環境省が2019/12/15~2020/1/14まで募集している動物愛護法に関係する”重要な”パブコメがあります。どうか皆様の意見を送ってください。難しそうだと思わないで! どうやって法律を運用していくのか決めた「施行規則」と、犬猫を引き取るときの「措置」の方法について、愛護法改正をうけて見直したので、これでいいかと環境省が尋ねているのです。そしてそれが十分に動物保護団体や改正に携わった国会議員の意図を汲み取ってくれていれば、問題がないのですが、汲み取られていないのです!だから国民が意見しなくては、せっかく良くなった法律が活かせなくなってしまうわけです。重要な点を意見案として列挙し、またアニマルライツセンターから提出するパブリックコメントを掲載しますので、その中でご納得いただける点について、皆様からもご意見くださいますようお願いします。パブコメの送り方環境省のサイトにあるように、メール(添付ファイルはNG)、郵送、FAX、またはこちらのページ(https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=195190075&Mode=0)のフォームから送付することができます。環境省のパブコメ募集のページ 環境省の改正案「動物愛護管理法省令事項素案」現行の「施行規則」 現行の「引取りの措置」1:暴力団への資金供給排除や違反を繰り返す悪質業者が排除できない!・該当箇所 素案P1 第一種動物取扱業者の登録拒否事由の追加(1) 不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者として環境省令で定める者・意見内容 以下を追加すべきである。過去において、繰り返し許可の取消又は営業停止処分を受けている者動物取扱の業務に関連して、繰り返し罰金以上の刑に処せられた者法及び関連法、若しくはこれらの法令に基づく処分に違反し、行政庁の指導等が累積している者法及び関連法、若しくはこれらの法令に基づく処分に違反し、公訴を提起され、又は逮捕、勾留その他の強制の処分を受けている者暴力団員に対して、自発的に資金等を供給し、又は便宜を供与するなど直接的あるいは積極的に暴力団の維持、運営に協力し、若しくは関与している者その他上記に掲げる場合と同程度以上に的確な業の遂行を期待し得ないと認められる者・理由2:法律にいわゆる「おそれ条項」が追加されたが、環境省案では、取消し処分もしくは廃業の届出のあった者に関する規定しか案に含めていない。これでは法律に「おそれ条項」が加わったことが生かしきれない。動物の密輸やその売買は儲かる違法行為であり、暴力団の資金源になりかねない。生業としている業を取り消すのは簡単ではなく、取り消しになかなか至らない行政の甘い措置に味をしめ違反を繰り返す業者が横行しかねず、指導や罰金などが繰り返されている業者も登録拒否事由に追加すべき。2:悪いことは平社員にやらせればOK?!・該当箇所素案P2 第一種動物取扱業者の登録拒否事由の追加 (2)環境省令で定める使用人・意見内容「……、事業所の業務を統括する者とする。」 を 「……、事業所に勤務する常勤の使用人とする。」に変更・理由登録拒否事由に該当するものとして「使用人」が法改正で含まれたにもかかわらず、環境省は「業務を統括する者」と管理職のみに限定し、意図を矮小して捉えることで法律が緩い解釈になってしまっている。文字通り常勤の従業員を「使用人」として定義すべきである。3:動物虐待、行政は指導する気がないのか!?!? ・該当箇所素案P4 周辺の生活環境が損なわれている事態、虐待を受ける恐れがある事態 (2)虐待を受けるおそれがある事態として環境省令で定める事態・意見内容以下の項目を新設すべきである。七 頻繁に外傷が発生した個体が見られ、又は外傷を生じるおそれのある行為を強いられる環境に動物をおいたことが認められること。八 適切な運動ができない状態で拘束、又は保管していることが認められること。九 不適切な暑さや寒さのもとに保管、又は長時間放置していることが認められること。十 著しく狭い空間に入れ、又は同じ空間に多数の動物を入れることにより当該動物が自然な行動を発現できない状態で飼養又は保管していると認められること。十一 動物を利用する場合において、当該動物の能力を超えた使役をさせたと認められること。十二 動物が傷つき、又は死亡する可能性のある行為をさせたことが認められること。・理由法律が定義する虐待を受ける恐れがある事態と一致しておらず、より簡素に、衛生面のみの規定に終止しており現在の社会にそぐわない。今回の改正で本法第四十四条(罰則)は改正され、より詳細な記載に変わったにもかかわらず、一切変えないのはおかしい。最低限本法に追記された内容を反映するべきである。4:法改正で差別を解消したのに、環境省がふたたび差別を復活?!・該当箇所素案P7 動物に関する帳簿の備付け等を要する取扱いの追加・意見内容「…この場合において、動物販売業者等のうち犬又は猫を取り扱う者は当該犬又は猫の個体ごとに帳簿を記載し、犬又は猫以外の動物を取り扱う者は、当該動物を所有又は占有した日及び当該動物の品種等ごとに帳簿を記載するものとする。 」 を、以下の通り改正すべきである。「 …この場合において、動物販売業者等は当該取り扱う動物の個体ごとに帳簿を記載するものとする。ただし、一回に取り扱う個体数が種ごとに100を超えるなど識別が困難であると認められる場合又は卵や幼体、育雛期等にあつては、当該動物を所有又は占有した日、当該動物の品種、入手先、年齢、識別できる範囲内で性別等ごとに帳簿を記載するものとする。」・理由改正で犬猫となっていた部分が動物と変更され、すべての動物が一律に帳簿をつけることとなったにもかかわらず、犬猫以外の動物は簡易的な帳簿の付け方が許されるとしている。犬猫については個別に帳簿をつけることができるのに、猿やウサギやオウムや亀は個別に帳簿をつけないで良しとする理由が不明。生まれた直後などを除き、すべての動物は個体識別することが可能であり、できないような業者は技術や知識が不足しているか、管理能力を超えた数を飼育している似すぎず、業者の都合を考慮すべきではない。法律通り、動物の帳簿をそれぞれ付け、識別が不可能なものに限って例外規定を設けるべきである。5:動物取扱責任者、趣味の飼育が認められるって嘘でしょ?!・該当箇所素案P10~11 動物取扱責任者等に関する要件の追加 (1)動物取扱責任者の選任要件について ハ、ニ・意見内容実務経験の期間を1年以上とすること「取り扱おうとする動物の種類ごとに実務経験と同等と認められる一年間以上の飼養に従事した経験」を「取り扱おうとする動物の種類について一年間以上の飼養に従事した実務経験」とすること上記2点及び学校の卒業や知識と技術の習得の証明を含め3点を必須とすること・理由求められる実務経験が1年では短すぎる。また家庭動物の飼養経験である場合、それを証明する手段がなく、さらに適正な飼育をしていたかどうかの証明も不可能であることから、実務経験に変えることは不可能。あくまで実務経験に基づく業種ごと、かつ動物種ごとの飼養経験を1年以上必須とするべき。定の業種や動物飼育の実務経験があったとしても、まったく実務で扱ったことのない動物種を扱うことは、動物取扱責任者としては不適切である。犬猫保管業の動物取扱責任者である者が小鳥や爬虫類の展示業の動物取扱責任者をできるものはない。適正な飼い方を知らずに逃がしたり弱らせたり死なせたり繁殖させたりし他事例もある。6:動物取扱責任者の研修を緩和?!・該当箇所素案P12 動物取扱責任者等に関する要件の追加 (2)動物取扱責任者研修について・意見内容 「一~三 (削る)」を、もともとの原案に戻し、以下の通り改正すべきである。「3 …当該登録に係る都道府県知事が動物取扱責任者研修を次に定めるところにより受けさせなければならない。一 一年に一回以上受けさせること。二 一回当たり三時間以上受けさせること。三 次に掲げる項目について受けさせること。イ 動物の愛護及び管理に関する法令(条例を含む。)及び関連法令ロ 飼養施設の管理に関する方法ハ 動物の管理に関する方法ニ 時事的課題もしくは地域の実情に応じて効果的であると認める事項ホ イからハまでに掲げるもののほか、第一種動物取扱業の業務の実施に関すること。」・理由地方行政の負担軽減と、爬虫類などの業者が犬猫の取り扱い方法を長く聞きたくないなどの理由から削ったと説明があったが、この研修がなければ通知や改正内容の周知徹底をどうやって図るのか。地方行政は立入検査を毎年は全くできず、数年に1度、または5年に1度などになっている。その間に新たな法規制の違反が会った場合、責任を取れるのか。1年にたったの1回すらも聞くことができないのは業として適正といえるのか。結局研修や立ち入り指導が適切に行われていないために出すべき書類を出さない業者や、不適切な管理を続ける悪質な業者が存在し続けており、厳しくすることは会っても緩めることが会ってはならない。少なくとも1年に1回以上、また法令や通知等の講習、適正飼育管理について何度でも研修を行うべきである。それができないのであれば、1年に1回以上の立ち入りをし、同様の内容を伝えて回らなくてはならないのではないか。せっかく繁殖制限義務化になったのに、なんで反映されていないの?!・該当箇所犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について 現行第3 保管、返還及び譲渡し・意見内容本法7条の改正点である繁殖制限の義務化を反映させること。すなわち、「マイクロチップの装着及び不妊又は去勢の措置が確実に行われるようにするための措置を講じるように努めること。」を以下の通り改正すべきである。「マイクロチップの装着が行われるようにするための措置を講じるように努めること。また、手術による不妊又は去勢の措置については確実に行われるようにするための措置を講じること。」・理由今改正で、第37条(犬及び猫の繁殖制限)の規定が、努力義務から義務規定に強化された。これに伴い、この措置の規定も義務規定に強化すべきと考える。 不妊又は去勢の措置を啓発する立場の都道府県知事等が譲渡した犬猫が、繁殖制限措置が講じられず、繁殖に用いられるようなことがあってはならない。アニマルライツセンターから提出予定の意見アニマルライツセンター(動物実験の廃止を求める会、PEACE 命の搾取ではなく尊厳を、動物環境・福祉協会Evaと共同で作成)から提出する意見案は以下のものになります。より網羅的な内容になっています。意見はこちらからご覧いただけます。クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Articleアニマルライツセンターの3分映画が受賞しました Next Article【輸出食肉】「EUへ輸出する鶏の屠殺方法」と「国内消費の鶏の屠殺方法」に、動物福祉の格差 2019/12/27