米国のケージフリーで飼育される鶏の割合がついに40%を上回った。2024年5月にUSDAが公表した。米国は政府主導ではなく、市民と企業の力でアニマルウェルフェアを押しあげている国だ。たしかにカリフォルニア州などをはじめとして8州が条例でケージフリーの卵の売買を禁じるなどの規制が出来上がっているが、これも市民の力で勝ち取ったものだ。市民が小売や飲食やメーカーなどの卵を買い付ける企業に声を届け、その企業がケージフリーにすることをコミットし、それに生産者が応えて飼養形態を変化させるという市場原理を利用した社会課題の解決を見せている。2025年までのケージフリーコミットメントが多く、ケージフリーの卵が間に合わないと言われていたが、鶏卵業界紙は実際には多少の遅れは発生しても2025~2026年には対応が可能である見通しを示した。大手養鶏場が一気に帳尻を合わせてきているようだ。米国は日本同様に、国からのアニマルウェルフェアの補助金が在るわけではない。市場原理で動かしてきた。動物に配慮しようという倫理が、産業の形を大きく変えた。人類史上、この人間の成熟は素晴らしいものだ。世界も今同じ方向に進み、市民が、企業が動物への配慮をしようと意識を変えて、生産者がそれに追いついてくるということをはじめている。日本で同じことができるだろうか・・・?日本人はどこまでも弱者に冷たい国なのか、それとも配慮する成熟度を見せるのか、、、日本でケージフリーで飼育されるの鶏の割合は依然低く、現在のところ(2024/7)1.13%に過ぎない。まちがいなく、最低レベルだ。それでも市民側は意識を変え始めている。「どうせ殺してしまうんだから」など残酷な発言をする人は恥ずかしい思いをする時代は徐々にきている。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article市民の声で変わってきた!企業のアニマルウェルフェアの今 Next Articleパリオリンピック、卵はフリーレンジ 2024/07/21