2020年の法改正により、動物愛護管理法の第二十一条、基準遵守義務の第二項が新たに追加され、動物取扱業(第1種及び第2種)の飼養基準が改善される、、、と考えられていました。しかし、8月に環境省に確認した情報によると、犬猫以外の動物種については動物取扱業の飼育基準を改善しないつもりであると言われ、再び私達は動物実験の廃止を求める会、PEACE 命の搾取ではなく尊厳をの3団体で環境省との交渉をはじめました。同時に、#置き去りにされた動物たち キャンペーンを開始し、一部の多くの人が”好き”な動物だけを守り、それ以外の動物を見捨てる今の社会への警鐘を鳴らしました。参議院の福島瑞穂議員の力を借り、環境省と話し合いを持ち、まずは「犬猫以外の動物の飼養基準についても検討しないわけではない」「ただ優先順位を決めなくてはならず、いつになるか不明」という回答を得ました。私達の方からどのようなスケジュールで、またどのような改正をすることが、より動物の虐待を減らすために効果的であるのかを示し、少なくとも犬猫の飼養基準の答申を出す際に、その他の動物種についても検討に入ることを明記するよう強く要望しました。その結果、10月の中央環境審議会動物愛護部会(第57回)では、「犬猫以外の哺乳類、鳥類及び爬虫類 に係る基準についても、今後検討を進める。」と明記されました。ご尽力いただいた福島瑞穂議員に心から感謝いたします。犬猫だけ特別視する危険犬猫の動物取扱業の飼養規準が改善されることは、大変喜ばしいことであり私達も法改正時から求め続けたことです。しかし私達は犬猫だけを特別視しろとは求めておらず、すべての動物を守らなくては、国内の動物愛護の気風は一切高まらないと、常々警鐘を鳴らしてきました。動物愛護法の改正ではいくつかの「犬猫」に特定した書きぶりを「動物」に切り替えてもらい、差別は多少是正された状態になりました。しかし、私達は法改正の途中で言い放たれたこの言葉を忘れることができません。「爬虫類とか後で良いから犬猫をなんとかして」今回の環境省の流れは、このような非人道的な発言をする多くの人の意見に環境省が流されざるを得なくなった結果でした。犬猫の動物取扱業が厳しくなっても、他の動物取扱業がゆるいままであれば、悪質な業者は犬猫繁殖をやめてその他の動物を繁殖するだけです。ペットブームを作ることなんてとても容易なことですから、儲ける仕組みを考え出すことでしょう。犬猫のスペースを広げるために、他の動物のスペースを狭めるだけになるのです。他の動物についても同時に言及しなければ、次なる課題がただただ新たに生まれ続けるだけなのです。これは、畜産動物、実験動物などの動物取扱業にすら入れられない業種にも当てはまることです。目の前にいる自分が好きな動物だけ守り、他の動物を痛め続ける仕組みに目をつむるのは、ただの差別です。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleキャッチアンドリリースという残酷 Next Article動物の飼養規準改正 パブリックコメントを送ろう 2020/11/04