2017年4月4日に桐生が岡動物園のメスのゾウ「イズミ」が亡くなったと発表された。 1955年にタイで生まれ、1957年、たったの2歳の時にタイから日本に連れてこられた。神奈川県湯河原市の動物園から、1964年4月22日に桐生が岡動物園に移されたと言う。 その時から53年間、小さなコンクリート敷の檻の中でただ生き続けた。監禁し続けることは人で言えば刑罰だ。彼女はすべてのゾウらしい生き方、能力、感性を発揮する機会、自由を奪い、人の刹那的な楽しみを生み出すためだけに監禁され続けた。2016年6月にアニマルライツセンターからイズミの環境の改善や、二度とゾウを飼育しないことを求めた要望書を提出していた。 イズミを移動させることは拒否されたものの、行動エンリッチメントなどは検討すると回答していたが、その結果を確認しに行く前に亡くなってしまった。もう二度とゾウを飼育しないでほしいこの点に関し、桐生が岡動物園は新たにアジアゾウの飼育を継続することは非常に困難であるものと認識しております。と回答している。 恐らく二度とゾウを購入し導入することはないだろう。 これは良い知らせだったが、長期にわたる緩慢な虐待を受け続けて死亡したイズミのことを思うと喜べない。 日本では長寿が福祉の基準だと勘違いされているフシががある。多くの人が誤解をしているが、”生きつづけること”は動物福祉にとって重要な点ではない。その質が問われているのだ。 回答の中には、こうも書かれていた。この度の貴法人のご要望は、希少動物種であるアジアゾウの飼育に関して真摯に憂慮されていることから発しているものと推察いたします。しかしながら、当園といたしましては、安定してイズミを長い間飼育してきた環境やこれまでの歴史等、現在の長命につながっている様々な要因を考慮せず、かえって生命の重大なリスクにつながりかねないと思慮される行為につきましては、決して実行できないものと考えております。 そのうえで、今後についても少しでも長く健康で穏やかにイズミが暮らしていけるように配慮に努めてまいりますので、どうぞご理解をいただきたく、よろしくお願い致します。私たちももちろん、動物園側が動物を苦しめたいと思っているとは全く思わない。しかし、生き続けていることが動物にとって”穏やか”なことであるというのは大きな誤りであると考えている。 イズミに穏やかに暮らしてほしかったのであれば、どうして53年間、改善を試みなかったのか。 どうしてコンクリート敷の檻のままであったのか。長命だからこそ、悲惨なのだ。寿命の長い動物であればあるほど、苦しみは長いのだ。動物園を支援しないでください。 動物園にお金を落とさないでください。 動物園に、その動物園が使役するすべての動物に対して行動エンリッチメントを行うよう要望してください。 動物園に、その動物園が使役するすべての動物の飼育環境を改善するよう要望してください。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article『企業のエシカル通信簿』のなかの動物について Next Article回答-京王プラザホテルへフォアグラ廃止を求める署名を提出 2017/04/07