熊本市藤崎八幡宮例大祭における、馬への虐待をなくしてほしいと2015年の例大祭前に、関係機関へ働きかけを行っていましたが、残念ながら例大祭後、動画サイトをチェックしたところ、2015年の例大祭においても虐待的行為が行われたことが明らかになりました(虐待的行為を行った奉納団体、その行為、証拠の動画についてはこの記事の最下部をご覧ください)。また熊本市民からも「虐待があったため警察に通報した」との連絡がARCに入りました。 これらを受けて、2015年9月末、再度各関係機関へ改善を求め以下を要望しました。警察機関今年度の例大祭前に、アニマルライツセンターは管轄の熊本北警察署、熊本南警察署へ改善指導をお願いしていました。 警察は神宮側への働きかけや、警察官間での情報共有を図ってくださいましたが、残念ながら不十分だったことになります。今年度の祭りの内容をチェックすると、現場の警察官の対応にも問題があることが分かりました。 警察には動物愛護管理法の罰則対象、道路使用許可に反すると思われる行為が撮影された2015年の証拠動画のリンク先を提示し(この記事の最下部)、下記を要望しました。1.例大祭当日、馬への不適切な使用を警察官が目撃した場合、その場で指導すること。 2.何が不適切な扱いにあたるかを、警察官間で情報共有しておくこと。 3.2015年に違法行為を行った奉納団体を処分すること(検挙、来年以降の出場停止など) (2015年9月24日)2015年12月、警察から回答がありました。一部改善です。 「今後、例大祭における馬への扱いで、不適切な行為があった場合は、その場で指導する。」また、警察の見解では「馬に後ろ蹴りさせるという行為はどの場所であれ不適切な行為にあたる」との判断だそうです。 ですので、今後後ろ蹴りはやってはならないということになります。 現状、性器や性器付近をつかむ、後ろからあおるなどの方法で、練習段階から後ろ蹴りをさせるべく、奉納団体は訓練をおこなっており、祭りの最中も執拗に後ろ蹴りをさせるという行為が行われ、時に警察の目の前でもこの行為が行われています。 しかし今後、例大祭における「後ろ蹴り」させるという行為は、どの場所であれ禁止です。愛護行政(熊本市動物管理センター)熊本市動物管理センターへも警察同様に指導をお願いしていました。 センターは、関係者(藤崎八幡宮及び飾馬奉納奉賛会)に聞き取り、関係者の監督・指導行い改善に努めてくださいましたが、残念ながら不十分だったことになります。 センターへは2015年の虐待の証拠動画のリンク先を提示し(*4)虐待行為のあった奉納団体への適切な処分(指導など)をしていただけるようお願いしています。 (2015年9月24日)各奉納団体・神宮関係2015年の虐待の証拠動画のリンク先を提示し(*4)問題の奉納団体の出場停止を求めるとともに、2016年以降の例大祭において下記を提案。 1.下記の行為の禁止 ・45度の横歩き ・道路を右に左と歩かせる ・後ろ蹴りさせる行為の禁止 したがって、例大祭に向けた調教の段階での上記行為の訓練も禁止。 朝夕10km5時間ほど、騒音の中を歩くだけでストレスになる馬もいます。 さらに観客へのパフォーマンスとしての上記行為のために、馬のハミを執拗にひっぱり苦痛を与える、馬に心理的恐怖を与えることが行われており、こ れは馬への酷使に該当すると考えます。また、馬に後ろ蹴りをさせるという行為は、動物愛護管理法上だけではなく道路交通法上も問題です。2.国の示す「動物の虐待の考え方」を奉納団体間で共有する。 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/files/n_07.pdf3.虐待行為、道路交通法上問題となる行為があった際、その場で指導できるよう、例大祭における馬利用の日は、各奉納団体ごとに監視員を配備する。(2015年9月27日)虐待と思われる行為を行った奉納団体、その行為、証拠の動画嫌がる馬の性器をつかんで、繰り返し後ろ蹴りさせる(9番 慶徳会) https://www.youtube.com/watch?v=lMFxUAkKdCc3分20秒~ 足で馬の腹を蹴っている(37番 京陵會) 7分30秒~ 性器をつかんで後ろ蹴りさせる(37番 京陵會) 10分25秒~ 嫌がる馬の性器をつかんで、繰り返し後ろ蹴りさせる(37番 京陵會) https://www.youtube.com/watch?v=_WHRPqkMAX8後ろ蹴りさせるために、馬の下肢を鞭打っている。2分35秒からその様子が分かりやすい。 (23番 重浦畜産 熊本 凌) https://www.youtube.com/watch?v=jNxZfgEcvpI17分5秒~ 馬を取り囲んであおり、恐怖心をあおり暴れさせている(10番 若藤会) https://www.youtube.com/watch?v=6I2eF7UeWfo馬のハミを強く引っ張り、横歩きを強要(59番 二本木青年会) https://www.youtube.com/watch?v=1qTYeHxw2KY馬のハミを強く引っ張り、不自然な動きを強要(17番 真和誠真会) https://www.youtube.com/watch?v=va-B2ihgLGo馬のハミを強く引っ張り、不自然な動きを強要(34番 西部連合會) https://www.youtube.com/watch?v=Oornl15KivM繰り返し驚かせて、後ろ蹴りさせている(4番 武蔵連合會) https://www.youtube.com/watch?v=s6-GoHP93Pk馬をあおり暴れさせている(4番 武蔵連合會) https://www.youtube.com/watch?v=9Q9KpUWbR2M馬のハミを強く引っ張り、不自然な動きを強要(34番 西部連合會) https://www.youtube.com/watch?v=_P7X2nWNp6w後ろ蹴りをさせている (53番 肥後託東會) https://www.youtube.com/watch?v=zJ_AyLEzyyo2分20秒~ 何度も驚かせて後ろ蹴りをさせている(34番 西部連合會) 6分50秒~ 性器をつかんで後ろ蹴りさせる(37番 京陵會) 18分35秒~ 何度も後ろ蹴りさせている (47番 清城会) 25分30秒 警官の前で、何度も後ろ蹴りさせている。(53番 託東會) https://www.youtube.com/watch?v=cNUlDwukni8練習風景。練習段階で後ろ蹴りを仕込んでいる。(48番 西峰會) https://www.youtube.com/watch?v=9N-rNM1diE0********************************************** その他虐待に当たるかどうか不明だが、馬へ苦悩と苦痛を与えている状態 https://www.youtube.com/watch?v=Rc3_QgtFEYs (56番 不知火会) https://www.youtube.com/watch?v=H9Qxy3hL7pg https://www.youtube.com/watch?v=6I2eF7UeWfo (45分40秒~) https://www.youtube.com/watch?v=4PwnLJmqtLU https://www.youtube.com/watch?v=cNUlDwukni8 (59番 二本木青年会)馬を制御できていない。安全上の問題 https://www.youtube.com/watch?v=OQYT8guX_QM出場停止これらの動画などを元に、馬への虐待・不適切な行為のため3団体が2016年の例大祭に出場停止になりましたが、虐待的行為を行ったすべての団体が停止処分をうけたわけではありません。 関係者の話では「出場団体の半分くらいは処罰対象になってもおかしくない」という声もあります。市民による、より一層の監視が必要です。2015年9月13~21日の例大祭(飾馬行列は20日)開催前、アニマルライツセンターは藤崎八幡宮、熊本県議会議員、熊本北警察、神社庁、熊本市動物愛護行政に対し、送付した文書。2015年9月3日昨年の藤崎八旛宮秋季例大祭を観覧した熊本県民から、「あれは馬への虐待ではないか」との通報が、私どものもとへ多数寄せられております。 そこで、昨年の例大祭の参観者への聞き取りや、ネット上にアップロードされている、近年の例大祭の動画の確認をしたところ、たしかに動物愛護 管理法の第四十四条第二項の罰則対象ではないかと懸念しております。虐待と思われる行為は下記の二点です。 ・過度な心理的恐怖を与えている ・過度な肉体的苦痛を与えている。被食種である馬は、蹴りをいれる、逃げるなどで身を守ろうとする動物です。そのため外部の刺激に敏感で、恐怖を鋭く察知します。見慣れぬ風景 や音に繊細に反応し恐怖します。 その馬を市中数時間に渡って「ドーカイ、ドーカイ」という大きな掛け声と鳴り物とともに引き回し連れ歩かせています。 そして、後ろ蹴りさせるために馬の背後からわざと囃し立てたり、勢い良く見せる目的で、馬の意思に反して手綱を右に左に引っ張ることで馬の抵 抗を故意に引き出しています。 これらは環境省による「虐待の定義」における「積極的(意図的)虐待 - 心理的抑圧、恐怖を与える」(*1)に該当するものと思われます。また馬の抵抗を引き出すために行われている乱暴な手綱使いが馬に肉体的苦痛を与えています。 手綱はハミと繋がっており、金属のハミは馬の口に入っています。馬の口腔は、解剖学上最も敏感な部分の1つであり、 その部分に圧力をかけ苦痛を与えて馬を制御するためにハミと手綱は使用されています。ハミ自体が虐待的な悪影響を及ぼすという研究者もいるほどで (*2)、本来ならば優しく、扶助的に扱わなければなりません。しかし、この馬追では馬の逃走反応や闘争反応を引き出すために、故意に苦痛を 与えるために、乱暴に使用されています。 昨年の藤崎八旛宮秋季例大祭でも、手綱を強引に右に左にと引っ張りまわす所作がありました。またハミによる苦痛が気になるのか始終口をクチャ クチャと動かしている馬も散見されました。 これらの扱いは環境省による「虐待の定義」における「積極的(意図的)虐待 - 暴力を加える」(*1)に該当するものと思われます。以上です。奉納団体の中には行列出発前に飲酒をするものもいると聞いています。馬の性器をつかみ後ろ蹴りをさせるという行為が昨年も行われています。 飲酒や馬を暴れさせるという行為は道路交通法上も問題となる行為で、道路使用許可を取得する際に禁止されています。また、お祓いし、飾りを載せた馬へのこのような行為は、神様への冒涜であるとも思います。今年は9月13日に例大祭が始まり、馬を伴った行列は9月20日に行われます。 大変お手数ではございますが、この件について、どのようにご対応いただけるか書面(郵便またはFAX)あるいは電子メール(宛先:sato@arcj.org)にてご連絡いただければ幸甚です。 何卒、よろしくお願い申し上げます。敬具*1 飼育改善指導が必要な例(虐待に該当する可能性、あるいは放置すれば虐待に該当する可能性があると考えられる例)について (環自総発第 100205002号 平成22年2月5日) *2 ロバート・G・クック博士(タフツ大学獣医学部獣医外科学名誉教授) 著書「ハミ付き頭絡の及ぼす虐待的な悪影響」 *参考までに、2013年、2014年に撮影された動画より、問題のある行為をいくつか抜粋しております。(以下動画列記)*参考までに、2013年、2014年に撮影された動画より、問題のある行為をいくつか抜粋しております。2014年 一頭の馬だけが撮影されています。特に後半馬へのあおりが激しく、ハミを繰り返し引っ張っています。 https://www.youtube.com/watch?v=mKet9FVp6vI2014年 後ろから(手綱を地面に叩きつけて?)馬に後ろ蹴りをさせています。 13分5秒~ https://www.youtube.com/watch?v=xbLKNzzm6Ec2013年 馬を横歩きさせるために、ハミを引っ張り続けています。 https://www.youtube.com/watch?v=QkbsZ-e_rJk2014年 7分34秒~後ろからあおって馬に後ろ蹴りをさせるよう仕掛けています。 (馬は後方も見えるので不振な動きが見えたら恐怖心から後ろ蹴りをします。) https://www.youtube.com/watch?v=sZ73kv9VDk82013年 全編通して何頭もの馬が撮影されています。 おとなしく歩いている馬のハミを故意にひっぱったり、性器をつかんで後ろ蹴りさせている団体もいます。 https://www.youtube.com/watch?v=8LlcDKnNooI2014年 練習の段階で、ハミを刺激して馬に後ろ蹴りをさせるように仕込んでいます。 https://www.youtube.com/watch?v=G40sf4Fm0J02014年 撮影されているこのエリアでは馬をぐるぐると歩かせる趣向のようで、いくつかの団体がハミを故意に引っ張っり引き回しています。 29分50秒~特に強く引き回しています。 https://www.youtube.com/watch?v=KwhiaBGQ6eE2014年 故意に後ろ蹴りさせています。(馬の背後でよく見えませんが、後方の人が叩くようなしぐさをしています) https://www.youtube.com/watch?v=OMrR6DXt5wM2013年 右に左に歩かせるために故意にハミを引っ張っています。また手綱を地面にたたきつけることで、馬に後ろ蹴りをさせています。 4分8秒ころから、手綱を叩きつけている様子が分かりやすいです。 https://www.youtube.com/watch?v=OEPQhz3KsXI2014年 一番初めの団体が故意に後ろ蹴りさせています。 6分5秒~ハミを上下に何度も激しく動かしてます。 8分55秒~ハミを上に何度も強くもちあげています。 13分55秒~性器をつかんで後ろ蹴りさせています。 https://www.youtube.com/watch?v=E1QoK9CP_AM2016年もこれまで同様虐待的行為が行われてしまいました。 2016年に例大祭で行われた馬への虐待的行為 http://www.arcj.org/animals/sacrifice/00/id=968 クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleと畜場の動物福祉に関するアンケート結果 Next Article動物園を廃止することを決定したコスタリカ 2016/09/04