2施設中、1施設を閉鎖2012年の時点で、私たちが把握できている毛皮農場は、日本で2か所でした。その2か所ともは新潟県にありました。この2か所ともが、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法) で、特定外来種に指定されているにもかかわらず、無許可で飼育している違法な施設でした。1軒目は、小規模なミンク農家です。ミンクの数は多くても100頭以下だと思われます。 小規模ミンク農場は、アニマルライツセンターが環境省への通報を行い、勧告を受けました。 オーナーは外来生物法に準拠した施設を用意するのは難しい、またミンクを診れる獣医もいないためと判断し、閉鎖しました。ミンクは処分されましたがが、毎年生み出され、殺さるサイクルがひとつ、断ち切られました。残された最後のミンク飼育場(大塚ミンクファーム)の閉鎖を!最後に残された1軒は、大規模なミンク養殖場です。2,500頭ほどいると推定されます。有機米農家も兼業している業者です。この飼育施設は、外来生物法に関する申請をしても、申請が通るような施設ではありません。穴のあいたケージを、即席で補修し、その補修にビニールテープを使っている。さらに、多くのケージが老朽化しており、ケージは各所に穴があり、ケージの底が抜けた形跡もいくつかあります。道路に面しており、中は丸見えです。ほぼ屋外飼育といった状態であり、当然逃げて野生化していると考えられます。実際、この施設のオーナーがやっていたfacebookではミンクが逃げたときの捕まえ方を紹介していました。この施設の周辺は田んぼであり、またその側には綺麗な川が流れています。逃げたミンクが生きて繁殖するにはもってこいの状況にあり、将来的には北海道や福島県と同様に外来生物として問題になるであろうことが容易に予測されます。※特定外来生物であるアメリカミンクは、野生で見つかれば殺処分されてしまいます。 この施設が違反している法律は、外来生物法だけではありませんでした。その動物福祉の低さ、管理のずさんさは、虐待そのものといえるひどさでした。 自動給水ホースは切れて使えておらず、給水ができているケージと、できていないケージがあります。 給水ができていないケージのミンクは、暑さと渇きで、今にも死にそうな、本当に苦しそうな表情を見せています。 私達に向かって、空っぽの水受けに顔を突っ込み、そして上げる仕草を繰り返し、まるでここに水を入れてくださいと訴えかけるのです。私たちの眼裏からこの姿がいつまでも消えません。 その水のない水受けには泥とコケが溜まっています。 本来水受けはケージの内側に取り付けるべきものであるが、この施設はなぜかケージの外側に取り付けています。 人間が水を注ぐ口と、動物が水を飲むお皿の部分が逆転してしまっているのです。そのため、ミンクはそもそも水を注がれても、届かないのです! さらに下を見ると、かつて壊れたケージがそのまま打ち捨てられており、そして埃がたまり、不潔としか言い用のない状態になっていました。そもそも、現在も使われているケージにも長年の垢と埃が溜まっており、コケまで生えています。そしてケ-ジの底が抜け、簡易的に補修し、使い続けているような状態です。水がいきわたっていたりいきわたっていなかったり、自動給水ができるはずだっただろうホースが切れていても補修もしない、または不要なものを撤去すらしない 補修はその場しのぎの簡易的、というのは、管理ができないいわゆるずさんな管理者である証拠です。管理というのは、福祉以前の問題です。 本来、ミンクは、水辺を好み、泳ぎも得意で川にもぐり川魚などを食べて生きている、獰猛といわれるが、人間のペットには適さないだけの普通の野生動物です。ただ、ここにいたミンクたちは、弱り、衰弱しており、獰猛さのかけらもない。そして助けを求めるというコミュニケーションを必死でとろうとしているのです。そんなコミュニケーションができる動物が、生まれてすぐに、こんな汚くて、四方を金網で囲まれた小さなケージに入れられ、夏には暑さで、冬は寒さで苦しみ、水さえも充分に飲めず、もちろん、川で泳ぐことも、魚をとることも、土の上を歩くこともなく、本来は3年から5年生きる動物ですが、生まれた年の冬の終わりに殺されます。 殺すのは、この施設内で行っているようです。このずさんな管理者が、どのような方法で殺しているのかは、把握できていません。しかし、ミンクの管理すらできず福祉なんて考えたことがないであろうこの業者の殺し方が、良いものではないことは想像できます。 世界中の活動家が、全力で毛皮のために殺される動物をなくすための活動をしています。自分の国に毛皮農場がある国では、それを禁止するための運動を着実に広げています。私たちも、日本の毛皮消費を辞めさせる運動とともに、国内での毛皮生産自体も根絶しなくてはなりません。 この大規模施設については、新潟県への環境改善の要望と、外来生物法での規制についての通報をし、告発状を提出し受理されています。 しかし2013年時点でも飼育を続けているようです。電話でお話し、文書で下さいとの事だったため、2013/12/26飼育状況、と殺方法等、養殖をやめて欲しい旨の質問及び要望書を送付いたしましたが、お返事をいただくことはできませんでした。2014年、2月に警察の捜査が終了し、検察へ送検されました。 しかし、2014年6月でも、犯罪を犯し続けた(特定外来生物約600頭の無許可飼育)ままです。アニマルライツセンターの見解逸走防止の意義を理解していないアニマルライツセンターは違法状態を知り、2012年10月には環境省に通報しました。その後、大塚ミンクファームと同時に指導を受けたミンク農場はすぐに閉鎖を決めました。 ところが、大塚ミンクファームは、環境省の指導により、遅くとも2012年末に外来生物法について知ったにも関わらず、無許可のまま飼育を続け、のみならず、2013年の春には再度繁殖を行っています。 2013年に警察の取り調べが行われてからも、施設の檻が二重化されるということは行われていませんでした(飼育の許可を得た場合であっても檻の二重化、マイクロチップの個別埋め込みが義務付けられています。)。2013年7月17日に確認をした際にも、逃走防止策は施されていませんでした。 2012年に見た時よりも、鳥よけのネットのようなネットが増えていましたが、下までたれておらず、また入り口は塞がれておらず、おそらく逃走防止用のものではないと推測されました。 そもそも、ミンクは獰猛と言われる肉食獣であり、鋭い牙を持つためこのような糸のネットは、意味を為しません。金網でも細ければ噛み切られるでしょう。 通常、鉄やステンレスで噛み切られない頑丈な檻である必要があります。これらの事実は、大塚ミンクファームが、自身が飼育している種が生態系を破壊する種であり、各地で野生化し問題になっているにもかかわらず、逃走を防ぐ重要性を理解していないことを示しています。外来生物法についても、指摘がなければそのまま違法状態で飼育を続けていたと思われます。 もしも本当に、6年間もの間「知らなかった」ということであれば、それはアメリカミンクでお金を得るものとしての責任感の薄さを示しており、関連法規に対する情報収集の怠っていること示しています。 動物の取り扱いで商売をする責任として、当然関わる法令の情報は自ら収集すべきことです。言われるまで気がつかないということでは、その職業に携わるべきではない、不適切な飼養者であると考えます。 すでに逃亡させている可能性が高く、責任は重い2012年に見た際に、壊れた檻が並んでおり、さらにいくつか無造作に打ち捨てられていました。檻が部分的に壊れたものは、簡易的に補修してあり、その補修にビニール紐が使われていました。 大塚博幸氏自身、WEB上で、逃したミンクの捕まえ方を投稿していました。 ケージは柱と屋根だけのほぼ屋外といえる小屋に並べてあり、ケージが壊れたりミンクを取り出したりする際に逃げてしまえば、そのままのに放たれる状態にあります。このような状態であることは、2012年9月時点、2013年7月時点で確認しております。 無許可飼育によってアメリカミンクが逃亡したとしても被害はすぐには目に見えませんが、被害の実情は、アメリカミンクが野生化し繁殖を毎年繰り返し、十年以上経ってから表面化してきます。新潟でもすでに2006年に一度捕獲されているという報道がされています。2009年にはアメリカミンクが、福島県郡山市の河川周辺で、場所によっては世界有数の高密度で生息していることが県の調査で明らかになっています。また2012年には知床博物館がアメリカミンクの生息域が、知床半島全域に拡大していることを報告しています。野生化したアメリカミンクが今後どのように増え、どのように生態系に影響を及ぼすのか、計り知れないものがあります。 動物に県境はありませんので、被害は何十年とかけて他県にも広がることでしょう。さらに、一度野生化すれば、たとえ毎年捕獲し殺処分したとしても、根絶することはどの地域でもできていません。 事実、北海道などの地域では、野生化したアメリカミンクのために日本古来の種の生存域が侵される、農業被害が出る、農業被害防止のための防除の費用がかかる、動物自身が殺処分される、捕獲と殺処分に税金がかかる等、被害は多岐にわたりすでに表出しており、おさまる気配はありません。 これらの被害の防除にかかる費用負担は、税金で賄われていきます。 さらに、生態系の破壊については、取り返しがつきません。動物の飼養管理上の問題が多い動物の飼育は、動物の福祉とともに、細かい気配りと、徹底した管理、清潔にたもつ毎日の清掃などが必要であり、これは人により適性不適性が大きく分かれるものです。 私達は、2012年に、壊れたケージが多数打ち捨てられており、また糞尿も異常に柱やケージにこびりつき、水受けには苔がたまっている様を見ました。水受けの位置が通常とは逆に取り付けられており、動物が水を飲めない状態でした。 木箱があるケージと、木箱がないケージがあるなど、多数の動物を管理するには不適切としか言いようのない状態でした。 別のミンク農場と比較しても、さらに、通常の畜産施設と比較しても、明らかに大塚ミンクファームの施設は管理されていない状態でした。 クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article鶏のバタリーケージをなくそう Next Article水族館のイルカの展示に反対します 2014/06/18