中国では、化粧品の販売にあたり、動物実験が義務付けられている。日本でも禁止されていないが、化粧品の成分に求められているものであり、一般の化粧品の製品自体に義務付けがあるのは中国だけになっている。そのため、これまで動物実験を行わない会社であったとしても、中国市場への進出を刷る段階で、動物実験を行わないポリシーを捨てなくてはならなかった。この事に関し、EUをはじめとする各国や団体からの要望は多く、2013年に行われたICCR(化粧品規制協力国際会議)のステークホルダーセッションで、アニマルライツセンターも、オブザーバーとして出席していた中国政府担当者に対し、要望をぶつけていた。 動物の視点からだけでなく、企業の競争という意味でも、中国市場への進出が制限される企業も多く、さらには消費者としても日本では動物実験をしていなかったため安心して使っていた製品が中国進出をしたために使うことがはばかられるなど、大きな問題になっていた。この状況が、改善されることとなった。中国食品医薬品局(CFDA)によると、2014年6月から、「非専門化粧品」(non-specialised cosmetics)と呼ばれる、シャンプー、石鹸、ネイル製品、多少のスキンケア製品においては、動物実験を行うことなく販売できるようになる。この決定により、1340億 元 ( 220億ドル )と言われる中国化粧品市場に、多くの企業が参入できることになるという。 残る課題日焼け止めクリーム、デオドラント、美白化粧品、ヘアカラー、育毛剤は専門化粧品(Specialised cosmetics)に含まれるため、引き続き動物実験を含む毒性試験が求められる。日本は医薬部外品という独自の分野においては、義務付けがある。日本は中国に追い抜かれるかもしれない。 カネボウ(花王)で発生した白斑被害でも、動物実験でも被害が防げないことが証明された。動物実験ではなく、人をベースとした試験方法の開発を磯くべきである。代替法の開発を、生活者の80%が待つという状況がある中で、多大なリスクを犯し、また動物を犠牲にして新規成分を開発するより、より明るい方向への方針転換を、政府として行うべき時が来ている。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article八幡平熊牧場の熊の今後と課題 Next Article化粧品開発における動物実験に関する意識調査 業界誌に論文掲載されました 2013/11/14