米国は1938年に連邦食品・医薬品・化粧品法(FD&C法)により、新薬のヒト臨床試験前に動物実験が義務化し、2022年12月に「FDA Modernization Act 2.0」が成立させ、動物実験の義務が撤廃され、その方針に従い、2025年4月10日に、FDAは、AIモデルやヒト由来の細胞・オルガノイドを用いた新たなアプローチ(NAMs)を積極的に導入し、動物実験の段階的な廃止を進める計画を発表した。新薬開発者に対し、動物実験ではない方法で得られたデータの提出を奨励し、特定の条件下では迅速な審査を行う方針だ。FDAは公式の発表の中で以下のように述べている。「製薬会社は長年にわたり、国際的に広くヒトへの使用実績のある医薬品について、追加の動物実験を行ってきました。この取り組みは医薬品評価におけるパラダイムシフトであり、動物実験を削減しながら、米国人にとっての治癒と有意義な治療の実現を加速させる可能性を秘めています」と、FDA長官のマーティン・A・マカリー医学博士(公衆衛生学修士)は述べています。「AIベースの計算モデリング、ヒト臓器モデルに基づくラボ試験、そして実世界のヒトデータを活用することで、より安全な治療をより迅速かつ確実に患者に提供できると同時に、研究開発費と薬価を削減できます。これは公衆衛生と倫理の双方にとってメリットのあることです。」重要なことであり、そして日本での認識が足りていない部分が、動物実験を排除していくことが”より安全な治療をより迅速かつ確実に患者に提供できる”ことに繋がると言う部分である。動物実験は人の治療を妨げてきたのだとも言える。もしも1938年に義務化していなかったら、より多くの人が救われていたかもしれない。EUは米国より先に動物実験を廃止する動きをしている。欧州議会は、動物実験の段階的廃止と代替手法への移行を加速するための行動計画を求める決議「研究、規制試験および教育における動物の使用なしでの革新への移行を加速するための計画と行動」を採択している。世界は動物実験ではなく、人をベースにした試験方法にすでに移行している。動物実験は動物を害するだけでなく、人も害するのだ。これをしっかりと日本人は認識すべきである。https://doi.org/10.1177/02611929231157756未だ、日本の動物愛護管理法では、3Rのうち2Rが義務化されていない。動物の苦痛の軽減は義務規定だが、罰則もなく、義務規定といっても強制力はない。日本はあまりにも努力も科学も足りない状態である。*https://www.amjmed.com/article/S0002-9343%2823%2900254-1/*https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-announces-plan-phase-out-animal-testing-requirement-monoclonal-antibodies-and-other-drugs*https://www.reuters.com/world/us/us-fda-phase-out-animal-testing-drug-development-2025-04-10/*https://www.pcrm.org/news/news-releases/fdas-plan-replace-animal-testing-begins-new-era-drug-testing-says-doctors-grouphttps://www.europarl.europa.eu/doceo/document/E-10-2025-001354_EN.htmlクリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleすべての動物は放血前に気絶させられるべき:人道的屠殺協会(HAS)の見解 No Newer Articles 2025/04/25