肉食の葛藤-アンビバレンスを動機として肉の消費を減らす

好きで肉を食べているにも関わらず、肉を食べることに不安を抱く人は増えている。本研究では、肉食に関するこの両面感情(アンビバレンス)を解消したいという欲求が、肉食を減らすことにつながるかどうかを調べた。 ここで提示する概念…

ベジタリアンになる動機 エシカルとヘルスでは心の健康に違いがある

近年ではベジタリアン食の人気が高まっていることから、ベジタリアンと心の健康の関係についての研究上の関心も急速に高まっている。しかし、これに関する先行研究の結果は一貫していないため、ベジタリアン食を実践することが心の健康と…

ベジタリアン食への動機としての健康・環境・アニマルライツ

健康、環境、アニマルライツは、西洋社会において人々がベジタリアン食を選択する主な3つの理由である。しかし、これらの動機が実証的に区別できるものなのかは明らかとはいえず、またこれら3つの動機によってどのような人々が実際に動…

畜産によって淡水のプラネタリー・バウンダリーを超えた地域はどこなのか

畜産は環境に大きな影響を与えており、これには水の利用に対する影響も含まれる。本研究では、飼料作物のための水使用量と畜産動物の飲料に使用される水量を分析することで、畜産による淡水使用量に関して空間的に明示した推定結果を提供…

健康・気候・経済からみた農業補助金改革への選択肢

農業に対する補助金は食料生産に影響を与える重要な要因であり、この意味では食料システムの一部となっているが、その食料システム自体は健康や持続可能性のために望ましいものとはいえない。ここでは、農業への補助金を改革するための選…

健康的で持続可能な食事法を推進して、世界の早期死亡を減少させる

プラネタリー・ヘルス・ダイエット* (PHD)は、EAT-Lancet基準食としても知られ、世界の食事の質を最適化することを目的として開発された食事法であり、これによって同時に食料生産による影響を地球環境で持続可能な限界…

EAT-Lancet ダイエットと糖尿病の関連:システマティックレビュー

糖尿病とEAT-Lancetダイエット*との関連については、これまでにいくつかの研究で調査されてきた。そこで本研究では、糖尿病とEAT-Lancetダイエットとの関連を扱った全ての臨床研究の分析・総括を目的としたシステマ…

EAT-Lancet ヘルスダイエットとうつ病・不安症にかかるリスク

質の高い食生活は、精神疾患の患者数が増加傾向にある中で、有効な対策の1つとして可能性が期待されている。本研究では、EAT-Lancetダイエット*1 を遵守した場合のうつ病・不安症に罹るリスク、および両者を併発するリスク…

肉ベースではなく、プラントベースを選べば本当に違うのか? 食事レシピが環境に与える影響の比較

世界の温室効果ガス排出量の3分の1以上は、食料システムに起因している。食料システムからの温室効果ガス排出を削減しなければ地球温暖化を1.5度または2度に抑えることは不可能である。その世界の食料生産システムを動かしているの…

ベジタリアニズム選択におけるモラル訴求の効果

モラルに訴えることで、炭素排出量の少ない食生活へと人々を動かすことは可能だろうか? 本研究では、米国の回答者1520人を対象として強制選択を用いたコンジョイント・サーベイ実験を実施し、2種類のメニューを6つの次元(カーボ…

環境に優しい食習慣は、欧州におけるジェンダー平等と持続可能性の相互強化を反映する

本稿では、環境に配慮した食習慣がEUの女性・男性の間でどのように実践されているかを明らかにするため、ジェンダーの平等と環境の持続可能性の相互関係を検討する。シュワルツの価値理論によればジェンダー平等は社会環境における知的…

菜食を支持する社会的アイデンティティの形成:ヴィーガン料理ワークショップが子供に与える影響

プラントベースの食生活を選択することは、気候変動を緩和するうえで有益であるが、ほとんどの人は肉を食べ続けている。社会的アイデンティティは食事の選択に影響を与える。この研究では、子ども向けのヴィーガン料理ワークショップを通…

気候変動に対する食肉・酪農産業の責任

気候変動に対する責任が人間活動にあるという考え方は、特に化石燃料の生産をはじめとする企業活動にまで広く及んでいる。畜産に起因する温室効果ガス排出は、人為による温室効果ガス全体の排出量のうちの14.5%と推定されているにも…

オンライン・フードデリバリーで持続可能な選択を促進する選択アーキテクチャ

食料システムからの温室効果ガス排出は世界全体の約3分の1を占めるため、人類の活動の中でもこの領域において緩和を進めることは研究と政策にとって極めて重要な目標である。本研究では4,008人の参加者を対象として誘因両立性の制…

オンラインショッピングにおける行動介入でプラントベースの食品選択を動機づける

食生活の選択は気候変動に影響を及ぼしているが、プラントベース食品の消費推進はこれを緩和するのに役立つ。これまでの研究によれば、人々が購入を決める環境を適切に整えることで、持続可能な消費に向けた行動変容を達成できる可能性が…

食生活の変化による健康と気候変動のコベネフィット*

私たちが口にする食べ物は、私たち自身の健康と、私たちが皆で共有している環境に大きな影響を及ぼしている。最近の研究では、食事に占める動物性食品の割合を減らすことができれば、健康と環境の両面において有益であることが強調されて…

食品は健康と環境にさまざまな影響を及ぼす

食の選択は、人類の健康と環境の双方に悪影響を及ぼす形で世界的に変化しつつある。ここでは、15種類の食品について、それぞれを1日に1食多く摂取することが健康と環境へどのように影響しているか、成人の健康に関するアウトカム5項…

栄養・健康・環境・コストの多基準分析から見た代替肉・代替乳製品のメリット

肉や乳製品の摂取量を減らすことは、食糧システムが環境に及ぼしている大きな影響―気候変動、土地利用の変化に伴う生物多様性の損失、淡水の利用など―を緩和するために必要な戦略であると認識されている。肉や牛乳を代替する製品を消費…

動物性食品による世界の温室効果ガス排出量は、植物性食品の2倍に相当する

農業と土地利用は、温室効果ガスの主要な排出源であるが、これまでに行われてきたガス排出量についての推計は、農業に関わる全体を広く集計したものか、あるいは関連する様々なサブセクター(農地・牧草地、畜産、製品の輸送・加工、肥料…

プラントベース食と高齢者における心血管疾患:統合的文献レビュー

心血管疾患は世界全体での死亡原因の第1位であり、とりわけ高齢者の健康には大きな影響を及ぼしている。プラントベース食は、心血管疾患のリスクを軽減するための食事戦略として注目されており、植物由来の食品を摂取し、動物由来の食品…