葛西臨海水族園で魚が大量死。2014年12月に165匹いたクロマグロやスマ、ハガツオが大量死し、2015年1月にはたった3匹。そして3月にはクロマグロたった一匹になってしまいました。その原因もわからないまま、2015年5月に追加投入されたスマ29匹のうち12匹が死んでしまっています。12匹は全て水そうに衝突し、頭や背中に骨折していたそうです。そして2015年6月、やはり原因がわからないまま、葛西臨海水族園の目玉商品である絶滅危惧種のクロマグロ77匹が投入されました。葛西臨海水族園は魚をまるで使い捨てできる「モノ」のように扱っていますが、その姿勢は他の動物にも表れています。同園では、エイを触ることができる「タッチフィーリン」を行っていますが、触ることができるよう、エイの毒のあるトゲが切断されています。同園に展示されているツルとコウノトリは、逃げないように羽が切られています。魚に水槽は狭すぎる今回絶滅危惧種であるということで、クロマグロの大量死がクローズアップされましたが、同じことはどこの水族館でも起こっています。海などから連れてこられた魚が、水族館の狭い水そうへの投入時に、たくさんの死んでしまうのは、珍しいことではないのです。マグロは本来なら広い海原をあちこち移動してその行動範囲は数千キロにも及びます。しかし葛西臨海水族園の水そうではたった40mしか移動できません。そのためマグロは、ドーナツ型の水槽を半周して、また戻るという動きを繰り返します。死んだマグロの半分以上が脊椎を骨折しており、ガラスなどに激突したことが直接の死因だと言われています。マグロ以外の魚でも同じです。人の目からどんなに大きく見える水槽でも、魚たちにはあまりに狭すぎるのです。沖縄美ら海水族館。25秒頃、右から泳いでくる魚が水槽のカベに激突し、血を流し、水槽の底に沈んでいきます。こちらも沖縄美ら海水族館2015.7.4 葛西臨海水族園へ質問書私たちアニマルライツセンターは、動物と人との穏やかな共存を目指すNPO法人です。このたび、貴園における魚類の扱いについて、動物愛護の観点から2点伺いたいことがあり、ご連絡差し上げました。1. 2012年に改正された動物愛護管理法の(基本原則)の部分には、次の一文が追加されています。「何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。」貴園では2014年末から2015年1月にかけて、クロマグロが大量に死亡しています。そしてその原因が特定できぬまま、2015年6月、新たなマグロが投入されています。魚類は罰則対象ではありませんが、動物愛護管理法の(基本原則)の部分は魚類にも適用されます。「環境の確保」ができていないにもかかわらず、2015年6月にマグロを投入した理由をお聞かせください。2. 2015年6月に投入したマグロがまた大量死し原因が特定できない場合、また新たにマグロを投入される可能性があるかどうか、お聞かせください。2015年7月11日に回答をいただきましたが、回答の内容は納得のできるものではありませんでした。そのため葛西臨海水族園への来場者にむけての啓発デモンストレーションを行いました。(回答の公開は控えてほしいとのことでしたので、公開いたしません)2015.7.12 葛西臨海水族園前デモ2016.6.12葛西臨海水族園はクロマグロ70匹を追加。この時点で2015年6月に導入されたマグロ70匹と、生き残っていた1匹を足して148匹のマグロがいるはずです。しかし東京ズーネットの魚追加情報*をみると107匹しかいないということですので、1年で41匹死んでいるということになります。2016.8.2葛西臨海水族園は、2015年3月にたった一匹生き残っていたクロマグロが死んだと発表。展示されている大型水槽のアクリル板に衝突したのが死因という**。* 葛西臨海水族園の展示水槽「大洋の航海者:マグロ」では、毎年初夏に実施しているクロマグロ1歳魚の定期的追加を実施しました。** 葛西臨海水族園 クロマグロ5歳魚の死亡について 平成28年8月2日 建設局 (公財)東京動物園協会クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article立正大学で動物園・水族館の現状を教える Next Article霜降り肉のために失明する牛 2016/08/04