レンコンの生産量日本一の茨城県。茨城県の霞ヶ浦周辺はレンコンの一大産地となっています。前回視察した時のレポートにも掲載しましたが、茨城県で使用される天井型防鳥ネットに、数多くの野鳥がからまり、長時間もがき苦しんだあとで死んでいっています。水鳥たちは不要なレンコンクズが浮いている収穫済みの田に好んでやってくるため、レンコン収穫のピークをむかえる12月、天井網にからまる水鳥は増加します。収穫が終わり、防鳥する必要のなくなった天井網をはずしてくれれば、まだからまる野鳥の数は減りますが、一年中天井網をかけっぱなしの田があちこちにあります。土浦市11月に視察したとき天井網がかけっぱなしの収穫済みのレンコン田(蓮田、ハス田)がありました。そこの田には2羽の野鳥がからまり死んでいました。今回視察時にも、その田には天井網はかけられたままで、前回の2羽の死体がぶらさがったままでした。そしてもう一羽、追加で絡まって死んでいました。前回のレポートでは市名を出していませんでしたが、前回の動画は茨城県土浦市のレンコン田のものです。下の動画は今回視察した同市のレンコン田の状況です。2020年12月茨城県土浦市レンコン田3時間ほど視察する中で、死体だけでなく、天井網にからまりまだ生きている鳥たちもいました。生きていたのは全部で7羽。羽や足をからませ、何とか逃れようともがき続けていました。土浦市に通報したところ、それぞれの田の所有者をあたってくれるとのことでした(この日は平日でした。休日であれば市の対応はしてもらえません)。しかし結局、その日のうちに外してもらえたのは1羽のみ。残りの6羽を外しにきてくれる所有者はあらわれませんでした。天井網を使用している所有者は、自分の田に野鳥がからまり死ぬことを承知しています。それでも使い続けています。前回のレポートで書いたように、天井網の代替法があり、実際に茨城県のレンコン田でも2/3程度は天井網を使っていないにもかかわらずです。天井網に変わる直置き網が広範囲に導入されている地域もあります。隣り合った田で、片方は天井網を使っているけど片方は使っていないというケースがあちこちにあります。この田は天井網を使っているけどその隣は使っていない、そのまた隣は使っている、道路を挟んだ向かいの田は使っていない・・といった具合です。何らかの根拠があって使っているようには見えません。(追記:ただし、隣り合った田でも片方は野鳥の飛来が多く片方は少ないというケースがあるという話も聞いています。)同じ一枚のレンコン田でも、奥のほうはかけてあるけど、手前のほうは破れて外している、というレンコン田もあります。おそらく野鳥がかかるたびに天井網を切って死体を外したのでしょう、あちこち破れだらけで何のためにはっているのか分からないような田もあります。生きていた7羽のうち1羽は外してもらえたと書きましたが、外してもらえたとしても何時間も天井網に絡まってもがき続けた野鳥が自然で生きていくことは難しいのです。もがき続けて手や足を骨折すると飛べなくなります。空を飛ばなければならない鳥の骨は軽量化されており、骨が折れやすい傾向があります。地面を歩くことができなくなります。水面に浮かぶことはできますが、潜ったり餌をとったりすることはできなくなります。アニマルライツセンターは2020年12月1日、土浦市に「レンコン田の天井網を廃止し、人道的で生物多様性に配慮した防鳥対策への変更」をお願いする要望書を提出しました。ぜひ皆さんからも土浦市に意見を届けてみてください。土浦市 市政に対するご意見・ご提案、お問い合わせ2020年12月茨城県土浦市レンコン田 通報したが、このレンコン田の所有者は助けに来なかった2020年12月茨城県土浦市レンコン田 収穫済みで必要もないのに天井網がかけられたままのレンコン田に連なってぶら下がる死体2020年12月茨城県土浦市レンコン田 首がからまりおそらく窒息死したであろうカモ2020年12月茨城県土浦市レンコン田 上の写真と同じ。おくにはバンもからまり死んでいる2020年12月茨城県土浦市レンコン田 首がからまり死亡したカモ2020年12月茨城県土浦市レンコン田 奥の四羽は死亡、手前のバンは生きている。このバンは通報後に所有者が外しに来たが、長時間からまっていたため、おそらく野生で生きていくことはできない。写真には写っていないが右手にもう一羽カモがからまって死んでいる。かすみがうら市12月にかすみがうら市の状況も1時間ほど視察しました。2020年12月茨城県かすみがうら市レンコン田土浦市と同じように、収穫後の田にも天井網がかけられたままの田が多数見られ、野鳥がぶら下がっていました。食害が指摘されていないサギもからまって死んでいました。しかし土浦市同様、天井網を使用していない田のほうが多かったです。使わなくても経営を成り立たせている生産者がたくさんいるということです。からまった死体の中には、カラスや猛禽類によると思われる、体腔部分がぽっかりなくなった捕食の痕が残るカモもいました。網に絡まって動けないまま捕食されるのはどれほど怖かったでしょう。自然界で生きている野鳥にも、体が弱ったりして生きたままで捕食されることはもちろんあります。しかしそれは、必要のない天井網でいくらでも野鳥をからめて殺してもいい理由にはなりません。必要のない天井網で鳥で数十年も殺し続けるのは、ただの虐殺です(茨城県のレンコン生産を拡大することを目的として防鳥網が使用され始めたのは2003年です)。アニマルライツセンターは2020年12月10日、かすみがうら市に、「レンコン田の天井網を廃止し、人道的で生物多様性に配慮した防鳥対策への変更」をお願いする要望書を提出しました。ぜひ皆さんからもかすみがうら市に意見を届けてみてください。かすみがうら市 農林水産課へのお問い合わせフォーム2020年12月茨城県かすみがうら市レンコン田 首が天井網にからまって死亡2020年12月茨城県かすみがうら市レンコン田 体腔部分がえぐれたように無くなってるカモ。他の動物に捕食されたものと考えられる2020年12月茨城県かすみがうら市レンコン田 首が天井網にからまって死亡2020年12月茨城県かすみがうら市レンコン田 食害が指摘されていないサギがからまって死んでいる2020年12月茨城県かすみがうら市レンコン田 収穫済みの田で、連なるようにぶら下がって死んでいる野鳥たち現時点で、スーパーで販売されている茨城県産のレンコンを見て、天井網を使用しているか、していないかを区別することはできません。そのようなラベル付けはされていません。茨城県産のレンコンは、野鳥を無制限にからめて殺したレンコンの可能性があります。リスクのあるレンコンを選びたくないなら茨城県産を避けるしかありません。野鳥と共存できる防鳥対策に変更してほしい。安心してレンコンを食べたい。天井網を使っていない生産者まで同じ目で見られてかわいそうだ。など、茨城県に皆さんからもぜひ意見を届けてみてください。茨城県 ご意見・ご提案署名ぜひご賛同下さい。署名)茨城県のレンコン 非人道的な管理方法をやめて野鳥との共存を。署名提出・進捗状況クリックして Twitter で共有 (新しいウィンドウで開きます)Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます)クリックして X で共有 (新しいウィンドウで開きます)Share This Previous Article天使のパンケーキはケージフリー Next Article年賀状ダウンロード開始![牛乳を考え直す]丑年にしよう 2020/12/10