格差社会における食の持続可能性 ブラジルにおける食肉消費の変化(2008~2017年)

地球環境に関する諸課題への責任と、それに対する脆弱性は、各国において一様な形で存在するわけではない。ブラジルでは食肉は文化的に重要な価値を担っており、このことは、たとえ食肉の生産が環境面で負の影響を与えているとしても変わ…

目標フレーミング理論と持続可能な食の選択: 道徳的目標を達成するための波及効果の活用

ミールキット宅配の市場は拡大しつつあり、ここで提供される料理がプラントベースへ移行すれば、この産業部門からの温室効果ガス排出量を大幅に削減できる可能性がある。しかし、オンラインで料理を注文する際に、多くの消費者は肉ベース…

環境にやさしい食品選択のためのフード・アイデンティティによるフレーミング

食品とアイデンティティの関係は、これまでの環境研究ではあまり検証されてこなかった。人々が食品に価値を見出すのは、物質的・具体的な便益のためだけではなく、それが自分自身やコミュニティの他のメンバーにとって象徴的なものである…

持続可能なタンパク質技術への人々の支持を予測する「自然さ」

動物由来の食品に対する需要が拡大することにより、温室効果ガス排出は大幅に増加し、気候変動に対応するうえで課題となっている。この点では培養肉をはじめとする代替タンパク質は、温室効果ガス排出量の少ないタンパク質源として期待さ…

赤肉消費と気候変動の政治

赤肉の生産は二酸化炭素排出の主要な原因のひとつであり、肉の生産と消費を減らすことは極めて重要である。アメリカの成人456名をサンプルとして、右派の社会政治的イデオロギーと赤肉の消費との関連について、(i)赤肉に対する態度…

フード・ピラミッドに関連した健康プロンプトで食肉消費の削減を促す

西洋社会における肉の大量消費は、気候変動・環境破壊・健康コストの大きな原因となっている。肉の消費を減らす方法の一つとして、職員食堂におけるナッジ*1を用いることが考えられる。これまでの研究で、ナッジが消費者の選択に影響を…

プラントベースの食事パターンが健康にもたらす利益と医療・臨床における実践

アメリカ・ライフスタイル医学会 American College of Lifestyle Medicine では、加工度の低い野菜・果物・全粒穀物・豆類・ナッツ類・種子類など、プラントベース食品を中心とした食生活を推奨…

フランスの成人における動物性・植物性食品の消費量 食肉の削減に向けた動機と縦断的食事データの関連

背景: より健康的で持続可能な食生活のために、肉の消費を減らすことが提唱されている。しかし、そのような食生活の変化の根底にあるメカニズムを理解するためには、行動学的な検証が必要である。 目的: 本研究では行動変容に関する…

持続可能な食事パターンへの移行 フランス語圏カナダ人における食事パターンからの知見

背景: 多くの食事ガイドラインは、動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換えることを推進しており、そこでは健康上の利点だけでなく、より持続可能な食事パターンへの移行を支援することが目的となっている。本研究ではフランス系…

健康と持続可能性の向上 赤身肉・加工肉の消費パターンにおける世代間変化

イタリアでは数十年にわたって西洋型文化が広範に普及し、食品生産・消費のグローバル化が進んできたが、本研究ではこのことが複数世代にわたって赤身肉や加工肉の消費に影響を及ぼしているかどうかを探る。 年次家計調査「日常生活の側…

食肉消費のピークは近づいているのか? 35カ国における2000年から2019年までの食肉消費量と国内総生産の関係

世界の食肉消費は、繁栄の拡大とともに変わりつつあるが、それだけではなく、疾病のアウトブレイク、自然災害、消費者の嗜好といった要因によっても変化している。我々は、国連食糧農業機関と経済協力開発機構(OECD)でモニターされ…

スイスにおける食肉削減政策の受容

本研究の目的は、スイスにおける食肉消費に影響を与えるさまざまな政策手段に対する受容度を分析することである。主要な利害関係者を対象とした質的インタビュー調査を実施し、食肉消費を削減するための政策手段37件を作成した。標準化…

肉の消費を減らすのが不満なのは誰か? メディアによるフレーミングの分析

目的: 赤身肉や加工肉を多く含む食生活は、環境の悪化や温室効果ガス排出、慢性疾患による世界的な負担増に大きく関わっている。これまでに発表された主要な調査報告では、赤身肉・加工肉の消費を世界全体で大幅に削減することが求めら…

ネガティビティ・バイアスを利用した擬人化で牛肉の消費を減らす

本研究は、食肉消費の削減に関する研究に新たな知見を提供する。(人間以外の存在の)擬人化には対象を人間化するという内在的な性質があるが、これをネガティビティ・バイアス* と組み合わせて利用することで、肉を食べる意思を低下さ…

食用動物の擬人化 肉を食べる意思に与える影響

他者に人間的な性質があることが認識されると(人間化)、その他者に対する扱いは一般に好意的なものになる。最近の研究では、動物や地球など、人間以外の存在もまた人間的な性質を持つとみなされると(擬人化)、恩恵を受けることがわか…

肉は健康に良く、環境に優しく、社会経済の持続可能性に欠かせない ― 北欧栄養勧告の策定における食肉産業のフレーミング

食料システムによる環境負荷を削減するためには、需要側における変化、特に消費量の多い集団において動物性食品の消費を削減することが必要となる。食事パターンを変えることは難しいため、赤身肉の削減を促進する政策が必要となるが、そ…

種差別主義の発達 動物に関する道徳観の年齢差

人間は、一部の動物(犬など)の幸せのために心を砕く一方で、豚などの他の動物への虐待は黙認している。ある動物に対してどのような扱いが道徳的に妥当とされるかは、その動物が 「食物 」であるかどうかによって決まる。このように動…

持続可能なプラントベース食に関するオーストラリアのニュースメディアの描写を探る

背景: より持続可能な食糧システムを実現するためには、プラントベース食品の摂取を増やし、赤身肉や高度加工食品の消費を減らすなど、食生活の変革が不可欠である。食行動に関する世論に対してメディア報道が及ぼす影響は大きい。そこ…

ベジタリアンと非ベジタリアンの学校給食に対する子どもたちの好感度

欧米諸国がよりプラントベースの食生活へと転換することは、人々と地球の健康を守るために有効である。こうした転換を達成するうえで、学校給食は公共政策における重要なターゲットとなる。学校給食でベジタリアン食を提供する頻度を増や…

持続可能性への配慮は、米国における食肉消費に影響を与えていない

動物性食品の消費、なかでも(牛・羊・ヤギなど)反芻動物の赤肉を食べることは、温室効果ガスの排出・淡水の利用・生物多様性の喪失の主な原因となっている。赤肉の消費削減は、気候変動を緩和するために極めて重要な戦略であることがわ…