象ではなく、民族性・農産物文化・倫理観、購買力・信条に関わるさまざまな考え方や社会的な側面を伴っている。そ…

非・種差別的な話し方で動物への道徳的コミットメントが伝わると、善意の人に対する軽蔑感(Do-gooder derogation)が誘発される

人間以外の動物を「何か」ではなく「誰か」と呼ぶなど、非・種差別的な言葉を使うことは、動物に道徳的な地位を認める簡単な方法である。しかし、このような言い方がどう受け止められるのか、また、これがこうした善意に対する軽蔑感とど…

牛乳瓶からアニマルウェルフェアの未来をのぞく:中国の大学生からの洞察

大学生の消費パターンは、市場の動向に大きな影響を与える力を持っている。本研究では、学生の購買の選択においてアニマルウェルフェアの重要性が高まっていることについて、乳製品を取り上げて検証する。 離散選択実験において、アニマ…

中国における畜産動物のアニマルウェルフェア研究への関心

中国で行われた畜産動物の福祉に関する研究は、中国国外ではアクセスされることは少なく、知られていない。このため、中国においては畜産動物の福祉はあまり注目されていないと推定される可能性がある。本研究では、このような見方に対し…

単なるデータじゃない―生物学的モニタリングで虐待される淡水無脊椎動物

本稿で取り上げて議論するのは、生物学的モニタリング法で淡水環境の生態学的状態を評価する際に、自由に生活する無脊椎動物を使うことの問題点である。無脊椎動物は、環境保護の手続きにおいて倫理的な配慮から除外されており、その結果…

あなたの弱点を私の強みに変える:食肉に関するカウンターメッセージは、培養肉の受容にどう影響するか?

培養肉がシンガポールで購入できるようになり、さらに多くの国々がまもなく追随すると予想される中で、培養肉の受容に関わる個別の要因や情報提供の影響について調査した研究は増えてきた。しかし、これまでの研究では、従来の食肉生産の…

肉に対する精肉店・デリカテッセン従業員の心理的適応

食肉生産の初期段階において、肉はもとの動物の姿に近い状態であるが、多くの現代社会において一般消費者はこのようなプロセスから遠ざけられている。本研究では、食肉の取り扱いを繰り返すことによる感情および心理面での影響を調べた。…

中国の大学生におけるアニマルウェルフェアの捉え方

動物に対する利害関係者の姿勢を理解することは、アニマルウェルフェアの発展と改善にとって極めて重要である。獣医学・動物学・生命科学を専攻する大学生は、将来的には重要な利害関係者として動物に関連する産業に従事する人々と関わる…

環境問題とアニマルウェルフェアの不正行為、ラディカル・イノベーションで防げるか? — マグロ培養肉の事例

環境問題における組織的な不正行為とは、組織による違法、非倫理的ないし無責任な行動を意味し、これらは資源の枯渇や生物多様性への脅威、動物たちの苦しみ、環境破壊とも結びついている。マグロのバリューチェーンのように、違法な搾取…

近すぎて食べられない? 動物との連帯、アニマルウェルフェアと抗生物質の使用

食肉の消費は、畜産動物に対する親近感をはじめ様々な要因に影響される。この研究では、動物との連帯*、畜産における動物の扱いと抗生物質の使用に対する考え方について心理尺度を測定し、豚肉の消費量との相関関係を調べた。米国の回答…

肉が及ぼすアニマルウェルフェア・環境・健康への影響 — 日々のリマインダーは食肉消費を変えるか

食肉消費は様々な悪影響をもたらすため、個人の食肉摂取量を減らす方法を見出すことは喫緊の課題である。本研究では、食肉によアニマルウェルフェア、環境や健康への悪影響について、携帯電話のテキストメッセージで毎日注意を促した場合…

欧州5カ国における乳牛のアニマルウェルフェアを比較する

乳牛の福祉を確保するために特別に設定された欧州連合(EU)共通の法律は、子牛に関するものだけである。そのため、EU諸国において乳牛の福祉を担保する方法はさまざまに異なる。数カ国では乳牛福祉に法的要件が定められているが、業…

アニマルウェルフェアを向上させるための人工知能技術の進歩:現在の応用と研究の進展

様々な分野における人工知能(AI)の導入は大きな進歩をもたらした。動物に関わる産業も例外ではない。この総説では、アニマルウェルフェアの向上におけるAI技術の利点と限界、将来の展望を調査することを目的としている。 最初に、…

ヨーロッパ9カ国の消費者における卵製品の品質・持続可能性に対する認識

目的: 卵の購入に際して、ヨーロッパ9カ国の市民が、食品としての卵の品質・製品としての持続可能性(アニマルウェルフェア・原産国・生産方法)をどのように認識しているかについて情報を提供する。 デザイン/方法論/アプローチ:…

米国消費者においてプラントベース代替ミルクへの支払意欲を決定する主要因

牛乳は米国の食品小売業における重要な乳製品である。気候に配慮した消費、アニマルウェルフェア、食の安全への懸念などに対応したライフスタイルの変化により、プラントベースの代替ミルクの人気が高まっている。本研究は、このプラント…

動物虐待への「コメント」:オーストラリアの動物法執行に関するソーシャルメディア言説の内容分析

オーストラリアでは、アニマルウェルフェアに関する法整備は「社会の期待」に影響されている。動物愛護法に関する一般に入手可能な情報源は主にメディア記事であることを考えると、オンライン上で議論される情報が世論に影響を与え、結果…

商業グレイハウンド・レースに対するニュージーランド社会の認識

ニュージーランドには、大型犬のイングリッシュ・グレイハウンドを競争させる商業ドッグレースがあり、10年以上前からアニマルウェルフェアへの取り組みに関して精査を受けてきた。2021年、グレイハウンド・レース業界は、データの…

肉のパラドックスから脱出する:食肉にまつわる両面感情に、道徳と嫌悪はどう影響するか

食肉生産とその消費は、動物と環境、人間の健康に悪影響を及ぼしている。それにもかかわらず、多くの人は肉を好んで食べる。このいわゆる食肉のパラドックスに気が付くと、人々は嫌悪感を伴った認知的な葛藤を経験する。もしこの葛藤を完…