食料品にガス排出量価格を設定した場合の気候変動緩和とグローバルヘルスへの影響

食品に関連した温室効果ガス排出について予想される増加量は、地球温暖化を許容できるレベルに抑えるうえで大きな障害となる可能性がある。しかし、潜在的な食料安全保障への影響についての懸念もあり、食料生産と消費は長く気候変動に関…

牛肉の生産が引き起こす水不足と魚の絶滅危機

人間が消費する淡水量は、多くの地域の水源が自然回復できる水量に近いか、それを上回っており、人類と生態系の双方に水不足のリスクをもたらしている。 ここでは、米国全土における水利用について、その影響および水不足や生態系へのダ…

生産者と消費者で食品の環境負荷を低減する

食品が環境へ及ぼす様々な影響は、様々に異なる非常に多くの生産者らによって生み出されている。このような多様性のもとで有効な解決策を見出すため、5つの環境指標、38,700の農場、1,600の食品加工業者、食品包装の種類、小…

世界規模での畜産業の急速フェーズアウトで、温室効果ガスレベルを30年間安定させ、今世紀のCO2排出量の68%を相殺できる

畜産業は、強力な温室効果ガスであるメタンと亜酸化窒素を持続的に排出し、動物を飼養する土地のバイオマス*1に含まれる炭素量を減少させることで、地球温暖化の大きな原因となっている。しかし、畜産を廃止した場合の効果の大きさに関…

高所得国の食生活を変えるだけで、気候変動に対して実質的に二重の利益がもたらされる

高所得国において動物性食品から植物性食品への食生活の転換が行われれば、直接的な農業生産による温室効果ガスの排出を削減することができ、さらに農業生産に利用されなくなった土地がもとの自然植生に復元されれば、炭素隔離*1を増加…

ベジタリアン食を増やしたカフェテリアにおける食事選択と売上の変化

高所得国において人々の食生活をプラントベース食へと転換させることは、自然環境を保護し、公衆衛生を向上させることにつながる。これまでに他の分野で行われた研究によれば、人々が意思決定を行う環境を物理的に変えることが(”ナッジ…

世界の食糧システムによる温室効果ガス排出で、1.5度と2度の気候変動目標の達成は困難になる

パリ協定では、世界の気温上昇を産業革命前の水準より1.5度または2度に抑えることを目標としているが、そのためには温室効果ガス排出量の急速な削減が必要である。この目標を達成するためには、化石燃料からの排出を削減することが不…

食品の温室効果ガス排出量に対する消費者の過小評価とラベルの有効性

食料生産は、エネルギー利用と温室効果ガス排出の主要な原因であり、そのため食生活を改めることは、環境への影響を削減するために重要な行動戦略となる。しかし、さまざまな種類の食品が環境に及ぼしている影響を消費者が過小評価してい…

環境に優しく栄養価の高いプラントベース食品で米国産の肉を代替する

食肉は、植物性のタンパク源に比べて大量の資源を消費するため、これに代わって効率の良いプラントベース食品に置き換えていくことは有益と考えられる。しかし、そのためにはプラントベース食品によって必要な栄養を十分に確保できる必要…

プラントベース食生活の動機におけるベジタリアンとヴィーガンの類似点と相違点

プラントベースの食事は、アニマルウェルフェア・環境・公衆衛生に有益であるとして、急速に広がりつつある。肉を食べる人々と比べた場合、ベジタリアンやヴィーガンのように肉を食べない人々の動機となっているのは、特にアニマルライツ…

肉食忌避に対する態度のイデオロギー的基盤: 文化・経済の現状に対する脅威としての菜食主義

政治的に右派の人々は、左派の人々に比べて、肉の消費と動物の搾取により大きく関わっている。先行研究によれば、これは彼らが菜食主義を国の食習慣や経済を脅かすものと見なしているからだという。2つの研究を通して、この「菜食主義の…

肉を食べない人を、よく食べる人・減らしている人と比較する

気候変動や公衆衛生の問題に対処し、アニマルウェルフェアを遵守するために、食生活を転換して動物性食品を減らし、植物性食品を増やす方向へ移行することが喫緊に必要となっている。多くの消費者はこれらが重要な問題であることを認める…

食糧システムを地球環境の限界内で維持するための選択肢とは

食糧システムは、気候変動、土地利用の変化、淡水資源の枯渇、窒素やリンの過剰投入による水生・陸生生態系の汚染を引き起こしている主要因である。2010年から2050年の間に、食糧システムによる環境への影響は、予想される人口と…

ヴィーガン料理を不味いと思うとき: 象徴的脅威としてのヴィーガニズム

肉を食べる人は概してヴィーガン料理は不味いと思っている。我々は、ヴィーガニズムが象徴的な脅威として認識されるためにこうした見方が生まれてくる可能性があると推測した。つまり、ヴィーガン料理を低く評価することで、肉を食べる人…

肉・魚・乳製品・卵の消費についての道徳感、正当化する信念:食事スタイルによる比較研究

肉を食べる人と食べることをやめた人では、性別の違いとともに、肉食に関する信念や道徳感が異なる。これまでにペスカタリアンとヴィーガンにおける信念と道徳感を調査した研究は乏しく、乳製品・卵・魚に関する道徳感や信念の違い、食事…

ヴィーガニズムに対する社会的・心理的な障壁を特定し克服する

本稿では、エシカル・ヴィーガニズムへと至る道程を、行動変容ステージモデル(無関心期から関心期・準備期・実行期・維持期まで)に基づいて概念化する。それぞれのステージにおいて、ヴィーガニズムへの前進を阻む心理的障壁を探り、こ…

ミートフリーの選択肢を増やした場合に食品選択に起こる変化:2つのフィールド実験とオンライン無作為化試験

背景: カロリー密度の低い食品を手軽に入手できるようにすることは、より健康的な食品の購入を促すうえで有望な介入方法である。しかし、より持続可能性の高い食品の購入を推進するために、肉を使わない(ミートフリー)食事を購入しや…

ヴィーガンの道徳的なステレオタイプ化:食事の動機と活動家ステータスの役割

ヴィーガンに対して人々が抱く感情には相反するものがあり、ヴィーガンの道徳的な目的やコミットメントが賞賛される一方で、傲慢にみえるヴィーガンの態度や過剰なコミットメントが軽蔑されることもある。健康やアニマルウェルフェア、持…

幸福感が高いほど受け入れやすい:培養肉を選ぶ理由に関する調査

食肉の過剰摂取が有害な温室効果ガスの排出につながることは明白である。このような気候変動への影響に対処するために現実的な方法の一つとして、培養肉のように、より持続可能性の高い食生活の選択へと人々の理解を促すことがある。しか…

培養肉に対する受容態度、その動機としての社会的イメージ:シンガポールと米国における文化間比較調査

本研究には3つの目的がある。その第1は、培養肉に対する消費者の受け入れ方について、米国とシンガポールで比較することである。第2には、米国とシンガポールで培養肉に対する受け入れ方が異なることを説明するために食行動の動機を調…