持続可能な食事パターンへの移行 フランス語圏カナダ人における食事パターンからの知見

背景: 多くの食事ガイドラインは、動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換えることを推進しており、そこでは健康上の利点だけでなく、より持続可能な食事パターンへの移行を支援することが目的となっている。本研究ではフランス系…

健康と持続可能性の向上 赤身肉・加工肉の消費パターンにおける世代間変化

イタリアでは数十年にわたって西洋型文化が広範に普及し、食品生産・消費のグローバル化が進んできたが、本研究ではこのことが複数世代にわたって赤身肉や加工肉の消費に影響を及ぼしているかどうかを探る。 年次家計調査「日常生活の側…

食肉消費のピークは近づいているのか? 35カ国における2000年から2019年までの食肉消費量と国内総生産の関係

世界の食肉消費は、繁栄の拡大とともに変わりつつあるが、それだけではなく、疾病のアウトブレイク、自然災害、消費者の嗜好といった要因によっても変化している。我々は、国連食糧農業機関と経済協力開発機構(OECD)でモニターされ…

スイスにおける食肉削減政策の受容

本研究の目的は、スイスにおける食肉消費に影響を与えるさまざまな政策手段に対する受容度を分析することである。主要な利害関係者を対象とした質的インタビュー調査を実施し、食肉消費を削減するための政策手段37件を作成した。標準化…

肉の消費を減らすのが不満なのは誰か? メディアによるフレーミングの分析

目的: 赤身肉や加工肉を多く含む食生活は、環境の悪化や温室効果ガス排出、慢性疾患による世界的な負担増に大きく関わっている。これまでに発表された主要な調査報告では、赤身肉・加工肉の消費を世界全体で大幅に削減することが求めら…

ネガティビティ・バイアスを利用した擬人化で牛肉の消費を減らす

本研究は、食肉消費の削減に関する研究に新たな知見を提供する。(人間以外の存在の)擬人化には対象を人間化するという内在的な性質があるが、これをネガティビティ・バイアス* と組み合わせて利用することで、肉を食べる意思を低下さ…

食用動物の擬人化 肉を食べる意思に与える影響

他者に人間的な性質があることが認識されると(人間化)、その他者に対する扱いは一般に好意的なものになる。最近の研究では、動物や地球など、人間以外の存在もまた人間的な性質を持つとみなされると(擬人化)、恩恵を受けることがわか…

肉は健康に良く、環境に優しく、社会経済の持続可能性に欠かせない ― 北欧栄養勧告の策定における食肉産業のフレーミング

食料システムによる環境負荷を削減するためには、需要側における変化、特に消費量の多い集団において動物性食品の消費を削減することが必要となる。食事パターンを変えることは難しいため、赤身肉の削減を促進する政策が必要となるが、そ…

種差別主義の発達 動物に関する道徳観の年齢差

人間は、一部の動物(犬など)の幸せのために心を砕く一方で、豚などの他の動物への虐待は黙認している。ある動物に対してどのような扱いが道徳的に妥当とされるかは、その動物が 「食物 」であるかどうかによって決まる。このように動…

持続可能なプラントベース食に関するオーストラリアのニュースメディアの描写を探る

背景: より持続可能な食糧システムを実現するためには、プラントベース食品の摂取を増やし、赤身肉や高度加工食品の消費を減らすなど、食生活の変革が不可欠である。食行動に関する世論に対してメディア報道が及ぼす影響は大きい。そこ…

ベジタリアンと非ベジタリアンの学校給食に対する子どもたちの好感度

欧米諸国がよりプラントベースの食生活へと転換することは、人々と地球の健康を守るために有効である。こうした転換を達成するうえで、学校給食は公共政策における重要なターゲットとなる。学校給食でベジタリアン食を提供する頻度を増や…

持続可能性への配慮は、米国における食肉消費に影響を与えていない

動物性食品の消費、なかでも(牛・羊・ヤギなど)反芻動物の赤肉を食べることは、温室効果ガスの排出・淡水の利用・生物多様性の喪失の主な原因となっている。赤肉の消費削減は、気候変動を緩和するために極めて重要な戦略であることがわ…

高所得国において個人が牛肉の消費を制限するべき道徳的理由

本稿の論点は、牛肉の生産・消費がもたらす悪影響を考慮すると、多くの高所得の国々では、個人のレベルで全般的に牛肉消費を制限し、代わりに植物性タンパク質を摂取する道徳的な理由があるということである。牛肉の生産は、農業による温…

食肉消費、健康と環境

世界における1人当たりの食肉の平均消費量、および世界全体の食肉の総消費量は、個人の平均所得の増加と人口の増加により、いずれも上昇しつつある。さまざまな種類の肉や肉製品を消費することは人々の健康に大きな影響を及ぼしており、…

食肉と健康の結びつきは、英国のニュースメディアでどう表現されているか

公共の場で食事と栄養の問題が話し合われる際に、主要メディアはその議論形成の進め方において中心的な役割を果たしているが、そこで食肉と健康の結びつきがどのように描かれているかについてはほとんど調べられていない。本研究のために…

代替タンパク質への移行に対する消費者の抵抗 システマティックレビュー

動物性タンパク質から代替タンパク質源への移行において、消費者からの抵抗は重大な障害となる。これには染みついた肉食の習慣を変えようとしない消費者と、こうした反応を予想して政策立案やマーケティング、実務に関わる担当者が行動を…

低炭素の食生活は、地球環境と健康にかかるコストを削減できる

動物に由来する食品の消費を削減することで、関連する外部費用*1(コスト)を削減できる可能性がある。しかし、その削減の効果はいまだ十分に解明されていない。ここでは、ライフサイクル・アセスメント*2 の原理とマネタイゼーショ…

サステナビリティ科学におけるコミュニケーション ドイツにおける「真のコスト・キャンペーン」に関する事例研究

人新世*1 においては人為による気候変動が顕著であり、気候変動目標に取り組み、地球環境の限界*2を守るための行動が緊急に必要とされている。サステナビリティ(持続可能性)に関する研究はこの問題に関する知見を提供しているが、…

食品の「真の価格*」に向けて アグリフードシステムを変革する手段としての付加価値税

気候危機、COVID-19のパンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻とこれに起因するエネルギーと食糧の不足など、現在のさまざまな危機を通じて明らかになったのは、地域の食糧生産と農地を活用した、強固で持続可能なサプライチェ…

肉の消費を削減するための政策 英国における受容可能性についてのサーベイ実験

食肉消費量を削減する政策は、気候変動目標を達成するために必要であるとともに、国民の健康状態も改善できる可能性がある。こうした政策を実現するうえでは、社会がそれを受容できるかどうかが重要となる。本研究では、赤肉と加工肉の消…