人間とマウスには大きな越えることのできない種差があり、かかる病気も、効く物質も、効かない物質も、奇形を生む物質も、危険な物質も、体内の代謝も、全て異なります。
そのため、まずは動物に人間と同じ病気や症状を再現しようとします。
それが「動物モデル」の開発です。
それが「動物モデル」の開発です。
人と動物
ただ、ヒトの病気は動物の病気とは異なるものなのです。
生体実験の原理は実験動物がヒトの病気のモデルとして使われるというものです。
病気は研究され、症状の緩和かその治療の試みが評価されます。この原理の巨大な障害は、全動物の種の間に存在する違い、つまりそれぞれがその特定の病気に苦しむことなのです。
実験動物で再現できるのは、人間が知る全ての病気の2%以下です。その2%以下の病気も、動物実験者がその限られた分野でできる最大のことは、症状のいくつかを再現することのみです。
そしてそれは人間の症状とは異なるものです。
最も近い親類でさえ、私たちとは生物学的大差があります。チンパンジーと私たちは、遺伝的特徴の98%を共有しており、その統計事実は、一見、ヒトの病気の研究に彼らを使用することを支持している要因に見えるかもしれません。Vernon Reynolds教授(オックスフォード大学の霊長類専門家)はこうコメントしています。「2%の遺伝的違いは本当に大きい。・・・あたかもそれはヒトのナンセンス突然変異であるかのように、チンパンジーを使うことで、人に害を与えてしまうだけの大きな違いが確実にある。」
医学の真の発展には、動物実験ではなく、人のデータを元にした研究が必要なのです。