2020年6月1から動物愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)の改正案が施行された。実効性を上げるべく、私達は他団体と協力しながら提言をし続けた。結局の所、どのあたりが使えるようになったのか、またそれぞれの立場で課される義務、少し解説をしたい。犬と猫を守る方法については多くの団体さんが解説したり把握していらっしゃるので、アニマルライツセンターではまた後日ということでご容赦いただきたい。新しい法律 https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/laws/nt_r010619_39_5.pdf改正時のこちらの解説も参照してほしい。畜産動物を守る畜産業についても一定の改正が行われ、監視の目が厳しくなる。 ようやく、、 畜産業に関わりのある部分を少し紹介しよう 最初に言っておくが、これまでだって畜産動物は動物愛護法の一般飼い主が当てはまる項目は全て同じく当てはまっていたし当然罰則だって変わらず当てはまっていた。しかし、産業動物に特化した条項がなく、これは変わらない。しかし産業動物の保護を目的とした改正が今回ほぼはじめて!行われた。畜産、と畜関係部署は協力しないといけない第41条の4関係 関係機関の連携強化 国が地方公共団体に対しておこな情報提供、技術的助言その他の必要な瀬策を講ずる努力義務の事項に、畜産、公衆衛生に関する業務を担当する地方公共団体の部局、民間団体との連携の強化に関する事項が追加された。 すでに畜産業者とコンタクトのある行政(家畜保健衛生所など)、屠殺場や食鳥処理場に立ち入る家畜保健衛生所職員などは、動物愛護法の指導を行うことが努力義務になった。 指導してって言えばしてくれるはずというところまで、前進だ(なんて遅い進み!!!)。ただし、現在の家畜保健衛生系の部署はアニマルウェルフェアや動物愛護についてかなり軽視する傾向がある。獣医師は動物虐待を通報することが義務第41条の2関係 獣医師による通報動物虐待が疑われる動物、その動物の死体を発見したら通報する義務があり、これはこれまで努力義務だったが、今後は義務になった。しかも遅延なく。罰則はないが、黙っていれば違法行為だ。獣医師は畜産場や屠殺場にも多数携わっていることを忘れてはなりません!彼らは通報しなければ違法です。一般飼い主と同じで行政は立ち入り勧告できる25条改正前からそうなのだが、衛生面や虐待の恐れがある場合は、行政は立入検査をすることができる。改正前は多数の動物を飼育していなくてはならなかったが改正後は単独の飼育でも立ち入り可能だ。とはいえ、畜産動物で単独というのはあまりないので、改正前から変わらずこの条項は使えるのだ。使われたことがないので今ひとつ不安だが・・・防疫的に難しいと言われるかもしれないが、しかし犯罪の前に防疫もなにもない。とはいえ動物愛護行政は立ち入ってくれないこともあるだろうから、そんなときには連携強化された部署が活躍するであろう。殺す方法、国際動向を考慮第40条関係 動物を殺す場合の方法にかかる国際動向の考慮あまりに酷い殺し方ばかりの日本の畜産業、今回の改正では、「動物の殺処分の方法について、諸外国塔における科学的知見や制度等について情報収集等を行い、従事者の安全性や心理的な負担等も考慮して、基本的な考え方や具体的な手法を再整理する。by環境省の通知より」となり、期待されるところだ。罰則第44条罰則ももちろん、畜産も関係がある。また法人であればその罰則は、虐待や違反行為をした本人及び法人双方にかかるため実質二倍の罰があることを認識しておくべきだ。 罰則の中で特に注目すべき点は、畜産に関しては 「飼養密度が著しく適正を欠いた状態で愛護動物を飼養し若しくは保管すること」が違法行為として明記された点だ。ん~、、かなりの割合の業者が違法になる。 その場合、機能しない場合があるが、企業は常に法遵守を隠れ蓑にしてきたのだから、それを崩すことが出来る。「弊社は法律を遵守し」などというなんの向上心も感じられないアタリマエのことをすごいことのように回答をしてきた企業には、密飼いの鶏肉や卵や豚肉、牛乳を使っていないことを確認するのがよいだろう。番外編:闘鶏、闘犬、闘牛、馬を使った催事など第44条の2 動物を闘わせることはほとんど罰則対象になっていると考えるべきだ。「愛護動物に対し、みだりに、その身体に外傷が生じるおそれのある暴行を加え、又はそのおそれのある行為をさせること、」は罰則に当たる虐待である。「実際に外傷が確認できない場合であっても、その恐れがある行為を行うこと」「自らが外傷を負わせずとも、愛護動物に外傷を負わせる可能性が生じる何らかの行為を強いること」後者も外傷が確認できなくても問題なく違法になる。 闘鶏は多くの場合外傷を負う。またその恐れが非常に大きい。これは実質禁止と考えるべき行為なのだ。また、上げ馬祭りなどの馬を使った催事でも毎度動物が怪我をし、時に死ぬ。これも違法行為と考えるべきだ。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article日本のハラールと殺 輸出先がどこでもスタニング可能 Next Article名前の通り、持続可能な選択を尊重するサステナブルキッチンロージーはケージフリー 2020/06/02