豚肉消費者における動物倫理への志向 デンマーク・ドイツ・スウェーデンにおける比較研究

西ヨーロッパでは、1980年代からアニマルウェルフェアに関する各国の法制に加え、欧州連合による法制が組み合わされ、畜産動物の福祉について最低限の要件が保証されてきた。しかし、これらの要件は多くの消費者にとって十分なものと…

ベジタリアン食・フレキシタリアン食を処方すれば、肉の摂取量は持続的に減少する

肉を食べるのを控えることがアニマルウェルフェア・環境・人間の健康などの面から望ましいことは、多くの人が認めている。しかし、食肉消費の削減を普及させるための戦略としてどのような形で促すのが最も効果的なのかについては、未だよ…

消費者にとって最も重要な代替肉の属性はなにか? 

環境や健康、食の安全についての懸念が高まるなかで、代替肉の利点が注目されつつある。計画的行動理論の拡張モデルに従えば、代替肉を購入する消費者の意思には、消費者個人の態度・主観的規範・行動の統制感が関係しているが、本研究で…

パンデミック時代におけるベジタリアニズム デジタルメディアで検証する COVID-19のもとでの食肉忌避のカルチャーポリティックス

歴史的にベジタリアニズムが支持される理由には5つのカテゴリーがあり、個人の健康、動物に対する共感、食を介したアイデンティティおよび集団への帰属感、畜産が環境に及ぼす長期的な影響に対する懸念、食肉に要する費用についての経済…

減らすか、やめるか? 肉の消費を抑制するための動的規範メッセージングの有効性

近年では、消費者に肉の消費を減らすよう促す方法についての研究が始まっている。しかし、有効性を計測できるメッセージング手法について検証した研究は乏しく、またそうした方法には長期的な効果があるのかどうか、最も効果のあるアピー…

動物に配慮した飼育方法で生産された豚肉により高い価格を支払う意思: 消費者意識に関する調査

イタリアでは豚肉の消費量が増加しているが、その一方で、消費者はアニマルウェルフェアと食品の安全との関連性に関してより敏感になっている。アニマルウェルフェアの基準が比較的高くなり、畜産動物のウェルフェアや倫理面の問題に対す…

肉の消費を減らしプラントベース代替肉を選ぶ行動変化におけるソーシャルメディアの役割

食肉の生産・消費には環境に対する大きな負荷を伴うことから、新しいプラントベース代替肉の重要性は高まっている。しかし、ヨーロッパにおいてプラントベース代替肉の消費量はいまだ低くとどまっている。プラントベース食品の消費への障…

ブラジルのフレキシタリアン 誰で、何を食べ、なぜなのか?

本研究はブラジルのフレキシタリアンについて初めての科学的調査で、その社会経済的・人口統計学的プロファイル、フレキシタリアニズムを選んだ動機、動物由来の肉を食べる頻度、肉の代わりに摂取している主な代替食品について調べた。こ…

食用動物に抗生物質を使うことに対する消費者の態度

薬剤耐性菌の存在は社会が直面する大きな課題のひとつであり、多くの医療行為を妨げる現実的な脅威となっている。抗生物質は畜産においても使用されているが、そのことが薬剤耐性菌を増加させる潜在的な経路となっている。ここで最も重要…

オーストラリア人男女における自己評価ジェンダーと食肉消費・菜食主義の関係を検証する

これまでの研究では、男性が女性よりも肉を多く食べることが示されている。本研究では、食肉消費の意図や行動に関して、人々が考える自分自身の男らしさ・女らしさからどの程度までその違いを説明できるかを探る。 オーストラリア人の男…

学校でプラントベース食品を増やす政策に対する保護者と教員の態度

地球環境と公衆衛生における諸課題には現在の食料システムが関係しており、特に肉食が中心となっている西洋社会でプラントベースの食生活への大規模な転換が必要とされている。学校給食システムは広く普及し、多方面に影響を与えることが…

培養食品がもたらす便益に対する消費者の反応

培養食品には食品産業を大きく変える可能性があるが、これまでの研究の大半は培養肉に焦点を当てており、他の培養食品に関してはあまり考慮されていない。またこのため、販売を促進するうえでは、培養食品の種類によっては他とは異なるア…

格差社会における食の持続可能性 ブラジルにおける食肉消費の変化(2008~2017年)

地球環境に関する諸課題への責任と、それに対する脆弱性は、各国において一様な形で存在するわけではない。ブラジルでは食肉は文化的に重要な価値を担っており、このことは、たとえ食肉の生産が環境面で負の影響を与えているとしても変わ…

目標フレーミング理論と持続可能な食の選択: 道徳的目標を達成するための波及効果の活用

ミールキット宅配の市場は拡大しつつあり、ここで提供される料理がプラントベースへ移行すれば、この産業部門からの温室効果ガス排出量を大幅に削減できる可能性がある。しかし、オンラインで料理を注文する際に、多くの消費者は肉ベース…

環境にやさしい食品選択のためのフード・アイデンティティによるフレーミング

食品とアイデンティティの関係は、これまでの環境研究ではあまり検証されてこなかった。人々が食品に価値を見出すのは、物質的・具体的な便益のためだけではなく、それが自分自身やコミュニティの他のメンバーにとって象徴的なものである…

持続可能なタンパク質技術への人々の支持を予測する「自然さ」

動物由来の食品に対する需要が拡大することにより、温室効果ガス排出は大幅に増加し、気候変動に対応するうえで課題となっている。この点では培養肉をはじめとする代替タンパク質は、温室効果ガス排出量の少ないタンパク質源として期待さ…

赤肉消費と気候変動の政治

赤肉の生産は二酸化炭素排出の主要な原因のひとつであり、肉の生産と消費を減らすことは極めて重要である。アメリカの成人456名をサンプルとして、右派の社会政治的イデオロギーと赤肉の消費との関連について、(i)赤肉に対する態度…

フード・ピラミッドに関連した健康プロンプトで食肉消費の削減を促す

西洋社会における肉の大量消費は、気候変動・環境破壊・健康コストの大きな原因となっている。肉の消費を減らす方法の一つとして、職員食堂におけるナッジ*1を用いることが考えられる。これまでの研究で、ナッジが消費者の選択に影響を…

プラントベースの食事パターンが健康にもたらす利益と医療・臨床における実践

アメリカ・ライフスタイル医学会 American College of Lifestyle Medicine では、加工度の低い野菜・果物・全粒穀物・豆類・ナッツ類・種子類など、プラントベース食品を中心とした食生活を推奨…

フランスの成人における動物性・植物性食品の消費量 食肉の削減に向けた動機と縦断的食事データの関連

背景: より健康的で持続可能な食生活のために、肉の消費を減らすことが提唱されている。しかし、そのような食生活の変化の根底にあるメカニズムを理解するためには、行動学的な検証が必要である。 目的: 本研究では行動変容に関する…