2021年7月から2022年1月にかけ、アニマルライセンターは半年にわたってエビ養殖での眼の切断についてのキャンペーンを行った。Compassion in World Farming International (CIWFI) の助成金を用いたものだ。キャンペーンの対象は一般市民とASCやMELなどの養殖認証機関であり、主な目的は次の通りだ。エビの眼の切断について知ってもらう養殖エビの消費を減らす養殖認証ラベルに眼の切断を承認しないよう促すキャンペーン中の活動:エビについての認知度と世論を調べるために、キャンペーンの始まりと終わりに意識調査を行った。イラストを作成してもらい、キャンペーンサイトを立ち上げ、 プレスリリース を30のメディアに送った。広告を作成し、日本中の地下鉄・鉄道の駅やバス亭での掲出を申し込み(どこにも受け入れられなかった)、その他郵便局や屋外看板など様々な媒体に要望した。これ自身が啓発の機会となった。8月~9月には代わりに Google・Facebook・Instagram・Twitter で広告を出した。ポスターを200枚印刷し、日本中の支援者さん達に貼ってもらった。(まだ残っています!)屋外スクリーン画面の看板会社が表現を和らげた広告を受け入れてくれたので、11/1~1/16の期間、日本の主要都市5つの8か所で1~2週間ずつ放映した。エビの眼の切断についてのパネル・動画・スピーチを用いた街頭活動を最低5回開催した(コロナ感染症の影響で予定よりも大幅に少なかった)。養殖エビの福祉について記事をオルタナに寄稿し、Yahoo ニュースでは216のコメントがあった。支援者にASCやMELなどの養殖認証機関やAlter-Trade Japanなどの養殖エビ販売者に意見を届けてもらった。Global Seafood Alliance の日本マーケット担当者と打ち合わせ、BAP認証にてエビの眼柄除去についての条件を含める可能性について話し合った。結果このキャンペーンは約300万人~1000万人の人々に触れたと推測できる。調査回答者:2,884人+2,934人ウェブページ観覧数:>10,000回Google広告 (9/22-29):524,583回表示、2,997クリック (表示1回あたり0.1円)SNSでのリーチ:日付Facebook リーチ数Instagram リーチ数Twitter インプレッション数 8/416,634 (広告単価¥0.5)25,23348,371 (広告単価¥0.4) 8/20-26 8,80214,188 4,197 9/7-8 2,65911,854 1,400 9/21-2213,705 (広告単価¥0.8)18,740 (広告単価¥0.6) 8,310 (広告単価¥1.2)10/4 1,42819,256 8,100 (広告単価¥1.5)10/10 2,454 1,21911/9 2,431 8,932 1,89811/16 2,68910,827 1,14311/22-23 1,88014,212 1,01811/30 1,641 5,332 1,54512/17 1,394 6,61212/21-22 2,088 5,162 2,28712/24 1,194 4,578 1,124 1/5 1,360 1,905合計57,905 リーチ146,831 リーチ80,612 インプレッション屋外スクリーン画面看板期間頻度インプレッション数※費用場所11/ 1 – 11/14 (2週)毎時8回1,369,000¥ 77,000福岡市天神11/15 – 11/28 (2週)毎時8回1,844,000¥100,100大阪心斎橋11/22 – 11/28 (1週)毎時8回1,485,000¥100,100名古屋栄11/29 – 12/12 (2週)毎時8回1,809,000¥100,100下北沢駅12/13 – 12/26 (2週)毎時8回2,536,000¥138,600渋谷青山12/20 – 1/ 2 (2週)毎時8回1,266,000¥ 69,300新宿駅新南口 1/ 3 – 1/ 9 (1週)毎時8回1,790,000¥123,200大久保駅 1/10 – 1/16 (1週)毎時4回1,083,000¥ 77,000札幌合計13 週間13,182,000¥785,4008か所※看板会社LiveBoardによる想定数7月と1月に行った全く同じ質問での意識調査によると、眼が切除されていることを知っていると答えた人が9.7%から11.8%に増え、エビは苦痛を感じることができると知っていたと答えた人が23.8%から25.8%に増えた。それぞれ2%の変化だが、日本人口300万人相当だ。詳しい調査の結果はこちら。分かったこと日本では、約4人に3人がエビは苦痛を感じることができないと思っており、最低約半数の人が魚は苦痛を感じることができないと思いこんでいる。今後、甲殻類やその他水生動物たちの発信をする際に、この現状を考慮に入れるのが大事であろう。日本では、若い世代の人達ほど、養殖に関する問題についての認知度は高いが、それを改善したいという意欲は多くはない。特に10代の世代に、個人の選択が変化を起こすことを伝えたい。広告用に、少しでも衝撃的で怖い表現は、日本の広告会社に受け入れられ難い。広告のデザインをかなり和らげる必要があった(イラストからはさみ・煙・エビを掴む人の手・エビから「イタイッ」「ヤメテッ」などの吹き出しを削除しなければならなかった)ため、発注した屋外看板の効果は減ったと思われる。反響食用動物の福祉問題についてこれほど大々的に看板に載せられたのは日本では初めてであり、多くの人にとって印象的だったようだ。また、人間に目を取り除くという残酷な発想があったということに多くの人が衝撃を受け、怒りを感じたようだ。エビのことを長い間無視してきたことに後悔を覚え、今回重要性が分かったという人もいた。まとめ水産養殖される動物のウェルフェアキャンペーンを日本で初めて実施することができた。屋外看板は高価であり、支援者様の寄付金で賄うことが難しく、助成金なしではこれほど多くの人の目に触れるキャンペーンは難しかっただろう。今回の取り組みを通して、アニマルライセンターは畜産動物だけではなく、水産養殖動物も重視していることを示すことができた。日本では水産養殖動物の福祉に焦点を置いた取り組みは今まであまりない。日本を代表する動物保護団体として今回の取り組みに挑んだことは、社会や業界に、この無視されがちな分野は重要であるというメッセージを届けたと思われる。特に、エビも苦しみを感じることができるという市民の認識が約2%増えたことに貢献できたことは前進である。エビの養殖で眼が切除されていることを知っている人が約2%増えた。調査では、4割近くの人がキャンペーンの内容を見た後「エビの消費を減らしたい」と思ったことから、人口の約1%のなかでエビの消費は減ったと推測できる。Global Seafood Alliance と同連盟の Best Aquaculture Practice (BAP) 認証に関して対話を始めることができた。今後キャンペーンのサイトと関連記事は今後も更新する。養殖エビについて #エビの命も大事 を使って発信し続ける。屋外用のポスターは、掲示してくれる支援者に配布を継続する。街頭活動やその他のイベントでの啓発を継続する。Global Seafood Alliance、ASC、MELなどの養殖認証機関への要望を継続する。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleフォアグラほど要らない素材はない!フォアグラ輸入44%減、10年前からは94%減 Next Article持続可能な農業にケージフリーは必須「エコストアパパラギ」がケージフリー宣言 2022/02/08