中国は動物保護法がないと批判されがちな国だ。だが、けっこう色々と規制があり、また変化の早い国でもある。今、中国でも世界と同様に採卵鶏のケージフリーへの移行が着実に進んでいるようだ。2021年10月、中国の小売業界の公式な声として機能する国営の業界団体「中国チェーン店&フランチャイズ協会 CCFA」と China Animal Health and Food Safety Alliance (CAFA) 、経営コンサルティング会社IQCが「ケージフリー」の基準を発表した。国営団体が中心で作成したということは、国の意向もケージフリーに前向きであると捉えられる重要な動きだった。CCFAは中国の460,000以上のチェーン店の業界団体であり、実際の影響力も大きい。さらにこの基準をもとに認証スキームが作られ、2023年初めて認証が取得され一気に広まっている。養鶏業界紙はわずか1年余りで、中国では50万羽の鶏を飼育するケージフリーの産卵鶏農場17カ所が認証を受け、その半数以上がケージフリー生産を拡大し、より多くの産卵鶏が福祉の高いケージフリー環境で飼育できるようになりました。 The Poultry siteと報じている。さらにIQCは2024年初頭にケージフリー卵の追跡システムを作りトレーサビリティや生産販売量の把握もできるようにしている。この認証を取得した農場のケージフリーの鶏の羽数は2023年ですでに45万羽を超えているという。2022年には、アニマルウェルフェアの技術に特化して研究を行う研究施設、重慶国康動物福祉科学研究所が正式な認可を得た。日本にはそのような施設はまだない。2023年の中国養鶏業界の1年の言葉は「ケージフリー」だそうだ。政府が強く介入しているかというとまだその段階にはないようであるが、生業といえど政府が一度強い介入を始めれば一気に動くのが中国である。例えば現在は屠殺場(家禽含む)の改善について3カ年計画が立てられたところであるが、これには屠殺場の移転と集約化が含まれ、さらに”生きた家畜と家禽の輸送から食肉の輸送への転換を促進”しており(これはアニマルウェルフェアの推進につながる)、後進的な生産技術の廃止を加速するとともに”条件を満たさない家畜および家禽の屠殺企業は、期限内に法的条件を満たさない場合、法律に従って閉鎖を命じられる”のだ。人獣共通感染症との関連を明確にしている点からしても、日本のように忖度してごまかし、真実をあやふやに伏せる傾向もない。つまり、他国よりもより速いスピードで進む可能性を秘めている。ケージフリー鶏舎 https://www.faifarms.com/cage-free-farms-in-china/ https://www.faifarms.com/wp-content/uploads/2023/07/2022CageFreeEggPurchasing.pdfhttps://www.gc-animalwelfare.org/2024/02/02/gcaw-highlights-the-challenges-of-sourcing-cage-free-eggs/クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article子どもと動物カフェ Next Article署名を提出:キユーピーさん、世界共通でケージフリーを実現しましょう! 2024/08/21