米国のベジタリアンの食事と消費行動:国民健康栄養調査(NHANES)データレポート

健康に良い効果があることを期待して、プラントベースの食生活を選ぶ人々が増えている。菜食主義を支持するメッセージを発信し、プラントベース食品の消費に関する一般の人々の考え方に影響を与えるためには、ベジタリアンの食行動を社会…

肉のパラドックスから脱出する:食肉にまつわる両面感情に、道徳と嫌悪はどう影響するか

食肉生産とその消費は、動物と環境、人間の健康に悪影響を及ぼしている。それにもかかわらず、多くの人は肉を好んで食べる。このいわゆる食肉のパラドックスに気が付くと、人々は嫌悪感を伴った認知的な葛藤を経験する。もしこの葛藤を完…

肉食の動機を測定する調査票の開発と検証

肉を食べる動機には、「自然だから natural」「普通だから normal」「必要だから necessary」「美味しいから nice」という4つの主要な動機(4N)があるとされている。これらの動機はしかし、いまだ実証…

肉のジェンダーギャップ:赤身肉の消費を減らす意思の男女差を理解する

これまでの研究によれば、食肉消費の削減を目的とした政策では、特定の人口集団を標的とする方法が有効である。性別は食事パターンを予測するための強い要因と思われるが、食肉消費を減らす意図を支えている先行要因について、その男女差…

学校給食でベジタリアン食を増やしてほしい―フランス地域社会における家族の特徴、食事を選択する保護者の動機

学校給食システムは、プラントベースの食事を推進することによって、より持続可能な食糧システムへの移行に貢献できる。保護者が子供のためにベジタリアン給食を増やすことを望んでいるかどうかを知ることは、実施を成功させるための必要…

肉やプラントベース食がおいしいかどうかは政治的な立場に関係している

味覚は、プラントベース食品の普及を阻む障壁としてよく挙げられる。プラントベース食品の受容はまた、環境への懸念や肉の文化的価値をはじめとする多くの個人関連要因によって抑えられるが、これらの要因は政治的イデオロギーとも関連が…

米国の成人におけるミートレスマンデーのメッセージ効果

赤身肉の消費が健康と環境に及ぼす負の影響を考えれば、米国における赤身肉の摂取を減らすことは、人類と地球の双方の幸福にとって重要である。ミートレスマンデー・キャンペーンで用いられた、健康に関するメッセージと環境に関するメッ…

ベジタリアンの青少年が抱く食事についての考え方、信念と幸福感

菜食主義は、平等や動物・環境の保護をはじめとした健康や倫理、環境に関する価値観を満たすことができる。その一方で菜食主義は、自己決定の義務感に対する思春期の反応を表現していることもある。また、菜食主義者では抑うつのリスクが…

利己主義、動物に対する共感、肉削減の3つの動機(動物・健康・環境)、性別、肉消費量の関連について

本研究では、食肉消費のレベルが、利己主義と動物に対する共感という2つの心理的要因や、関連する3つの動機(動物・健康・環境問題)とどのように関連しているかを調べた。18歳から80歳のオーストラリア人成人(497名)を対象に…

菜食主義がもたらす利点と菜食主義の実践への障壁、肉食が環境に与える影響をどう考えるか

本研究では、事前に登録されたオーストラリアのソーシャルメディアのユーザー740名を対象として、気候変動に関する信念、食肉消費が環境に与える影響、食肉摂取を減らす意欲について調査した。また、菜食主義の利点と障壁についてのオ…

代替肉に対する若年消費者の認識と選好:日本と中国における実証研究

はじめに 代替肉には、持続可能な食料システムを形成できる可能性がある。本研究では、プラントベース肉や培養肉に対する若い消費者の認識と嗜好を調査した。アジアの主要市場における代替肉に対する消費者の嗜好に関する比較研究はまだ…

現実の家庭での食事状況におけるプラントベース肉の満足感

プラントベース肉は、動物由来の肉に代わって、より持続可能な食生活への移行を支えられる可能性がある。このような移行を実現するには、消費者がプラントベース肉を受け入れることが不可欠であり、そのためには食後に満足感を得ることが…

プラントベース・ハンバーガーを選んで感じるのは「誇り」と「クール」: 植物性代替肉から想起する感情についてのオンライン調査

食品を市場で成功させるためには、ポジティブな感情に結びつくことが重要となる。しかし、プラントベースの代替肉に対する情動反応についてはほとんど知られていない。本研究では、プラントベースのハンバーガーと肉ベースのハンバーガー…

培養肉のリスクとベネフィット:シンガポールの一般市民と専門家における認識の比較

シンガポールでは最近、培養肉製品が認可されたにもかかわらず、この新しい食品技術に対する一般市民の認識についての理解はいまだ限られている。本研究では、態度形成理論とメンタルモデル*の枠組みを用いて、培養肉のリスクとベネフィ…

培養シーフードを食べてみたい?日本の消費者意識の検証

伝統的な方法による水産物の生産は、水圏生態系の不安定化、人体への健康リスク、年間で数兆に及ぶ水生動物の福祉に対する深刻な懸念など、現在私たちが直面している最も憂慮すべき地球規模の問題の一因となっている。シーフードに対する…

ヴィーガニュアリー Veganuary、職場のカフェテリアでの食事選択における効果

肉ベースの食品生産は、環境と健康に有害な影響をもたらす。これに対し、国際的な非営利団体であるヴィーガニュアリーVeganuaryは、毎年1月にヴィーガンのライフスタイルに挑戦することを人々に奨励している。プラントベース食…

トルコの大学生におけるエコ不安症、持続可能な食事と消費行動:EAT-Lancetダイエット・スコアとの関連性

環境にとって良い行動、持続可能で健康的な食行動や食事パターンが、エコ不安症にどのように影響しているのか(あるいはその逆についも)あまり研究されていない。本研究の目的は、大学生におけるエコ不安症や持続可能で健康的な食行動を…

ナッジ後の誓いは、プラントベース食の消費を増やす:ドイツの大学カフェテリアにおけるフィールド実験

肉ベースの食事は大量の炭素を排出するため(炭素集約的)、パリ協定の気候目標とは相容れない。気候変動を緩和するためには、肉の消費を減らすことが不可欠である。行動のナッジ*は、人々に組織化・構造化された選択肢を提示する手法で…

肉の消費削減のための広告:肯定的および否定的なフレーミングによる注目度への影響

目的 消費の抑制を呼びかける広告におけるメッセージ・フレーミング*1の戦略と注目度について検証した研究は乏しい。本研究では、肯定的なフレーム*2による広告と否定的なフレームによる広告ではその注目度に違いがあるかどうかを明…

消費者の肉へのこだわりと農業政策の目標としてのアニマルウェルフェアの重要性

アニマルウェルフェアは農業政策における主要な目標のひとつであり、消費者の側からも極めて重要だと考えられている。持続可能で健康的な食生活への転換が急務となるなかで、アニマルウェルフェアは行動変容を促すための重要な動機付けの…