*記事を更新しました(2017.5.30)2002年に動物舎の閉鎖が決定した昭和公園。 現在ここでは、ヤクシカ、ウサギ、インドクジャク、セキセイインコ、ニホンザル、鶴、アカミミガメが飼育されています。以前はにぎわっていたこの公園も、今は訪れる人がほとんどいません。 かつては集客効果のあった動物たちも今はその価値がなくなり、打ち捨てられた園のなかで、動物への配慮がおざなりになってしまっていました。2016年4月4日、昭島市市民からこの公園のヤクシカの飼育状況が酷い、とアニマルライツセンターに通報がありました。「東京都昭島市にある 昭和公園(似た名前ですが、昭和記念公園ではありません。)にある小規模な動物園での写真です。古くて小規模なこの打ち捨てられたような動物園では、シカたちがひどい環境におかれています。写真の年老いた鹿は わずか四畳ほどしかない 不衛生な檻に入れられ、暴れたのかツノは折れて 毛並みもひどい状態です。その他のシカたちも フンだらけの水たまりの水を飲んでいるような状態です。 近所の子供たちにも見える場所にあるので、ここを 管轄する昭島市役所の公園管理課には 数々の苦情が寄せられているようです。 私も『近くに有る動物園に引き取ってもらうとか、できませんか?』と電話をしましたが、どう訴えても キッパリと『どうにもなりません。』『どうしようもありません。』の一点張り。市長に手紙でも書けばいいのですか?と言ったら、今まで何通もの手紙が届いたが、公園管理課に「何とかして」と下りて来ただけで、何も対応がなされていない状態だそうです。 このまま 動物が死にたえるのを 待っているのでしょう。 昭島市は こんな状態をさらして 恥ずかしくないのでしょうか?」この通報を受けて、現地を視察したところ、通報にあった通り、動物たちが過酷な状況に置かれていることが分かりました。 朝一回の清掃しか行われないため、ヤクシカの施設からは糞尿の臭いが漂い、雨の日には雨水と糞尿でぐちゃぐちゃになった地面の上をシカは歩き、汚れて地面にたまった水を飲んでいました。 200羽収容された3m×4mほどのインコのケージからは騒音と悪臭が漂っていました。 「第一種動物取扱業者が遵守すべき動物の管理の方法等の細目」で義務付けられている動物の状態や清掃の実施などを記録した台帳すらつけられておらず、繁殖や動物の生死の履歴すらわからない状況でした。こういった状況に対して要望を続けた結果、他の団体からも声が上がり、数多くの市民が昭島市に声を届けてくれるようになりました。また昭島市議会の内山真吾議員が、2016年8月31日の昭島市議会で昭和公園の動物問題を取り上げてくれました。まだ数多くの問題が残っていますが、昭島市はこういった声を真摯に受け止め、改善に向けて取り組みはじめています。2017年5月には昭島市のサイトに「昭和公園動物園について」というタイトルで、今までの飼育方法についての反省と、動物飼育環境改善の取り組みについて具体的に公開されるようにもなりました。 これまでの経緯ヤクシカ市民から通報があったころの状況:2016年4月28日15時ごろ撮影(雨天後) 水入れ11頭(2016年10月15日に一頭のオスシカが死んだため10頭。その後さらに一頭死んだため9頭)のシカが8m×7mほどのスペースで飼育されています。 餌やり・掃除は朝1回だけ。一日の終わりには地面は糞だらけになり、反芻動物に必要な牧草も不足しています。 水入れはコンクリートで打ち固められた溜め水で、水替えはホースでつぎ足す方法でおこなわれるため、水の総入れ替えはできません。(2017年2月20日からは午後にもう一度餌やり・水替え・清掃(糞の除去)が行われるようになりました) 2017年2月23日追記:現在、下の写真のように新たに餌の設置箱を設けるなどして、餌が増量されています。しかし夕方5時ごろには、ほとんど餌がなくなってしまっている為、さらなる餌の増量をお願いしています。 2017年2月2日撮影去勢 閉鎖予定にもかかわらず、2010年に小鹿が産まれてしまったことをきっかけに、ようやくオスの去勢が実施されたということです。閉鎖が決定した2002年から2010年までの8年間、雌雄別飼育していない状況で小鹿が産まれなかったのだろうかという疑問が残りますが、当時を知る者は鹿しかおらず台帳も付けられていない状況では、今となっては不明のままです。 去勢を実施した後でも、秋の発情期のオスの闘争行動は消えておらず、狭い収容施設の中で争いが起こっています。 2016年10月13日14時撮影ヤクシカ同士の闘争は収束せず、2017年に入ってからも闘争が続いています。 2017.1.25撮影2016年10月15日にオスが一頭死亡 原因は不明。昭島市に確認したところ、「解剖していない」とのこと。2000年生まれ。16才。 土曜日に死に、公園事務所が確認したのが月曜日(土日は事務所が休みで、委託業者が一日一回の餌やりに来ているため)。 死んだ時期は発情期でオスシカ同士のケンカが頻繁に起こっており、サシバエの大量発生が続いている時期でした。こういったストレスが死の要因になった可能性があります。 この件について、2017年2月1日に昭島市に再度文書を送付。2017年10月13日さらに一頭死亡 2000年に産まれたオスのヤクシカが死亡。現在(2018年1月時点)病理解剖の結果待ちとのこと。その後、アニマルライツセンターだけでなく、他の市民団体や一般市民の皆さんから多くの声が寄せられ、ヤクシカ舎は、放飼場+屋根のある大きい小屋の広いスペースに移動になりました(写真撮影は2020年10月)。奥が小屋、手前が放飼スペース。自由に出入りできる。放飼場。上からつり下げられた入れ物の中にも餌が入れられるようになっている。 小屋。奥に砂場がある。以前は一日一回の清掃だったものが二回になった。隔離されたオスのヤクシカ 2016年4月28日15時ごろ撮影隔離された一頭のオスシカが、2.5m×2.5mほどのスペースで、数年間飼育されています。(正確な年数は不明) もともとボス鹿だったが、眼が白内障になり、ほかの鹿からいじめられるようになったため2011年に隔離されたということです。1992年生まれ。糞尿が垂れ流され、反芻動物に必要な草もないこの狭いコンクリートの上での飼育が2011年から続いています。*2011年何月から隔離されているのかは、台帳未記載のため不明です。環境の改善を要望していたところ、2016年7月4日に群の施設の方に移動されました。 移動元の収容施設 移動先の収容施設 このオスシカと、他のシカたちとの関係は良好のように見えます(2016.8.26時点)。また移動先の収容施設の前方に大きな木が植わっており、木陰ができ、風通しもよく、夏は過ごしやすいだろうと思われます。*2016年9月に元の隔離施設へ戻されました。 理由は、高齢で目が悪いため他のシカに邪魔されて餌を満足に食べることができず、かなり弱ってきたため。獣医師に容態を診てもらい、眼もよくならないため安楽死という選択肢もあったが、隔離施設への移動ということになったそうです。移動してからは少し元気になりましたが、現在24才(2016.10月時点)、足取りもたどたどしく、もうあまり長く生きられないかもしれません。現場の担当者には、隔離施設に隣接する空き地への扉を開いて、昼間人がいるときの数時間だけでも外に出られるよう提案しました。もはや走り回ったりはできない状態で、実際に外に出てくるかどうかはわかりませんが、2016年10月13日に視察した際、この隔離シカは作業者が扉の裏を通る音を聞いて、扉の前に移動し待ち受けるような様子を見せていました。公園事務所に聞いたところ毎日作業する人には懐いているということです。今まで5年間狭いスペースに閉じ込められて、何も選択できない状況だったので、「外に出たくなれば外に出でることができる」「土の上を歩きたいときは歩ける」「違う景色を見たいときは見ることできる」など、選択肢を増やしてあげてほしいと思います。 2016年10月13日14時撮影 2017年1月21日撮影隔離シカは、前よりもかなり元気になっていました。しかし飼育状況は変わっていません。 隔離シカは、繁殖期でもないのに鳴き続け、ぐるぐると常同行動をしていました。自然界における行動範囲の広い肉食獣やクマが動物園で常同行動を起こすことは知られていますが、シカで常同行動を見るのは初めてでした。 肉食獣やクマに比べて行動範囲のはるかに狭いヤクシカでさえ、ぐるぐる回らざるを得ないほどの監禁的な飼育だといえます。2017.03.01 昭島市に確認したところ、隔離シカ舎の裏の空き地を囲い、少しの時間でも外に出られるようにできないか現在検討中とのこと。2017.04.28 昭島市に確認したところ、裏の空き地に放せるよう壁を作り終わったところで、今後扉を隔離シカ舎の扉をあけて、シカが外に出てくるか、怪我をしたりしないか様子を見守るそうです。2017.04.30 昭島市から連絡があり、裏の扉を開けて、鹿が出てくるよう餌で誘導したり、離れて見守るなどして3時間ほど様子をみたところ、警戒してこの日は外に出てこなかったそうです。また日をあけて試みるとのこと。2018年12月 この狭い施設の中で死亡セキセイインコ 2016年4月28日15時ごろ撮影同じ空間に約200羽のセキセイインコが雌雄一緒に飼育されています。(正確な数は記録されていません) 床にたまった水は緑色に汚れ、ケージに近づくと悪臭が漂い、200羽のインコが発する騒音が響きます。 同程度のサイズのバードケージが、園内にはほかに二つあり、繁殖制限のために雌雄別飼育をすることが可能なはずですが行われていませんでした。インコの檻のサイズ 間口:約360センチ 奥行き:約280センチ 高さ:約低いところで270センチ、高いところが300センチ雌雄別飼育を要望していたところ、現在別飼育が進められています。2017年1月21日16時頃撮影 以前は上の写真のケージのみでしたが、動物園入り口にある下の写真のケージへメスの移動が進められています。 上の写真にケージ付近を漂っていた悪臭も減っています。 2017.5.1 昭島市から連絡があり、現在3つの飼育施設(オス2施設、メス1施設)に分けているとのこと。完璧に雌雄分はできていないが(特に黄色いインコ雌雄の判断が難しい)様子を見ながら繰り返し分けていくそうです。 メスの2施設。入り口の二つのバードケージに分けられました(2017.5.29撮影)その後、三つのバードケージは清潔に保たれ、悪臭はしなくなりました(下写真。2020.10撮影) サル 2016年4月28日15時ごろ撮影知能が高く、自然界でも高度な環境で生活するサルの飼育については、餌の与え方や立ち木・遊び道具を利用して、エンリッチメントを実施している動物園が多いですが、昭和公園のサルには、残念ながらそういった配慮が行われていません。朝の清掃・餌やりの時間には飼育員とのコミュニケーションがありますが、それ以外の時間、サルは無味乾燥で、退屈な環境に置かれています。サルの檻のサイズ(左手と右手の檻がつながっています) 左手の小さい檻 間口:約180センチ 奥行き:約270センチ 高さ:手前が約270センチ、奥の方は約210センチ右手の大きい檻 間口:約270センチ 奥行き:約180センチ 高さ:約360センチ 2017年4月26日撮影エンリッチメントの実施をお願いしていたところ、その試みが始まりました。 写真はサルの施設内にロープがかけられた様子です。2019年12月 狭い檻の中から出られないまま、死亡しました。インドクジャク2016年4月10日にメスのクジャクが死亡 (台帳未記載のため年齢不明。入院させたそうですが、数日で死亡。)2016年11月25日にオスのクジャクが死亡 (台帳未記載のため年齢不明。死因不明。死因調査は行われていない。)2016年12月26日にメスのクジャクが死亡 (台帳未記載のため年齢不明。死因不明。死因調査は行われていない。) 2017年1月21日撮影 歩行異常のクジャク1月21日、明らかな歩行異常のため、休み明けの23日に治療を求めたところ、その日のうちに診察・隔離、翌日注射・薬の投与が行われました。また隔離施設で隠れ場の設置、寒さ対策がされていなかったため指摘したところ、ベニヤやよしずで環境が整えられました。 2017年1月30日撮影 2017年1月21日撮影2017年1月29日(あるいは28日)にオスのクジャクが死亡(上の写真のクジャク) 台帳記載がされていなかったため、年齢不明。(死の2週間ほど前に、市民が「うずくまって動かないオスのクジャクがいる」と昭和公園へ通報していたそうです。)。昭和公園に確認したところ、死因を検査するとのこと。 現在、クジャクの収容施設にいるのは、2008年産まれのメスが2羽。 この件について、2017年2月1日に昭島市に再度文書を送付サシバエ2016年8月5日 ヤクシカの収容施設で、サシバエが大量発生していました。2016年8月5日9時撮影 2016年8月5日9時撮影 血を吸うサシバエに刺されると、強い痛みとかゆみで苦しみます。おそらく今年だけではなく、毎年シカたちはサシバエに襲われていたのではないでしょうか。 ヤクシカ収容施設のあちこちでサシバエが飛び回り、鹿の体(特に下半身)にたかっていました。シカたちは始終頭を振り、尻尾を振り、刺される痛みのためか時に身をブルッと震わせていました。これらは彼らが強いストレスを感じているサインです。サシバエは水槽や餌槽や糞尿のある、湿ってジュクジュクした場所に産卵します。 昭和動物園のヤクシカの収容施設は水はけが悪く常にどこかが湿っているような状況です。水入れの周りも濡れています。そこに糞尿が排出されます。シカは一日に約100個、1日に12回くらいの排糞をする*1そうです。尿もします。しかしこの動物園で清掃が行われるのは一日に一回だけ。 サシバエが好んで産卵したくなる環境だといえます。2016年8月5日9時撮影 サシバエは5 月から7月前半にかけて増加し、7月、9月、11月に発生のピークを迎え、晩秋まで、活発に活動*2します。また、最高気温が30度以上になる8月には発生は減少する、と言われています。にもかかわらずサシバエのピークではないはずの8月(この日の最高気温は33度)でこの状況では、今後、秋にかけてさらに環境は悪化してしまう可能性があります。2016年8月5日9時撮影 ヤクシカ収容施設のフェンスにとまっているサシバエ。鋭い吸血咬があります。 他のシカのようにハエを追い払おうという行動をせず、弱っているように見えるシカ。足を中心に体にハエがたかっています。 これらの状況については、昭和動物園事務所に、サシバエの対策と健康状態の悪いシカを獣医にみせることを、その日のうちに実施してもらうよう申し入れました。 サシバエ対策については即時に糞と濡れた土の除去、ハエトリ紙の設置をしてくれましたが、それだけでは根本的な解決にはなっていません。すべてのハエの卵・ウジ・成虫を除去できたわけではないからです。引き続きハエは卵を産み成虫になりシカを刺し続けます。一日一回の清掃しか行われませんから、日々糞尿が堆積した状態が続きます。サシバエは成虫の生存期間は約2週間ですが、約800個も産卵します。抜本的な改善が必要です。 健康状態の悪い鹿については、「問題ないように見える」との事務所側の回答で、診察はされませんでした。2016年8月8日 ハエ防除に有効で鹿に悪影響の無い防除薬を事務所側に示し使用を求めたところ、対応は早く、その日のうちに購入し、シカ収容施設へ散布されました。2016年8月26日 午前8時~11時に視察したところ、写真のように防虫ネットが貼られていました。サシバエがなかなか減らないため、動物園事務所の方が防除対策を調べて設置されたそうです。またニームやハッカなどの鹿に悪影響のない防除薬が土壌やフェンス、小屋やシカの体に継続使用されたことも効果があったのか、以前に比べてシカにたかるサシバエの数は格段に減っていました。 以前はシカがじっとしているとあっという間に数十匹~100匹のサシバエがシカにたかり、シカは片時も落ち着く様子がなく始終体を動かしたり場所を移動したりしていましたが、そのようなことはなく、数匹のサシバエがシカの周りを飛んではいますが、シカは落ち着いた様子で、暑いながらも風通しのよい日陰でくつろいだ様子でした。 2016年9月28日 防虫ネット、薬剤散布などをしていただき、一時軽減したように見えましたが、また大量発生しており、根本的な解決ができていない状況です。 2016年10月13日14時撮影シカの収容施設内がサシバエの発生源となっている可能性もあります。 この件について、2017年2月1日に昭島市に再度文書を送付。 *この文書の中で衛生管理・サシバエ防止のために、収容施設内の土の定期的な入れ替えを提案していましたが、2017年3月8日、小屋の部分も含め、深さ10㎝ほどの土が入れ替えられました。今後状況を見ながら定期的に入れ替えをしていくそうです。参照 *1 高槻成紀・鹿股幸喜・鈴木和男.1981.ニホンジカとニホンカモシカの排糞量・回数. 日本生態学会誌,31:435-439.(ヤクシカはニホンジカの亜種のため、ニホンジカのデータを参照) *2 但馬家畜市場 うっしっしぃー情報2016動物愛護管理法(基本原則) 第二条 2 何人も、動物を取り扱う場合には、その飼養又は保管の目的の達成に支障を及ぼさない範囲で、適切な給餌及び給水、必要な健康の管理並びにその動物の種類、習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行わなければならない。(罰則) 第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、二年以下の懲役又は二百万円以下の罰金に処する。 2 愛護動物に対し、みだりに、給餌若しくは給水をやめ、酷使し、又はその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、又は保管する愛護動物であつて疾病にかかり、又は負傷したものの適切な保護を行わないこと、排せつ物の堆積した施設又は他の愛護動物の死体が放置された施設であつて自己の管理するものにおいて飼養し、又は保管することその他の虐待を行つた者は、百万円以下の罰金に処する。 3 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。 4 前三項において「愛護動物」とは、次の各号に掲げる動物をいう。 一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる 二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの自然界と同等の環境を動物園で整えることは不可能ですが、それに近い環境を整える努力をする義務が、管理者にはあります。 疾病にかかり、又は負傷した動物については適切な保護を行わなければ、罰則対象になります。しかし、動物の身体状況の異常に気が付かず、ヤクシカやクジャクは治療されることなく死んでしまっています。身体状況の以上に気が付くことができなかったのは、動物専属の職員がいないという人員不足によるものです。昭和公園の小動物園では動物愛護管理法に反する状態が長い間続いてきました。施設の拡充、動物をしっかり観察し、病気ではないかストレスを感じていないか、問題があるならタイムリーに対応するという体制。いずれも昭和公園に欠けていたこれらをみたそうと思えば予算が必要です。動物の適切なケア・エンリッチメントを行うには動物園専属の職員が不可欠です。この小さな動物園の動物たちにまとまった予算を投入して抜本的な改革をはかっていただけるようお願いしても、はじめはそれらの要望に対しては「予算上できない」という回答でした。しかし多くの市民団体、市民からの声が寄せられた結果、昭和公園は変わってきています。気付いたことを、その動物を管理している人に伝えるということはとても大切です。一人一人が声を届けなければ、物言えぬ動物の状況を改善することはできません。昭島市だけでなく、人の管理下にいる動物が「かわいそう」と感じたら、管理者に声を届けてください。アニマルライツセンターの提案・要望してきた事項変化に富んだ環境づくり(エンリッチメント)施設の拡大 *隔離シカについては2017.3.1時点で検討が行われています朝昼晩の餌やりと清掃 *ウサギとヤクシカについては、午後にもう一度餌やり・水替え、清掃(糞のみ)が行われるようになりました反芻動物のシカには常時食べられる牧草 *増量されましたが、まだ不足している状況ですセキセイインコの雌雄別飼(繁殖制限) *現在進められています動物の数および状態について記録台帳をつけること *実施されるようになりましたサシバエ対策 *ネットの設置や防除剤散布など様々な対策が実施されましたが、解決には至りませんでした。その後清掃の回数が一回増やされ、2017年3月9日には土壌の入れ替えが実施されました動物専属の職員の配置2016年5月3日 昭島市に提出した提案・要望書*この提案・要望書については、昭島市議会議員、内山真吾が8月31日の昭島市議会(平成28年第3回定例会)で質問をしてくれています。2016年6月22日 昭和公園からの回答 日頃より、昭島市の公園行政に御理解と御協力をいただきありがとうございます。 平成28年5月4日付『【市民の声】昭和公園の小動物園における、動物の飼育環境改善の提案・要望』につきまして回答いたします。1.各動物に対して、朝昼晩3回の餌やりと清掃 ご要望では、現状の管理体制自体を見直さなければなりませんので、早急に変更することはできませんが、いただきましたご意見を真摯に受け止め、今後も検討してまいります。 また、現在本市で朝1回餌やりと清掃を実施しておりますが、餌が不足することのないよう注意してまいります。2.セキセイインコを雌雄別飼し、適切な繁殖制限により、これ以上の過密飼育を防止すること 雄雌を分け、適切な繁殖制限を行います。3.エンリッチメント(飼育動物の幸福な暮らしのための工夫)の実施 3-1~3、いただきましたご意見を今後の参考にさせていただきます。 3-4放飼スペースの確保は現状ではとても難しいと思いますが、代替案を含め検討してまいります。また、隔離しているヤクシカについては、獣医師と相談の上、今後の飼育方法を検討してまいります。4.動物の数および状態について記録台帳をつけること 台帳につきましては、飼育動物の管理上必要最低限のものはございますが、ご指摘の通り十分な内容とは言えません。 新台帳を作成し、適切な管理に努めてまいります。この度、いただきました貴重なご意見を参考に飼育動物の適正な管理に努めてまいりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。2016年10月14日 動物園専属の職員最低6名の常在を求めて昭島市に提出した提案・要望書2016年10月29日 昭和公園からの回答 2017年2月1日 ヤクシカ1頭、インドクジャク4羽が続けて死亡したことについて、このような事態の防止のために提案書を提出2017年2月17日 昭和公園からの回答 クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share 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