粘着シートタイプのネズミ捕りは、捕らえられた動物を長時間にわたり苦しめじわじわと殺す残酷な駆除方法のため、諸外国では禁止している国や企業もあります。使いやすい、処理が楽という人の都合だけを考え、動物へのないもの、それがこの粘着シートタイプのねずみ捕りです。粘着シートの問題の詳細についてはコチラをご覧ください。自治体が粘着シートタイプねずみ捕りを無料配布東京都渋谷区2015年6月 東京都渋谷区で、年間53万円の税金を使い、この粘着シートタイプのねずみ捕りを無料配布していることが分かりました。渋谷区のあるマンションでは、受付入り口に粘着シートねずみ捕りを積み上げて「ご自由にお取りください」という紙が貼りつけられていました。 渋谷区保険絵生活衛生課に確認したところこの粘着シートねずみ捕りは年間6,570袋、渋谷区内の町会に配布されているということでした。 2015年7月1日 粘着シートタイプねずみ捕りの残酷性、代替法、諸外国の規制を記載し、このシートの無料配布廃止を渋谷区へ求めたところ、7月16日に回答がありました。 内容は、区としても侵入防止が一番大事だと認識しており区民にも第一にそのことを説明していることが述べられており、その上でネズミによるダニや糞による衛生被害、齧ることによるガス漏れの危険があることから早急な駆除が必要だとして、区民が使いやすく危険性の少ない粘着シートをやむを得ず使っている、だがより良い方法を検討していきたい。というものでした。東京都小金井市同市も粘着シートタイプのねずみ捕りを配布していたため、2015年8月5日、渋谷区と同様の要望をしたところ、8月18日に回答がありました。内容は渋谷区とほぼ同じもので、「現時点では市民の皆様にとって取り扱いが比較的安全かつ容易であることなどの観点から判断すると、粘着シートタイプの駆除道具の配布は止むを得ないと考えております。ただし、今後も市としてよりよい防除方法を研究し、より適切な方法があれば、市民の皆様にそれを周知していくことは考えてまいりたいと思います」とのことでした。新宿区殺鼠剤、粘着シートのサンプルの無料配布が行われていたため、これらの配布廃止を求めて2020年3月17日に要望書を出した(殺鼠剤も粘着シート同様残酷です。詳細はコチラをご覧ください)ところ、3月24日に回答をいただきました。ネズミが病気を媒介すること、人の食物や電化製品に被害を及ぼすことから区民から多くの相談をきていることが記載されており、侵入防止を区民へアドバイスしたうえで次の手段として、区民が使いやすいと考えられる粘着シートの配布や殺鼠剤の配布を行っているということでした。「今後も、ネズミの被害から区民の生活や財産を守るため、常によりよい対策、より適切な方法を模索し、取り入れ、区民へ周知徹底を図っていきたいと思います。」とのことで殺鼠剤、粘着シートの使用を中止するかどうかについての明確な回答がなく、今後も配布が継続されるものと考えられます。自治体は、粘着シートが使いやすく安全性の高いものと考えているようですが、アメリカ疾病予防管理センターは粘着シートの使用をすすめていません*。粘着シートで生きたまま捕獲されたネズミは恐怖で放尿し、尿には細菌が含まれている可能性があるため、病気にかかるリスクがあるとしています(同センターは箱ワナなどの生きたままで捕らえるワナも推奨していません)。また、どのような理由も動物を拷問して殺していい理由にはなりません。自治体は動物を拷問する手段を市民に普及させるべきではありません。*Trap Up! Trap rodents around the home to help reduce the rodent populationパンフレットやWebサイトで粘着シートの使用を提示している自治体世田谷区パンフレットに「粘着シートをネズミの通り道に仕掛けるのが一般的です。 」と記載しその使用方法が写真付きで掲載されていたので、2020年3月18日にこれらの使用の提示を止めてほしいと要望しました。翌日電話をいただき話をしたところ「区民からネズミ対策の相談があった時、粘着シートありきで指導しているのではなく、まず侵入口をふさぐなど根本的なところをお願いしている。ふさいでも家の中に残ってしまったネズミには粘着シートを使う。また相談があって区民の家に行った時も同じように指導し、区民から要望があれば粘着シートをわたしている」とのことでした。パンフレットへの掲載は区民から使い方について明示してほしいと要望がありそうしているとのことで変更は難しいとのこと。粘着シートの代わりに箱ワナを提案し、市街地で外に逃がすのが難しいなら箱ワナで捕らえた後で安楽殺するという方法も検討してほしいとお願いしましたが「財源が無い」とのこと。ただどんな殺し方でも構わないと思っているわけではなく、人道的な方法へ切り替えることの重要性は理解されているようでした。ただそれには区民の同意が必要です。粘着シートを拒否するような社会形成に私たちも努力するので、区としても人道的な方法への切替を検討してほしいとお願いしました。大田区大田区では配布はされておらず、区民向けのWebサイトでも殺鼠剤や粘着シートを使わない「侵入の防止」について分かりやすく詳細に記載されていました。しかし商店街におけるネズミ対策のパンフレットに補助的手段として粘着シートや殺鼠剤が提示されていました。これについて2020年3月8日にこれらの使用の提示を止めてほしいと要望したところ3月23日に回答をいただきました。 ねずみによる被害を防ぐための基本的な対策は環境整備であるという考えを基に、区民への助言等を行っていること。トラップ、毒餌等については、積極的に推奨しているものではなく、あくまでも補助的な手段であり、公衆衛生上の見地から、やむを得ない場合に限って用いるものと考えていることが書かれていました。また「今回いただきましたご意見については真摯に受け止め、補助的な手段であっても生命の尊厳という観点からよりよい防除方法について調査・研究を行い、今後の助言に活かしてまいります。」とのことでした。情報をお寄せ下さい市民に粘着シートを配布する自治体があればアニマルライツセンター( animalrightscenter@arcj.org )まで情報をお寄せ下さい。またみなさんからも意見を届けてみてください。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article屠殺場の回答-横たわることもできない短い紐、飲水もできず夜通し繋留 Next Article現状を知ってからものの1週間でケージフリーに切り替えた旅館『旅の宿 斉川』 2020/04/01