羊毛を取りはじめてから屠殺するまで…ミュールシング (英語 mulesing)ミュールシング (英語 mulesing)とは、羊の臀部・陰部への蛆虫(ウジ虫)(クロバエ科のヒツジキンバエなどの幼虫)の寄生を防ぐため、子羊の臀部(陰部と表現されることもある)の皮膚と肉を切り取ること。名前は考案者のジョン・ミュールズ (John W. H. Mules) にちなむ。Wikipediaよりミュールシングは主にオーストラリアで行われていて、ニュージーランドなどではすでに廃止となっている。 羊毛用に改良されたメリノ種はより多くの羊毛を採るために皮膚表面が広くシワが深いため、臀部・陰部のシワに糞尿がたまりやすく、そこに毛が生えているとウジ虫が繁殖しやすい。羊はウジ虫に皮膚や肉を食い破られ、死亡する場合もあり、そのために臀部・陰部の皮膚・肉を大きく切り取り、毛が生えないつるっとした皮膚の状態にする。 ミュールシングという作業が無麻酔で行われ、その後、治療等は一切行われない。 抵抗するため仰向けに四肢を完全に拘束しお尻を突き出させた状態で行う。 その他の問題点ミュールシング以外では、化学物質を使う方法などがあるが薬に耐性ができてしまうと使えなくなるので、やはりミュールシングは行われている。また、生後数週間後に無麻酔による断尾、去勢も行われる。 生産できなくなった羊は、肉やムートンや革のために殺されるか、中東に輸出される。この生きたまま中東に送られる羊達はよりいっそう悲惨な運命をたどる。 「死の船」と呼ばれる船に何百万頭もの羊を乗せ3~6週間ほどの間、南半球から北半球への気温差やサイクロンなどの過酷な気象条件や座ることもできない過密さの中で水もなく、糞尿にまみれて輸送される。 さらに、過密で不衛生な環境は怪我をしたり病気が蔓延し、羊たちに多大なストレスを与え健康状態を保っていない。到着するまでの間に18%の羊が死亡し、そのほとんどが餓死による死亡である。なんとか生きて港にたどり着いたとしても到着後すぐに、身体をひきずる羊を屠殺場に追い立て、宗教儀式の理由により意識のある状態で喉を切り殺される。もしくは、別の屠殺場までさらにトラックで搬送されたり、手足を縛った状態で車のトランクや屋根に縛り付け自宅まで運び屠殺する。中東の真夏には50度くらい気温が上り、衰弱しきっている羊は立つことすらできない。 ウールなどの羊製品を購入する行為は、この市の船も支援することにつながっている。◆ 航海中に病気やケガをした羊はミンチにし鮫に投げ与えられることもある。 ◆ 輸出前の羊の死亡率:40%の子羊が生後8週間以内に寒さや飢えなどで死亡。年間、800万頭の成羊が、病気や施設不足、管理怠惰などのために死亡。また、雑な毛刈りにより毛刈りご後の30日以内に100万頭が死亡と異常に高い。 ◆オーストラリアから輸出される羊は年間4億頭にもなる。(2010年調べ) ◆オーストラリアは2010年までにミュールシングを段階的に終了させると発表しているが、その後の経過報告はまだでていない。羊の毛は、人間の髪と同じように自身の体を守るためにあるもので、それを無理やり奪われた羊は当然、病気にかかったり寒さのために死んでしまうこともある。あなたにできること環境や肌にやさしいコットンやアクリルなど代用繊維はたくさんあり、またウールそのものにアレルギーがなくとも、ウールにつく虫やフンなどにアレルギーを起こす場合がある。 アクリルなどはウールに比べ非常に軽量であり、さらに最近ではリサイクル繊維や高機能素材もあり、ウールを選ばないことは環境のためにもよいと言えるだろう。ウール製品を買わないアパレルメーカーやお店に、アクリルやコットンで温かい商品を作ってもらえるように要望するクリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article鶏のバタリーケージをなくそう Next Article水族館のイルカの展示に反対します 2014/06/18