ヴィーガン食の実践における内省 チリ・サンティアゴにおける質的研究

プラントベースの食生活とヴィーガニズムは、地球温暖化と二酸化炭素排出を削減する必要性から、学術領域や社会で広く議論されるようになった。これまでの研究では、こうしたライフスタイルを送るための中心的なものとしてヴィーガンの食…

世界の海洋漁業における労働対価の減少

世界の食糧生産において人間の労働力が占める割合は、過去100年にわたる技術の進歩によって大幅に減少した。陸上における生産高は、こうした進歩によって増加し続けているため、農業従事者が減少しているにも関わらず、増え続ける人口…

エシカル・ヴィーガニズムとフリー・ライディング

畜産業は動物に膨大な痛みと苦しみを与えている。エシカル・ヴィーガンの多くは、こうした苦しみを減らすため、我々には動物性食品を控える義務があると主張する。 しかし、この主張には課題がある — すなわち、畜産業の規模や構造が…

動物を食べるのを減らす リデューセタリアニズムの擁護

工場畜産によって生産された動物性食品の消費に反対する従来の道徳的主張は、無条件の定言的なものであり、そこで結論として求められているのは、あらゆる動物性食品を食事から排除すること(ヴィーガニズム)、あらゆる動物の肉を排除す…

菌類によるレザー様素材のバイオファブリケーション

菌類に由来する代替レザーは、倫理と環境に配慮した衣料品生地として新たに生まれつつあり、美的・機能的な点で消費者からの期待に応え、牛革や合成皮革の代替品として支持されつつある。 従来のレザーやその代替製品は、動物や合成ポリ…

食肉削減のメッセンジャーとしてのフレキシタリアン

食肉消費が気候変動に及ぼす影響については、気候科学者の間でコンセンサスが得られているが、広く一般の人々の食習慣や行動に大きな影響を与えるまでには至っていない。この問題に対する最近の取り組みでは、肉の消費をやめることではな…

食卓の肉が減る 2016-2022年のドイツ社会経済パネルの調査結果

ドイツ社会経済パネル調査 Socio-Economic Panel (SOEP) のデータを用いて、ドイツにおける食肉消費の最近の動向、および肉に関する食習慣に強く影響する社会人口統計学的要因を抽出した。SOEP の調査…

持続可能性の目標を世界で達成するために不可欠となる海藻養殖

海藻養殖は世界全体の養殖生産の51.3%を占め、2000年から2018年にかけては年率6.2%の割合で増加している。海藻養殖は、生態系の幅広い領域で利用することができ、さまざまな産業分野において食料と天然産物の供給源とな…

魚粉を滞留メタン由来のタンパク質に置き換える

アメリカ全土の産業資源から排出され焼却されるメタンは、地球規模の気候変動の主な原因となっている。メタンをエネルギー源とする細菌 (メタン資化性菌 methanotrophic bacteria)は、こうしたメタンを、タン…

持続可能でノーキルの方法によるウニ養殖

ウニの養殖は、ブルーエコノミーの原則を推進する有望な手段であり、低い栄養段階*の生物から高い市場価値と栄養価を持続的に生産することができる。しかし、ウニ養殖は数十年にわたり行われてきたものの、中国を除いては持続可能な生産…

世界の土地利用変化を海藻養殖で軽減する

農業を拡大して食料や資材に対する需要の増大を満たすことは、土地利用の変化を引き起こす重大な要因であり、気候変動と生物多様性の喪失を加速させている。海洋で養殖される海藻バイオマスは、食料や飼料、バイオ燃料を代替・補完するこ…

農業によらない食料生産

食料システムをより持続可能なものにするための取り組みでは、農業が環境に与える悪影響を軽減することに重点が置かれてきた。これとは対照的に、農業に頼ることなく食料を生産できる化学的・生物学的プロセスは、これまでにあまり注目さ…

歳入リサイクルで炭素価格への国民の支持を高める

炭素価格(カーボンプライシング)*1 は、気候変動に取り組むうえで強力な手段となるが、政治的には議論の分かれる問題である。しかし、炭素価格から得られた歳入の使途を政府が適切に調整すれば、炭素価格に対する国民の支持を集めら…

美食の卓越性と倫理的責任のバランス ガストロノミーにおけるアニマルウェルフェアに関する科学的視点

料理業界は美食の卓越性を追求するだけでなく、アニマルウェルフェアへの社会的関心の高まりにも対応しなければならない。この総説では、現代の食料システムの中でアニマルウェルフェアに関連する科学技術の進歩(培養肉やプラントベース…

EAT-Lancet健康食の目標は、土地資源・水資源を保護しつつ達成できる

健康的な食生活にはコベネフィットがあることが知られており、環境への影響を軽減し、同じ農業資源でより多くの人口を養うことができる。EAT-Lancet 健康基準食*を採用した場合、人間の健康と生態系に複合的な利益があるが、…

高齢者の体組成・筋力・身体機能に対する植物性タンパク質の効果 無作為化対照試験に関するシステマティックレビューとメタアナリシス

筋肉量、筋力と身体機能の維持は高齢者にとって極めて重要である。運動に加えて食事からのタンパク質摂取が推奨されているが、最も研究されているのは動物性タンパク質である。植物性タンパク質源は消化率が低く、アミノ酸プロファイルも…

カナダの食生活で動物性タンパク質の一部を植物性タンパク質に置き換える 栄養・健康・気候に関する相乗効果とトレードオフ

多くの食事ガイドラインでは植物性タンパク質食品の摂取が強く推奨されているが、動物性タンパク質を植物性タンパク質に置き換えた場合に、食生活と関係する持続可能性の諸側面にどのような影響があるかは不明である。 本研究では、カナ…

動物性食品は社会と気候に大きなコストをもたらす

畜産による温室効果ガス排出は気候変動の大きな要因であるにもかかわらず、畜産が気候に及ぼすコストは統合的な方法によって定量化されていない。マクロ経済と気候を結びつける手法を用いて、世界の農業経済と産業経済を連結し、これらの…

世界の畜産サプライチェーンにおける窒素排出

世界の畜産サプライチェーンは、過去数年にわたって窒素の流れを大きく変化させ、環境と人間の健康を脅かしている。ここでは、畜産部門が世界の窒素フローと排出に及ぼす影響について、国際貿易による影響を含めて詳細に検証した。 その…

大学カフェテリアのベジタリアン料理は、カウンターに並ぶ順番と他の料理との距離によって売り上げが変わる

カフェテリアのカウンターで料理を並べる順番を変えることは、肉の消費量を減らす方法のひとつとして提案されてきたが、その効果についてはほとんど検証されていない。この問題について、英国の大学カフェテリアにおいて2つの実験研究を…