アニマルライツセンターには地域で活動するアクショングループがあります。2023年12月3日アニマルライツセンター多摩は、かつて飼育上の問題が大きくクローズアップされた東京昭島市昭和公園の動物たちの今を視察してきました。昭島スタジアムとして地域に親しまれた野球場の裏で、かつては多くの動物たちが飼育されていることは、地元っ子のアニマルライツセンター多摩の誰ひとり知りませんでした。その不潔さや飼育の不適切さが指摘され、公園を管理する昭島市が「できるだけの改善、これ以上動物を増やさない」と明言して現在にいたります。今回アニマルライツセンター多摩の問い合わせに対し、昭島市公園管理課は「将来の閉園とまでは予定しないが、これ以上動物を繁殖しない。しかしこれ以上の改善もしない」と答えました。たしかに大量繁殖し悪臭を放っていたセキセイインコ舎は雌雄を分けて管理していましたし、ヤクシカも繁殖を防いでいるそうです。かつていたサルなどもすでに死亡しており、誰もいない空っぽの小屋が目立ちました。現在飼育しているのは、シカ、鶴、クジャク、セキセイインコのみ。いずれも動物舎も清掃はされているようです。(夕方16時に来園して確認)これ以上の改善はしない理由は「動物が高齢化しているから」というものでした。昭島市は終生飼育には責任を持つ姿勢ですが、高齢化する動物への配慮には欠けている印象です。今の動物舎は清潔に念頭を置きすぎて、何もない、動物にとって何の楽しみもない空間になっています。比較的長命の動物が残っていて、これからの余生を考えると、もう少しエンリッチメントを工夫する必要がありそうです。人間でもそうですが、高齢だからといって、何もしなくていいわけはありません。野生であれば野山を駆け巡る、草原を遠くまで飛び続ける生態の動物たちを、人間の勝手で何十年も閉じ込めておく飼育には、創意工夫を続ける絶大な責任があることを、昭島市は理解してほしいとおもいます。【今回昭島市公園課に要望したこと】・シカ小屋に敷料とエンリッチメントの工夫・鶴舎の水が少なすぎることを指摘。これを水鳥にふさわしい量に増量する工夫をしてほしい。今後クジャク舎のエンリッチメントとして止まり木なども要望していきます。もともと昭島市は緑の多い町で、有名な国営公園もあります。しかしこの昭和公園は休みの日に特別に行く場所でもないし、スタジアムの客が裏手の公園に立ち寄ることもない、誰も見向きもしないスペースで、どうしてここにかつてはたくさんの動物を集めてしまったのか、もはや誰もわからないとおもいます。アニマルライツセンター発信の地元の活動らしく、なぜそこに動物たちが閉じ込められていなければならないのかをしっかり問いかけ続け、こんな動物の悲劇を二度と起こさないようにしたい。アニマルライツセンター多摩の活動の一つとして、これからも昭和公園の動物たちの余生を定点観測していきます。余生といってもツルなど数十年生きることが記録されていますから、動物たちにとってはこれからまだまだ、気が遠くなるほど続く、長い孤独との闘いがそこにあるからです。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article長野県の自然派ペンション エバーグリーンはケージフリー Next Articleスーパー“なごみマルシェ菊屋”が将来に向けてのケージフリー宣言 2023/12/05