ミートフリーの選択肢を増やした場合に食品選択に起こる変化:2つのフィールド実験とオンライン無作為化試験

背景: カロリー密度の低い食品を手軽に入手できるようにすることは、より健康的な食品の購入を促すうえで有望な介入方法である。しかし、より持続可能性の高い食品の購入を推進するために、肉を使わない(ミートフリー)食事を購入しや…

ヴィーガンの道徳的なステレオタイプ化:食事の動機と活動家ステータスの役割

ヴィーガンに対して人々が抱く感情には相反するものがあり、ヴィーガンの道徳的な目的やコミットメントが賞賛される一方で、傲慢にみえるヴィーガンの態度や過剰なコミットメントが軽蔑されることもある。健康やアニマルウェルフェア、持…

幸福感が高いほど受け入れやすい:培養肉を選ぶ理由に関する調査

食肉の過剰摂取が有害な温室効果ガスの排出につながることは明白である。このような気候変動への影響に対処するために現実的な方法の一つとして、培養肉のように、より持続可能性の高い食生活の選択へと人々の理解を促すことがある。しか…

培養肉に対する受容態度、その動機としての社会的イメージ:シンガポールと米国における文化間比較調査

本研究には3つの目的がある。その第1は、培養肉に対する消費者の受け入れ方について、米国とシンガポールで比較することである。第2には、米国とシンガポールで培養肉に対する受け入れ方が異なることを説明するために食行動の動機を調…

理由は2つあるほうが良い? 培養肉に対する消費者の受容に、「ナチュラルで倫理的」のアピールはどう影響するか

培養肉(クリーンミート)は、従来の食肉に代替する食品として大きな可能性を秘めており、食肉産業に起因する持続可能性の問題を緩和するためにも期待されている。しかし、食肉生産におけるこの革新的な方法には不自然さや嫌悪感があると…

ベジタリアン・ヴィーガン食に対する明示的および暗黙的な感情、マインドフルネスの役割

目的: 本研究の主な目的は、ベジタリアン食に対する明示的および暗黙的な感情とマインドフルネス*の役割を調査することである。自己調整による持続可能な行動変容に関する段階モデルに基づいて、得られた結果と目標意図との関連を検討…

菜食主義と性格の関係

ベジタリアンとヴィーガン(菜食主義 veg*nism)の割合が世界中で上昇する中で、ベジタリアン・ヴィーガンと雑食の人々との間にある心理学的特徴の違いを探る研究が増えつつある。しかし、菜食主義が「ビッグファイブ*」にある…

オンラインプログラムによる自己管理で食肉消費を削減する

目的: 健康と環境の持続可能性の目標を達成するために、肉の摂取量を減らすことが推奨されている。本研究の目的は、オンラインの自己管理によって食肉の消費量を減らす介入プログラムの有効性を検証することである。 方法: 肉を食べ…

アニマルウェルフェアは重要だと思いますか? 価値観の刺激による認知的不協和でベジタリアンの選択を促進する

世界の食肉消費を減らすことによって、アニマルウェルフェアや環境、健康に関する諸問題を改善することができる。多くの人々はこのことを認識しているにも関わらず、肉を食べ続けている。アニマルウェルフェアも肉を食べることも、どちら…

ベルギー消費者における代替タンパク質に対する態度の進化

従来の食肉に代わる食品の選択肢は、環境・公衆衛生・倫理への配慮から動物性食品の消費削減を推進するうえで、ますます重要な手段となりつつある。本研究では、ベルギーの国民人口を反映したサンプルを対象として、2019年(1001…

動物性タンパク質を減らし植物性タンパク質を増やす―外食の場における戦略の有効性

背景: 健康で持続可能な食生活への移行のため、動物性タンパク質の割合を植物性タンパク質に置き換えていくには、社会全体を対象とした効果的な戦略が必要である。外食サービス業界は様々な戦略を利用し、食品のサプライ・チェーン全体…

肉とプラントベース代替肉について、フィンランドのミレニアル世代における消費と態度

ミレニアル世代*1は、フレキシタリアンの食生活によるプラントベース代替肉の消費に関して、カギとなる重要な世代と考えられている。本研究の目標は、肉と代替肉の消費、それらに対する態度によって、ミレニアル世代における消費者セグ…

外食において持続可能なベジタリアン食品の選択を促進するメニューデザイン

畜産が環境に与える大きな影響や、世界的な温室効果ガス排出削減の必要性が差し迫る中で、ベジタリアン食への食生活の転換は喫緊の課題である。これまでの研究によれば、低コストでスケーラブルなメニューデザインを介入手段として使うこ…

アルゼンチン・チリ・コロンビア・エクアドル・ペルー・ボリビアの消費者における、畜産動物のアニマルウェルフェアに対する意識

畜産動物のアニマルウェルフェア(farm animal welfare, FAW)に対する消費者の態度は一面的な現象ではなく、民族性・農産物文化・倫理観、購買力・信条に関わるさまざまな考え方や社会的な側面を伴っている。そ…

新しい微細藻類ベースの食品: シンガポール消費者の受容に影響する要因は何か?

微細藻類を食事に取り入れることで、栄養と持続可能性の両面でメリットが得られる可能性がある。本研究ではシンガポールの成人578人を対象として、微細藻類ベースの食品に対する受容性について調査した。「微細藻類ベースの食品」から…

非・種差別的な話し方で動物への道徳的コミットメントが伝わると、善意の人に対する軽蔑感(Do-gooder derogation)が誘発される

人間以外の動物を「何か」ではなく「誰か」と呼ぶなど、非・種差別的な言葉を使うことは、動物に道徳的な地位を認める簡単な方法である。しかし、このような言い方がどう受け止められるのか、また、これがこうした善意に対する軽蔑感とど…

中国農業の構造改革で、食事消費による炭素排出を削減する

気候変動の緩和に貢献することを目指して、中国は2030年までに炭素のピークを達成し、2060年までにカーボンニュートラル*1を達成することを公約した。しかし、この目標を達成するには、炭素排出量を大幅に削減する必要がある。…

スイスにおけるプラントベース代替乳製品の消費者について理解する

現代の食生活は動物性食品の割合が高く、有害な温室効果ガスの排出、さらには気候変動にも大きく寄与している。植物性材料をより多く使った食生活であれば、これを緩和することが可能である。このため、牛乳や乳製品に代わるプラントベー…

牛乳瓶からアニマルウェルフェアの未来をのぞく:中国の大学生からの洞察

大学生の消費パターンは、市場の動向に大きな影響を与える力を持っている。本研究では、学生の購買の選択においてアニマルウェルフェアの重要性が高まっていることについて、乳製品を取り上げて検証する。 離散選択実験において、アニマ…

持続可能な食品生産と消費のビッグビジネス:代替タンパク質への転換について探求する

近年、食料システムの持続不可能性に関する認識が広まり、根本的な変革を求める声が高まっている。畜産業の役割は、こうした議論の多くで中心的な位置を占めており、動物由来の食品の生産と消費を植物由来の代替品や「代替タンパク質」に…