近すぎて食べられない? 動物との連帯、アニマルウェルフェアと抗生物質の使用

食肉の消費は、畜産動物に対する親近感をはじめ様々な要因に影響される。この研究では、動物との連帯*、畜産における動物の扱いと抗生物質の使用に対する考え方について心理尺度を測定し、豚肉の消費量との相関関係を調べた。米国の回答…

未来のフランスの肉は培養された筋肉細胞になるのか? 異なる消費者層からの回答

この調査の目的は、「培養肉」に対するフランスの消費者の認識を調査することである。調査に回答した5418人には、一般的なフランスの人口構成に比べて、若者・食肉業関係者・科学者がより多く含まれていた。回答者の約40~50%は…

欧州5カ国における乳牛のアニマルウェルフェアを比較する

乳牛の福祉を確保するために特別に設定された欧州連合(EU)共通の法律は、子牛に関するものだけである。そのため、EU諸国において乳牛の福祉を担保する方法はさまざまに異なる。数カ国では乳牛福祉に法的要件が定められているが、業…

肉のパラドックスから脱出する:食肉にまつわる両面感情に、道徳と嫌悪はどう影響するか

食肉生産とその消費は、動物と環境、人間の健康に悪影響を及ぼしている。それにもかかわらず、多くの人は肉を好んで食べる。このいわゆる食肉のパラドックスに気が付くと、人々は嫌悪感を伴った認知的な葛藤を経験する。もしこの葛藤を完…

食品ロスと廃棄物にふくまれる動物たちの命

食肉のロスや廃棄を減らすことの重要性は、その環境への影響の大きさのために認識されているが、アニマルウェルフェアの側面について取り上げられることはほとんどない。食べられることのない食品を生産するために動物たちに加えられる苦…

牛乳は嫌い?乳牛の心と道徳的地位の否認-動物の苦しみ・種差別・罪悪感との関わり

肉を食べる人々に、食肉生産のために動物が傷つけられていることを思い起させると、食肉消費に対する心理的緊張が誘発される。この緊張に対処するために人々は、肉の消費を減らすか止めるか、あるいは食用動物に心があることを否定するこ…

利他主義と反人間中心主義は、環境にやさしく倫理的な食肉製品への選択意図を形作る

消費者が持続可能で倫理的な食品生産のあり方を意識し、関心を持つにつれて、食品を消費するパターンは変化している。畜産業と社会との断絶は拡大しつつあり、消費者の購買行動の背後にある動機を検証する研究はますます重要となっている…

豚のアニマルウェルフェアの測定、その意味を深く掘り下げる

歴史的に、よく育つ動物は良好な幸福な状態にあると信じられてきた。実証データによれば、豚は健全な成長に必要な身体上のニーズだけでなく、遊びや複雑なパズル解きなど、生活上の豊かさ(環境エンリッチメント)を求めることがわかって…

動物の「知能」・「温かさ」のステレオタイプ、共感の選択に及ぼす影響

動物についての固定観念(ステレオタイプ)によって、人々が動物に対して抱く共感を予測できるかどうか、事前登録研究で検証した。2つの研究において(それぞれの参加者数は173名および202名)、参加者は、16の異なる生物種に属…

動物実験への支持におけるジェンダー・ギャップ:共感と種差別による媒介

動物実験に対する支持には大きな性差があり、男性の方が女性よりも動物実験を支持している。しかし、こうした違いに関連する心理的要因についてはほとんど知られていない。我々は、男女のバランスがとれた大規模サンプル(女551名・男…

ベジタリアンの青少年が抱く食事についての考え方、信念と幸福感

菜食主義は、平等や動物・環境の保護をはじめとした健康や倫理、環境に関する価値観を満たすことができる。その一方で菜食主義は、自己決定の義務感に対する思春期の反応を表現していることもある。また、菜食主義者では抑うつのリスクが…

利己主義、動物に対する共感、肉削減の3つの動機(動物・健康・環境)、性別、肉消費量の関連について

本研究では、食肉消費のレベルが、利己主義と動物に対する共感という2つの心理的要因や、関連する3つの動機(動物・健康・環境問題)とどのように関連しているかを調べた。18歳から80歳のオーストラリア人成人(497名)を対象に…

「ペットはアンバサダー」仮説を支持:オーストラリア男性の動物への共感性、ペット・オーナーでは非オーナーや農業従事者より高い

人間以外の動物に対する人間の共感(Animal Empathy; AE)には強い性差があり、そのレベルは女性の方が男性よりも高い。本研究の目的は、男性のみを対象としたサンプルにおいて、動物に触れた経験がAEに及ぼす影響を…

動物への共感:中国において動物への態度とヒトへの共感を繋いでいるもの

本研究の目的は、感情転移に関する仮説― 動物に優しい態度を奨励することでヒトと他の生物種の両方に対する共感が高まる― を検証することである。我々は横断的調査において、人間への共感、動物への共感、動物に優しい態度の3要素に…

血のない肉: 実験室で作られた肉がもたらす公衆衛生上の利点

動物の細胞から作られた合成肉は、私たちの食生活を一変させるだろう。動物を飼育し屠殺する必要がなくなるため、苦しみを減らすことができる。しかし、広く消費されるようになれば、公衆衛生の面でも大きなメリットがある。本稿では、「…

昆虫ベースの飼料に対する社会の受容性:ヨーロッパにおける質的研究

EUにおける高タンパク質の飼料への需要の増大、集約的畜産に伴う環境の悪化を背景として、従来の飼料に代わり昆虫ベースの飼料が持続可能な代替品となるかが議論されている。 しかし、このような技術革新の確立は、技術面や経済面での…

口に合わない真実:肉食へのこだわりと食用動物の心を無視することには関係がある

動物の心は、動物の権利と福祉をめぐる議論における議論の中心にある重要な問題である。動物に心があることを示す証拠を無視し続けることは、動物への虐待を助長する可能性が高い。英国と米国の成人・学生のサンプルを調査したところ、肉…

畜産動物に名前と顔を与えること: 「身元の分かる被害者効果」で動物への愛護感情を誘発する

動物性食品を中心とした食生活は、私たちの健康や地球にとって負担が大きく、動物たちに苦しみを与えることが多い。この研究の目的は、よく知られている「身元の分かる被害者効果」- 匿名の被害者や統計値の被害者ではなく、個人として…

動物意識に関するニューヨーク宣言

※本記事は The New York Declaration on Animal Consciousness のウェブサイト内の3つのページ「Declaration」、「Background」「Sign the Decl…

「種差別的無知」の認識論に向けて

(要約) 原論文の著作権情報:This article is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License, which …